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新聞の囲碁欄で上達しよう

三村九段のミム囲碁ラジオ 第42回

今回は小中学生におすすめの囲碁の練習法の話をします。ちょっと短めにまとめますのでよろしくお願いします。
この放送はプロ棋士40年、囲碁サロンと子供囲碁道場を運営する三村智保がお送りします。

一力遼棋聖が世界戦で優勝しましたが、その時の棋譜を河北新報さんで連載すると、Xで私は見たんです。これから調べて私も是非それを見たいと思っています。

いま新聞を取ってない人がすごく増えていると思いますが
新聞には囲碁欄と将棋欄があって、紙面の大きな紙の一番下の段に半分に分けて、右側が囲碁、左側が将棋となっていることが多いです。
そこにはプロ同士の棋譜が一局の碁を6回か7回に分けて連載されるんです。

私はよくその解説の仕事をやっていますが、解説者の棋士は、かなりの時間をかけて調べて、AIも使って、対局の中で起きているドラマ、背景となる死活やセメアイの状況について伝えます。

それをプロのライターさんが物語のようにまとめるわけです。

この新聞囲碁欄が、これから囲碁が上達したい子供たちに、すごく最適なツールだという話をしたいんです。

手順が毎日少しずつ、15手とか20手とか進む、続きが気になる。
翌日その先がわかる。
そして詳細な解説もついていたり、対局者の心理とかその時の打った時の様子も描写されていたりしますから、囲碁の棋譜をストーリーとして受け取ることもできて良いと思うんです。

加えて、最近あまり本を読まない子供が多いと思うので、文章を読むという意味でも、大人向けの新聞の文章ですから上質な教材だと思います。

短いですし、読みやすいし、好きなものが対象になっている。
囲碁に関することですから。文章力をつけるのに良さそうです。

私が小学生の頃、囲碁を学びたかったら大人向けの囲碁の本を買う以外になかったです。他に情報は無かった。インターネットもなかったですし。

大人向けの本を読んで「この字はなんて読むの?」「この字はなんて読むの?」って親を追いかけ回したんです。

親は面倒ですから辞書を買ってくれた。「これで調べなさい」と。
子供向けの辞書では出てない字がありますから、大人向けの辞書を買ってもらって、それを引きながら読んだ。

一冊囲碁の本を買ってもらえるということが貴重な時代ですから、隅から隅まで何回も読むということをやった。
おかげで人並みの国語力がついたというところがあると思います。

ということで、小中学生で囲碁が強くなりたいと思っている子やそのご両親、もしこれを聴いていたら(読んでいたら)新聞の囲碁欄を活用するということを試してみていただきたいです。

オンライン版もありますよね。
これを毎日更新の度に見ていくというのも、すごく良いことだと思います。非常に濃い囲碁のコンテンツを大切に受け取ることができると思います。
ぜひお試しください。

ということで今回は「小中学生にオススメの囲碁の練習法」のお話をしました。
それではまた次の放送でお会いしましょう。囲碁棋士の三村智保でした。

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