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「ロケットビート」もしかして知世ちゃんの事歌ってんじゃね?という説を提唱する記事

2021/2/10の虚行通信です。大道寺知世。

概要

今回紹介する「ロケットビート」は、アニメ『カードキャプターさくら クリアカード編』の2クール目のOPとして制作されたものです。

一応カードキャプターさくらの説明をしておくと、

ひょんなことから”目覚めた時この世に災いが訪れる”とされるクロウカードの封印を解いてしまった小学4年生の木ノ本桜は、
カードを司る”封印の獣”であるケルベロス(ケロちゃん)と一緒に、街に散らばってしまったクロウカードを集める「カードキャプター」となって活躍!

みたいな感じです。

というわけで今回は「ロケットビート」の歌詞考察です。早速行きましょう。



歌詞について

まず、この曲の第一印象ですが、恐らく多くの人が主人公である木ノ本桜さんの事を歌った曲だろうと想像すると思います。

私も最近まではそう思ってました。


ですが、よく歌詞を読んでみるとさくらちゃんを指してるっぽい部分は意外と少ないんですよね。抽象的な部分が多いというか。

とりあえず一番の歌詞を見てみましょう。

歌詞が載っているサイトのURLを貼っておきます。こちらと並行して読んでいただけると幸いです。
https://www.uta-net.com/song/248080/


サビの”それは だれも見たことない瞬間 わたしを動かすハート”とかは別にさくらだけの話ではないような気がしますし、
「知らない」がいっぱいある私は「初めて」が沢山待ってる”のところとかいまいち何のこと言ってんだかよく分かりません。


唯一それっぽいのは”誰にも話せない自分 未来を見つけ出すパワー"のところでしょうか。
でもそのところもさくらはカードキャプターである事をみんなに隠してるし…くらいですかね。


なんで、クリアカード編の新キャラ「詩之本秋穂」の事を歌ってるのかとも思ったんですが、詩之本さんは自分がどんな存在なのかもわかってない様子なので違うかと…

OPで流れる一番の歌詞ではいまいちどういうメッセージの曲なのか分かりづらいですね。


もしかしたら特にカードキャプターさくらと関係のない歌詞という可能性もありますが、
作詞は無印カードキャプターさくらの三期OP「プラチナ」の作詞を務めた岩里祐穂さんですので、恐らく何か意味があるはずです。


では二番の歌詞を見てみましょう。

二番は一番とは違い、カードキャプターさくら感を感じることのできる歌詞になっております。

まず歌いだし、”「知りたい」がいっぱいある私は「大好き」をたくさん持ってた”はこの後の
ひとつあればいいと気づいたあの夜 窓から 星空へ振りまいた”と合わせて考えると、雪兎の事が好きだった頃と小狼への気持ちに気づいた日の事を言っているのかなと想像することができます。

雪兎に告白した時、さくらは雪兎からこんなことを言われます。

さくらが雪兎を大好きな気持ちと、家族や友達の事が大好きな気持ちは似てるのではないか。その部分を混濁してしまっている可能性がある(長いセリフなので要点だけ、本当はもっと優しい口調です)

「大好き」をたくさん持ってた”の部分はこのセリフと合わせて考えると、さくらの気持ちの事を歌っている事が良く分かります。


この後の歌詞

それは まばたきできない瞬間 今すぐ伝えたいハート
二度と消えないように焼き付けて
誰よりわからないじぶん 未来に走り出すパワー
いちばん大切なひとを いつも 思ってる

の部分は小狼に告白したとき、およびクリアカード編におけるさくらの様子について書いた歌詞だと分かります。


しかし、私はこの解釈と真っ向から対立する新たな説を提唱したいと思います。

それは「ロケットビート知世ちゃんの事歌ってる説」です。




本題

お待たせしました。ここからが本番です。

私は昨日の朝この曲を聴いていて「もしかしてこの曲大道寺知世の事歌ってるのでは!?」と閃いた次第なのですが、そう思ったポイントを紹介していきたいと思います。


これから、知世ちゃんの話をたくさんするんですが、大道寺知世という女性の外郭をある程度理解していないと何言ってんだかわからない状態になる気がするので、pixiv百科事典でも貼っておきます。


リンク踏むのすらだりいぜという皆さんのために簡単に彼女の人物像を解説すると、

大企業大道寺トイズの社長の一人娘であり、さくらの親友。
家は大豪邸でSPとかがついたりしているいわゆるテンプレお嬢様属性を持っているが、全く嫌味がなくめちゃめちゃ優しくて素直ないい子。
(ちびまる子ちゃんでいうところのたまちゃんを想像してくれると分かりやすいかもしれません)

さくらのカードキャプターとしての活動を知っている数少ない人物のひとりであり、さくらが魔法を使うときに着るコスチュームは全て知世の手作りである。
さくらの活躍をビデオカメラに収めることを生きがいとしており、自宅の大きなスクリーンルームでさくらちゃんビデオを見るのが趣味。

さくらに友達以上の特別な感情を抱いているが、さくらはそれに全く気づいておらず仲良しのお友達という関係性である。
(これはオタク特有の捏造や妄想ではなく、公式設定。こういった様々な愛の形を偏見無くストレートに描くのもカードキャプターさくらの魅力の一つである)


閑話休題

それではロケットビートの歌詞考察に戻ります。

まずは二番のあと、大サビ前のこのフレーズです。

ディスプレイから見る景色じゃなくて
この頬に風邪と世界を感じたい

まあここだけ見れば普通なんですが、さくらにあんまりこういう電子機器的なイメージはありません。

拡大解釈すれば、今までさくらを見ていた子供たちへのメッセージと受け取ることもできますが、とりあえず今回はその線は切らせていただきます。

カードキャプターさくらで一番ディスプレイをのぞき込んでいるキャラクターといったら誰がどう考えても大道寺知世その人しかいません。


二度と消えないように灼きつけて”の部分も「灼きつけて」という表現を敢えて使っているところを見ると、
毎回カードキャプターさくらの活躍を最高のカメラワークでフィルムに焼き付けている知世ちゃんの事だとみて間違いありません。

サビの”誰にも話せない自分”は、さくらへの恋心を最後まで打ち明けず、小狼の背中を押したり、苺鈴のフォローをしたりしていた知世ちゃんの事のように思えます。まあ、割とこじつけですが…

わたしを動かすハート 輝くものだけで出来ている"はおそらく知世ちゃんにとってのさくらの事でしょう。


"「知りたい」がいっぱいある私は「大好き」をたくさん持ってた ひとつあればいいと気づいたあの夜 窓から 星空へ振りまいた"のところは先ほど書いた雪兎とさくらの解釈もありますが、

知世は原作で、当初自分の気持ちを「さくらちゃんが大人になったら話す」と本人の前で言っていました。
しかし、小狼の登場とさくら自身の気持ちに気づいた知世は二人の仲を取り持つ形になり自分から身を引きました。

これは知世の「大好きな人が幸せでいてくれることが一番の幸せ」という哲学によるものなんですが、

原作およびアニメでは、知世の内情というものがほとんどと言っていいほど描かれません。

さくらや小狼、桃矢や雪兎の気持ちははっきり描かれるにも関わらず、最初期からさくらの事が好きという設定であった知世の心の動きについて言及がないのは凄く不自然だなと個人的には感じていました。
(もしかしたら、そこを描くと連載雑誌であるなかよしの対象年齢から逸脱した話になりそうだから敢えて描かなかったとかかもしれませんが)

しかしロケットビートの歌詞がもし大道寺知世の事を歌っているのであれば、

”「知りたい」がいっぱいある私は「大好き」をたくさん持ってた ひとつあればいいと気づいたあの夜 窓から 星空へ振りまいた”
はさくらに思いを打ち明ける事を諦め、さくらの幸せこそ自分の幸せであると割り切った日の事を歌っていると解釈してもいいんではないでしょうか。



まとめ

私はカードキャプターさくらを読んでいて、知世ちゃんのハートの強さがずっと不思議で仕方がなかったんです。

だってずっと前から好きだった人と、恋敵(もしかしたらその認識すら間違っているのかもしれませんが)の仲を取り持つキューピッドの役目をするなんてどういう精神状態なのか理解できません。

でもここで知世の心の中を描いてしまうと、これからのさくらと知世の友情関係がいびつなものに見えてしまう可能性もありますし、描かなかった理由も何となくわからないでもないです。

しかし、今回ロケットビートの歌詞を無理矢理解釈したことによって私の中でそのわだかまりを強引に解消することができたので良かったかなと思います。

というわけで今回はロケットビートの歌詞の考察を行いました。
みんなもカードキャプターさくらを読んでください。よろしくお願いします。

それでは。



追記

とまあ、こんな感じで前回はまとめたんですが、これよくよく見返してみると、一番がさくらの事を歌っていて、二番が知世の事を歌っている。
という解釈の方が正しい気がしますね。

なんか強引に全部が全部知世さんの事を歌っているとこじつけている感じの文章になっていたので一応追記しておきました。

あともう一つ気づいたことなんですが、二番の歌詞にこんな部分があります。

雲から差し込む太陽みたいに
君が笑いかけてくれたみたいに
いつか きっと

これは、一見無難な歌詞というか、まあさくらの世界の中に出てくるどのカップルでも当てはまりそうな感じがするんですが、

この”雲から差し込む太陽みたいに”というフレーズが引っ掛かります。

「雲から差し込む太陽」という事は、雲があったんですよ。

雲、暗いイメージのある言葉ですね。

この歌詞を見たときに、私はピンときました、それはテレビアニメ版のカードキャプターさくら11話「さくらと知世と大きなお家」のとあるシーンです。

この話では「盾」のカードが暴走して、知世さんの大切なものをしまっておく箱(そういうのがカードキャプターさくらの世界にはあります。美しいので)が開かなくなってしまう。というのが大筋となって展開していきます。

で、まあなんやかんやあって盾のカードを捕まえて、箱は空きます。

重要なのは知世さんの大切なものなんですけど、それはさくらとの思い出の消しゴムでした。

さくらと初めて会った日。
大企業のお嬢様という事もあっておそらく周りとなじめていなかった(このシーン描写が少なすぎるのでほぼ妄想ですが)知世に、さくらは気さくに話しかけ、消しゴムを持っていなかった知世に新品の消しゴムをくれた。というエピソードが語られます。

さくらと知世の出会いの話は原作では全く掘り下げられていない部分(ただアニメの脚本は原作者であるCRAMPのメンバーが行っているので、アニオリ展開だけどほぼ公式みたいなもの)ですが、
いま改めてロケットビートを聴いてみて、もしかしてこの歌詞はここの事を言っているのではないか?と思いました。

今回の記事で書いたのはあくまで私個人の考察ですので、完全に正しいという訳ではありません。

皆さんは皆さんの解釈で、ロケットビートを、カードキャプターさくらを楽しんでください。長くなりましたが以上です。

ここまで読んでくださりありがとうございました!


オマケ


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