MOTORWORKSのススメ。

「生徒さんがいろんな曲持ってきて知らない曲も山ほど聴くけど、これ、今のところ間違いなく、今年のベスト3に入る」
通っているヴォーカル教室で、先生はそう言った。
『これ』は、私が聴かせたMOTORWORKSの『The Slide』という曲だ。

「今年はとにかく、健ちゃん(黒沢健一さん)が作った歌を歌う」
そう宣言して始まった、2017年度のレッスン。先生も私がどれだけ健ちゃんを好きかは十分すぎるほどわかってくれている。
今までと同じように夏と冬に発表会があるもんだと思っていた私は、冬にL⇔Rの『LAZY GIRL』を、夏に永作博美さんの『My Home Town』をと思い、どちらもO先生の手を借りようと考えていた。『LAZY GIRL』はギターとコーラスを手伝ってもらうつもりだったので、ちょっと時間が必要だろうから先に…と思って、今年最初のレッスンにはそれを持っていった。ところが今年の発表会は秋に1回のみということになり、予定が狂った(笑)。
2月・3月と回を重ね、秋にやることに決めた『LAZY GIRL』はそこそこ形が見えてきた。先生も楽しみながら、ギターを弾き、コーラスを入れてくれている(と私は思っている)。自分1人で聴いていたのでは見えない特徴や難しさなんかも先生が引き出してくれて、レッスンの時間は今まで以上に素敵な時間となっている。

「そろそろ、『LAZY GIRL』をやりつつ、他にやりたい曲も持ってきたら?」
先生にそう言われ、4月のレッスンに持参したのは夏に歌おうと思っていた『My Home Town』。数少ないコーラス箇所を先生が重ねていく。それでは物足りなくなったのか、オリジナルのコーラスパートが出来上がっていく(ちゃんと「ちょっと遊んでいい?」という断りが付いた上で、ですよ、もちろん)。曲にもよるけれど、即興のハモリで遊ばれてもブレない程度には軸は持っているつもり。それは某カラオケオフで相当、鍛えられた。
先生はバンドを組むかもしれないという話を合間にしてくれた。ただ、メンバーみんな、住む場所が点々バラバラ。とりあえず飲もうぜという話になっており、いちばん早くても動けるのは7月らしいと笑ってた。
そうやって遊んでいるうちに、先生とガチでツインボーカルをやってみたくなった。ああ、メインとコーラスじゃなくて2人でがっつり前に立ちたい。アレ、やりたい。あの曲歌いたい。どっちパートでもいいからあのバンドやりたい!
「あー、先生とやってみたい曲、ある!聴かせたいバンドがあるんですよ!!ちょっと聴いてみてくれません!?」
iPodをミニコンポに繋ぎ、曲を再生した。最初のギターが3秒ほど鳴ったところで、先生の小さな声がした。
「あ、すげーかっこいい」
そして1曲まるごと聞き終った後で出てきた言葉が、冒頭のものだ。
「生徒さんがいろんな曲持ってきて知らない曲も山ほど聴くけど、これ、今のところ間違いなく、今年のベスト3に入る」
心の中でガッツポーズをしたのは言うまでもない。
「バンドやりたくなる曲。このままバンドでカバーしたい曲!」

「さっきの曲をかっこいいって思った理由はですね」
レッスンを終えたとき、別に尋ねてもないのに先生から話が始まった。
「UKロックに通ずるものを感じたから。知ってるかなー、クールシェイカーとか、オアシスとか、あのへん」
洋楽の知識はゼロに近い私だけれど、oasisっていうバンドがいるのは知っている(どんな音楽をやっているのかは知らない)。もう1つのは調べてみたらどうもクーラ・シェイカーというグループのことのようだ。

教室を出た後、エレベーターを待つ間。私は今度は心の中でではなく、実際にガッツポーズをした。そしてMOTORWORKSのメンバーの1人・石田さんがいつかのツイートで付けていて気に入ったハッシュタグの言葉を小さな声でつぶやいた。
「喜べ、健一っ!」
(健ちゃんの魂がここにいてくれたらいいなって思ったけど、たぶん東京でポール観に行ってるはずなので…)

来月のレッスンのときに、DVDを貸す約束をした。観てくれるといいな。気に入ってくれるといいな。

というわけで。
MOTORWORKSというバンド、先日、CDが再発されました。YouYubeでは『SPEEDER』という曲のPVが観られます。若干、内容は意味がわからないかもしれませんがそこは気にせず(笑)、とにかく音を聴いていただければ、それで。

この『SPEEDER』、CDには英語Ver.も入っているんですが、そちらでは発音がきちんと♪Speeder…と英語寄りになってます。そういうところも大好きです。

皆さんの『スキ』や『サポート』が、私とこのアカウントを育ててくれる源になると感じています。よろしくお願いいたします。