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代わり映えしない日々にうんざりした時に #人生に効く昔話の処方箋

何ということもなく過ぎる

代わり映えしない日々に

うんざりした時は

「おんちょろちょろの穴のぞき」と唱える。

「おんちょろちょろの穴のぞき」は私のお気に入りの昔話だ。

お爺さんが亡くなり、1人で山奥に暮らすお婆さんの所にお坊さんが托鉢に回ってくる。

お婆さんは「お爺さんのためにお経をあげたいから教えてくれ」と頼むのだが、本物の坊さんではなかったお坊さんは困って、近くにいたネズミの動きを見ながら適当な経を読む。

ネズミが来たのを見て

「おんちょろちょろ参られそうろう」

ネズミが穴を覗く様子を見て

「おんちょろちょろ穴のぞき」

ネズミが戻っていくのを見て

「おんちょろちょろ帰られそうろう」

という具合のデタラメなお経。

それからというもの

お婆さんは有り難がって毎日、一生懸命にデタラメなお経を唱えていた。

ある日、そこへやって来た泥棒一味。

中の様子を伺うと、仏壇に向かっているお婆さんが「おんちょろちょろ参られそうろう」

と唱えるので、障子の穴から覗いてみれば

「おんちょろちょろ穴のぞき」

と唱える。

背を向けたままのお婆さんがまるで自分達を見ているようで恐ろしくなり、帰ろうとすると

「おんちょろちょろ帰られそうろう」と唱えたので驚いて、泥棒達は一目散に逃げましたとさ

というお話。

お婆さんにとっては

な〜んにも代わり映えしない一日が

こうやって過ぎていった。

私の

あなたの

代わり映えのないように見える今日は

本当に代わり映えのない今日だったのか?

知らぬ間に

何かに守られてそう見える

実は有難い

代わり映えのない一日。

おんちょろちょろ

おんちょろちょろ

有り難がってそうろう。




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