生きる意味
生きる意味とは何か。
それはまるでないかのように語られ
あるかの如く忘れ葬り去られるもの。
もしかしたら「生きる意味とは」といった
この命題そのものが、あたかも私達の存在
を虐げるように立ち現れてくるように思える。
まるでこれではある種の押し付け合うような
椅子押しゲームにも比せられるものであろうか。
ともかく命題の使い方を、少なくともこの件で
今まで私達は間違ってきたようで、そして皆が
やってるから万事もこうであるといわんばかり
に物事が運び出してゆくのだ。
どうやら私達は生きる意味という命題に対して
答えるどころかその答えの祖となる古き人生観
を探すためだけに、問うているようなのである。
元から馬は人間に乗られるようにはできては
いないはずだが、乗馬はしばしば美的に尊重
される。
生きる意味もこの様になっているものと思わ
れる(強いて言えば生きる意味に乗って生きて
いる、そんな感じであろうか)。
まさに生きる意味を乗りこなすことこそ生きる
意味そのものなのである。
『生きる意味』