![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148426593/rectangle_large_type_2_94ac05bf758543c30bbc10673fc44a03.png?width=1200)
Photo by
snafu_2020
詩「うきわの話」
世界の悲しみの総量と
次の日の総雨量は等価だ
なぜ六月に泣く人が多いのか
神様もわからず五月に泣いている
オレンジ色の曇天の日
ばあちゃんの声が降ってくる
通りかかった隣町で
じいちゃんが痴話喧嘩をしている
かなかなかなかな
悲しみは
しみしみしましま
下世話なはなし
セミが出てきた七日間
僕が生きてきた倦怠感
玄関先に這い寄る影に
灰 夜 灰 夜 死体と過ごす
盆過ぎも
冬の始まりも
想像するぞっとするから
だから盛夏は汗滴らす
ぼくときみとの交流を
花に例えてしらけて眠り
あしたは朝日を縞模様にして
水気の世界を浮いてやり過ごす
そして
そして
ぼくはたずねる
ばあちゃんはどこ?
そして
そして
ばあちゃんは
いない(そこ)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?