相撲日記 R1.5.3 新弟子6/63

夏場所三日目、新弟子検査合格者たちが初土俵を踏んだ。今場所前相撲からスタートする11名のうち、6名が鳴戸部屋の力士たち。部屋を率いる鳴戸親方は元大関琴欧洲。自ら各地に足を運ぶスカウトが実った形だ。

相撲大会の現場にいつもいるので「おまいつ親方」と呼ばれたりしてないか心配になるが、いやこの場合は呼ばれてナンボだろう。

タイトルの6/63は今年夏場所までに初土俵を踏んだ新弟子の数、うち鳴戸部屋の人数を示したもので、新弟子6名は全46部屋中トップ。ちなみに2位の八角部屋は4名で将来を期待される高校横綱の北の若もここに所属している。

今年新弟子が入門した部屋は32部屋で、14部屋はこの春(大きな意味での春)入門者がいなかった。

1年くらい入門者がいなくてもほとんどの部屋は特段影響がないのだが、相撲部屋の中には鳴戸部屋の新弟子、もとい八角部屋の新弟子よりも力士の総数が少ない部屋が複数存在する。

その中に横綱鶴竜が所属する井筒部屋や、初場所に幕内最高優勝を果たした玉鷲が所属する片男波部屋の名前を挙げなければならないのは、30数年相撲を見てきたものとしてはなんとも寂しいというか、もはやミステリーの領域に近い。

VS嵐に出場した鶴竜や玉鷲の人柄に触れて、入門したいと思った少年や子供を預けたいと思った親御さんはいないだろうか。もともと隆盛を誇っていた部屋だから、新弟子なのに広めのパーソナルスペースを確保できる可能性は高い。

もう一つの少人数部屋、鏡山部屋は15年間新弟子が入っておらず、10年間力士2名体制という筋金入りの小部屋である。ツイッターでは常に新弟子募集と書いてあるが、この部屋に新弟子が入るとすれば、ビックスモールンに3人目のメンバーが加わる以上の衝撃が走ることだろう。

相撲部屋の栄枯盛衰は、ふと目を離すと突然にやって来るように思える。しかし少人数だから衰退しているかというと、必ずしもそうとも言えず、環境により適切な人員、布陣があると思う。究極を言えば1人でも基礎運動はできるし、出稽古すれば土俵の中での稽古もできる。

だけど、活発な部屋で刺激を受けて引き上げられる力士を見るのはこの上なく楽しい。勢いを感じる部屋にはやはり注目していきたい

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