ひとりしばい「ラルスコット・ギグの動物園」観劇レポ。

どうも、お久しぶりです!
水無月です。

いつぶりのnoteかあんまり覚えていませんが、今日は観劇レポを書いていきたいとおもいます。

11月27日から29日にTheater Mixaで上演された
ひとりしばい「ラルスコット・ギグの動物園」を観劇してきました。

3日間ともキャストと物語が違っているのですが、全部みると繋がっているところもあったりといろんな楽しみ方のできる物語でした。

今回のキャストさんたちは皆さん本業は声のお仕事を主にしている方たちで、1日目は佐藤拓也さん、2日目は下野紘さん、3日目は福圓美里さんとなっていました。

わたしは配信でさとたくさんと下野さんの回をみて最終日の美里さん回を劇場で観劇しました。

脚本、演出は私の大好きな劇団おぼんろ主宰末原拓馬さんが担当しています。

おぼんろもそうだけど、末原作品は会場に入った瞬間から物語の中にいる。
そういう思うくらい客入れから伏線が張り巡らされていてわくわくします。

今回は動物園の物語なので、場内は動物の声がきこえていました。
私たちの立ち位置は場内に入ると「動物園に来たお客さん」ということなっていました。
場内アナウンスもその世界観にそった内容にしつつも注意事項もちゃんと組み込まれていたので、やっぱり末原氏の世界観すきだなぁっておもいました。

ちょっと言わせてほしい。
末原作品を生で体感するのがもう1年以上ぶりなんですよ…
今年はコロナでこんなご時世だから演劇系とか娯楽が息苦しい感じになっていたわけです。
でも、やっと今年11月にしてようやっと末原氏の物語を体感できたってことにまず泣きそうだった...

初日の配信のときも聞き馴染みのある音楽であ、やっと観劇できるんだなって…もう色々うれしいですよ。これは私だけじゃないとおもうけどさ。

まぁということでちょっと語りましたが、レポ書いていこうとおもいます。

あらすじ
愛を知りたい動物たちと過ごす動物園、そこに爆弾がおちてきました。
昔々、はたまた未来かあるいは現在か…
あるところ、もしくはどこでもないところでの物語..
ラスルコット・ギグの動物園はいつも園内放送が流れています。
「この動物園は、今から300年前、聖人ラルスコット・ギグによって創られました。ラルスコット・ギグの動物園の動物たちは、
愛が溢れてとても幸福です…」
動物たちは日がな一日、果たして「愛」というものが
どんなものなのだろうか考えながら過ごしておりました。
そんなある夜のことです。動物園に爆弾が落ちてきました。
人間たちはこの頃、戦争をしていたのです。
炎が燃える動物園で、動物たちの一生は大きく揺れ動きます。
園内のサーカステントでのショーに出るため
森からさらわれてきた弱虫虎の「ガラ」
老いて頭がおかしくなってしまった象「クレバオーヌ」
ペットショップで小さく生まれすぎたため捨てられるところを
動物園に引き取られたリスの「モル」
自らの生まれてきた意味について思い悩む動物が
必死に生きようとする、美しい物語。

◆佐藤拓也さん
さとたくさんは虎の「ガラ」と猛獣使いの「チョズ」役。
単独で舞台に立つのは初めてといっていたのだけれど、そんなことを感じさせないくらい引き込まれるお芝居をする方だなぁという印象がありました。
私は配信でみていたのだけれど、それでもあんなに引き込まれたので、生の迫力絶対すごかったとおもう。
ガラもチョズもそこに確かに存在していたし、ガラは強い虎になることにすごく真っすぐチョズのいうことをきくものだから、愛おしさがすごかった...
アフタートークでいっていたけど、ショーの稽古のシーン私はクスってなりました笑
チョズはお酒が大好きな猛獣使い。それでも森で拾ってきたガラに対してきちんと愛のあるキャラクターだった。
動物園のアナウンスで動物たちは「愛」について考えます。
もちろんガラも。本当の愛についてきっとわかってはいないけど、見ている側からは愛にあふれていたなぁとおもいます。
クレバオーヌの愛のうた。あの曲歌詞がしんどい...
末原作品の劇中の曲はもう歌詞がスっと入ってくる感じがほんとにないてしまいます...とりあえず、劇中の曲と一緒にサントラにしてほしい。
チョズがガラにいう「俺にとっちゃ一等強い虎だ」(うろおぼえ)みたいなセリフがめちゃくちゃ好きでした。(てかこれで泣く)
ガラとチョズの関係性がほんとに最高で、なにより命を懸けてその人を守ろうとする「愛」の強さを感じました。
ガラはチョズに似てるなぁって思うときが何回かあって、それも育ててくれたのはチョズだからなのだなぁとか考えて尊くなった...
チョズの猛獣使いのセリフをぶつぶつ言いながら頑張ろうとするガラの愛おしいさ...
ガラのラスト叫びのクレッシェンドすごかった(語彙力)
ラストのお任せエンドは末原作品感ある...
アフタートークで末原氏とさとたくさんの会話をきいて「この2人相性がいい」っておもいました。
さとたくさんが末原氏にかんじていること、わたしたちオタクもかんじております...とってもわかりが深すぎて画面でそれなってなった笑
キャラクターへの愛の重さなんか通ずるものがある気がする…
またこの2人の共演みたいなっておもいました。


◆下野紘さん
下野さんは100年間生き続けて頭がおかしくなってしまった象クレバオーヌと1人の少女「ズズ」役。(ツズかツヅかズズでいまだに悩んでます…とりあえずズズでいきます...)
とりあえずビジュアルから。ビジュアルが出たとき儚さがすごすぎて下野さん!?ってなりました。
物語を体感してみるとキャラクターがやっぱり深くなるのだけど、私が最終的に感じたのはクレバオーヌの純愛物語ということでした。
毎日毎日何十年もの間一人の少女のことを眠っては思い出し眠ってはおもいだし、記憶が続かないからとメモまでして...これを純愛といわずになんていうのってかんです...
クレバオーヌは嫌われ者というけど、それはクレバオーヌの過去のせいだとおもうし、ズズが笑顔を向けてくれたことがすごくうれしかったんだなって物語を通しておもいました。
そして園内のアナウンス。クレバオーヌの歌の中にも「愛」という歌詞がある。その愛について。孤独な象も愛は確かにそこにありました。
だって、ズズとの約束「その歌を歌ってくれたら迎えにいくね」といわれてずっと歌い続けているのだもの...(思い出しただけで泣けてきた)
少年のままおじいちゃんになってしまった孤独なクレバオーヌだけど、ラストのシーンで動物たちが「愛のうた」を歌うシーンはそこにちゃんと動物たちがいてクレバオーヌを囲んで歌ってるのがみえたし聞こえました...
アフタートークでハッピーかバットかの話をしていたけれど個人的にこの物語はメリバだとおもう...(末原作品はメリバ率高め)
終わった後の下野さんのテンションでお疲れ様感が強かったです...
セリフ量も凄まじいし...あ、そうだ!!
ズズの語尾が好きです。「~やんよ」ってやつ。メルリルルのハナザカリとかもそうだったけどかわいい。
真逆な感じでいきたくて今回下野さんにクレバオーヌを当て書きしたっていってたけどめっちゃよかったです。
下野さんのイメージと真逆な印象のクレバオーヌだけどまっすぐな愛情というところではなんか下野さんのイメージとあっていたなぁとおもいました。
そしてキャラクターを通すことで見える儚さとか純粋さとかその共存が絶妙だったイメージがある。クレバオーヌ愛おしいです...

◆福圓美里さん
美里さんはリスの「モル」という男の子と「ララ」というリスの女の子役。
こちらは会場で観劇。舞台セット見て驚いたのはキーボード!!!
これはもう絶対クレバオーヌの曲ピアノで弾くやつだ...っておもったらほんとにそうだった...ぼろ泣きだった...
この物語からは「信じる」ということの強さを教えてもらいました。
小さい体でへこたれそうになったとき、いろんな出会いから学んだ「信じる心」それは自分の力になるんだということ。
上の二作とは少し変わったテイストでこれはモルの冒険譚だった。
モルがララをもとめていろんな動物と出会って強くなっていく。
とにかく美里さんの演じるモルがかわいすぎた...
そしてめっちゃパワフル!!!
ちょっとへこたれることもあるけどたまにちょっと強気になったり喜怒哀楽の激しいリスだなぁという印象でそれまたほんとにかわいい...
クレバオーヌに言われた「今日からは運がいい」という言葉。これがモルのきっかけになったなとおもう。
あ、そうだ。クレバオーヌが檻を壊したときに積んでた箱?も一緒にぐずれたのあれまぐれだよねきっと...なにかが美里さんの味方をしてくれているのかなぁってちょっとおもったんだよねぇ。
そしてなにより「ララ」が好きって気持ち強かった。だれかを想う心は強さになるなぁって改めて感じさせられました。
ラストのシーンでララとであったモルが両手を広げて暗転して、照明がついて抱きしめてるっていう演出のエモさ...末原氏さすがです...
アフタートークでの美里さんの「会場にお客さんがいることが~」って話で普通に泣きました...もう私たちもその気持ちですよ…観劇できてることが幸せです。
この物語は末原氏が小説として書いていたものらしくて、それを美里さんが好きでひとりしばいやるなら「モルとララ」をということらしいです。
井の頭公園のリスの話からインスピレーションされたってのおもしろかったです笑
末原作品に携わってるからなのか美里さんの戯曲だけ末原節がすごかった印象。でもその難しい言い回しもものにしていてさすがすぎた(拍手)
末原作品には珍しいハッピーエンドであ、ハッピーエンドなんだ!!!っておどろきました。ほんとに素敵な時間でした。

ということでこんな感じでしょうか。
やっぱり観劇って最高だなっておもいます。
ひとりしばいしかも劇場のこけら落とし公演ということで、しかも本業は声優のお仕事を主にしている方々というレア感すごかったなぁ。
脚本演出が末原氏なのもそうだけど。
個人的にお三方に感じたことなんだけどやっぱり声のお仕事をされているのもあって役にたいしての声の変え方がめちゃくちゃうまいとおもいました。
そのキャラクターの間合いだったりリズムだったり、ひとりしばいなのに複数の人がそこに存在しているみたいな感覚でプロだなぁっておもいました。

もうほんと最高でした。
素敵な3日間ありがとうございました。



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