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実写版ジョジョ四部を見た感想をいまさら書く
2020/12/19の虚行通信です。見ました。
・前置き
最近入会したamazon primeにあったので、ジョジョの実写版をみました。
ファンの方からボロクソに言われていた作品というのは勿論存じ上げてますし、個人的にもジョジョは好きなので(といっても今年から追い始めたんですが…)色々覚悟してみたつもりです。
以下、感想となりますが散々言われているキャストの件や服装髪型等は公開当時から先駆者の皆々様が沢山諸表をお書きになられていらっしゃいますので、書きません。
全部見て思った感想のみ記します。
ではどうぞ。
・雰囲気暗すぎ
まず、見始めて数分でわかることなんですが、雰囲気が暗すぎます。
雰囲気というか、そもそも画面がずっと暗いです。
開始五分くらいは最初に仗助達と対峙するスタンド使いである「アンジェロ」がスタンド使いに目覚めるシーンなんですが、
夜のシーン+影がやたらと強調されていてマジでどういうシーンなのか全然わかりません。
アンジェロが京兆の矢に打たれるところとか、全然見えません。とにかく暗い。
これは原作の再限度がどうとか、改変がどうとか以前の問題です。
アンジェロが出てくるシーンはほぼすべてが暗く、見てる側の気分もどんよりしてきます。
これはアニメしか見てない私の主観なんですが、四部は序盤結構コミカルだったと思うんですよ。
OPもド派手でしたし、色彩もビビッドで明るく楽しい感じの部でした。
そんな何気ない普通そうな毎日の中で、急に吉良吉影という殺人鬼が現れるからこそ「街に潜んでいる恐怖」と戦うというテーマがはっきりしてくるんだと私は思います。
なのに、最初っから暗かったら吉良が出てきても「まあ、サスペンス調だったしこういう殺人鬼もいるだろうな~」ってなっちゃうじゃん!それってどうなの?
アンジェロも、牛乳屋さんに変装して失敗したり、倒されて岩になるシーンも結構コミカルというかスカッとする感じの描写だったと思います。
でも、実写版だとアンジェロ岩のシーンは結構怖いですし、なんか仗助もずっと不機嫌なので遺恨の残る感じになってしまってます。
・仗助が不機嫌
これもずっと気になってました。
仗助ってもっと明るい男の子じゃあありませんでしたっけ???
最初の不良に絡まれるシーンも、最初は柔和に対応してましたよね?(まあ髪形を馬鹿にされて結局キレるんですが…)
仗助君は基本的には普通の男子高校生って感じで、友達とふざけあったりお金に目が無かったりとちょっと間抜けだけど良い奴みたいな印象でした。
ですが、実写の仗助はなんか全体的に不機嫌で、これまた暗い印象を持っています。
笑顔のシーンはほぼ無く(ほぼというか一回もなかったかもしれない)喋り方も淡々としているので「普通にしゃべってたのに髪型を馬鹿にされたら急にキレる」感が出せてないと思いました。
そもそも仗助はリーゼントで改造制服なので、見た目はめちゃめちゃ不良なんです。
だけど、中身は優しくて友達思いな良い奴だから成り立ってるキャラだと私は思います。
そんな仗助が普段から機嫌が悪そうだったらそれは”キレどころが意味不明な不良”です。仗助は不良ではないんですよ!!!
・吉良吉影への理解不足
これはあんまり他の方が言及していなかったので、一応触れておきたいと思います。
この映画の本筋は「アンジェロ戦」と「虹村兄弟戦」の二つなので、吉良が登場するシーンは原作通りであればないはずです。
しかしこの映画は一応「ジョジョの奇妙な冒険 第一章」なので、来る第二章へ向けて吉良登場への伏線となるシーンが存在するんですね。
「いや、次の敵はレッドホットチリペッパーだろ!」という声もあるでしょう。私もそう思ったんですが、まあ映画の製作上そこまで尺を用意できなかったのでしょう、レッチリ編は完全に無視されることになっています。
で、問題の吉良伏線シーンは仗助VS京兆戦の後、虹村父の件が終わった後に位置しています。
弓と矢を持って逃げようとする京兆の前に、突如謎の小さなスタンドが現れます。
それは吉良吉影のスタンド「キラークイーン」の第二の爆弾、”シアーハートアタック”そのものだったのだ!
は??????????????????????????
これマジで意味わかんないですよね。
吉良吉影という人間の人格を理解していたらこんなシナリオはまずかけないと思います。
これは、仗助の雰囲気が暗いだとか由香子の設定が改変されてるだとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてありません。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったといっても過言ではないでしょう。
もしこの映画が大ヒットをぶちかましていたとしたら、続編が作られ、キャラとして軸がブレッブレの吉良吉影が登場して悲惨なことになっていたやも知れません。
一応解説しておきますと、彼は基本的には非常に穏やかな性格で、争いを好まず、人と関わりあうことも避けて生きており、可もなく不可もない男を演じています。
ですが、心の内に秘めている殺人衝動と常人から逸脱した性癖の持ち主であるため「美しい手を持つ女性を次々に殺害する殺人鬼」でもあります。
しかも目立つことを嫌い穏やかに暮らす事を望む吉良は、自身のスタンドであるキラークイーンの「手に触れたものを爆弾にする」能力で証拠を残すことなく殺人を犯し続けています。
吉良のちょっとした失敗から仗助達にその悪事が文字通り徐々にバレていき、ジワジワと追い詰められた吉良は「確実にここにある”正義の心”」の前に敗れ去ってしまいます。
しかし彼の女性の手への異常な執着や、スタンド使いである仗助達でなければ吉良が出した小さなほころびにさえ気づくことはできなかった恐怖。
まさに隣の町にいそうな、”すぐ近くにいるかもしれない”殺人鬼でありジョジョのボスキャラ史上最も恐ろしい男だと個人的には思っています。
そんな静かに暮らしたいはずの吉良吉影が、わざわざ他のスタンド使い達のところへ堂々と真正面からバイツァーダストをけしかけ、弓と矢を奪い去るなんてマジで意味が分かりません。
これには仗助もプッツン来ちまいます。
というかそもそも吉良が弓と矢を欲しがる理由がわかりません。
原作では吉良の父親の幽霊が、吉良を守るために弓と矢を使ってスタンド使いを作り仗助たちに嗾けたことはありました。
ですが、吉良本人が矢を欲しがる理由がわからないですし、もう一度書きますが吉良が他人に向かってスタンドをけしかけるなんて目立つ行為をわざわざするわけが無いんですよ。
これは本当に腹が立ちます。
吉良吉影という人間を全く、一ミリたりとも理解していない人間の仕業です。そんなんなら最初から四部の実写化とか企画するな!!!
総評
というわけで、今回はジョジョの実写版の感想を書き散らしたわけなんですが、ビジュアルがどうとか以前の問題が非常に多く、脚本と演出がゴミカスでした。
サスペンスにしたいのはわかるんですが、雰囲気が暗すぎます。
アニメのBGMとか借りてもいいからバトルシーンくらいせめて盛り上がる音楽をかけて欲しかった…
CGも割と絶賛されてる印象ですが、これもまた画面が暗すぎてあんまり顔とかが見えません。後半の虹村兄弟戦で少し明るくなったので見えるようになりましたが、それでも暗いです。
あと、撮影地も完全に失敗です。
確かに「ジョジョっぽい雰囲気」は出ていましたが、それは四部以外のジョジョの雰囲気で、
四部のジョジョは日本が舞台ですし、ビジュアル的にはどちらかといえばアメリカの住宅街みたいな印象なので、そっちでロケした方が個人的には良かったです。
背景が変わるたびに「五部っぽいなあ…」って思ってしまいました。
そんなわけで、完全なる駄作「ジョジョの奇妙な冒険 ダイアモンドは砕けない 第一章」吐き気を催す邪悪な時間が味わいたいジョジョファンの皆様にオススメな作品です。
是非見てみてください。今ならAmazon primeで見れます。
オマケ
何も考えずに登場させたシアーハートアタックのシーンです。造形だけはうまくできていますね。造形だけは。
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