短編『アンモナイトになりたいぼくは』
ぼくはアンモナイトになりたい。
ぼくは、9歳の誕生日を迎える一日前に母さんを亡くした。
母さんが亡くなって、一年経った日、
「今日から、この人が君の母さんだよ」
と、父さんが言った。
ぼくは、びっくりして冗談かと思った。
今日からぼくの母さんになる人が、ネーサンなわけがないじゃないか。
ネーサンは、ぼくが生まれる前から、ぼくと母さんのお世話をしていた。
母さんは、臨月になるまで家の中の事を全部一人でやっていたけど、子どもが産まれたらそういう訳にはいかないからと、ある日、お