相撲日記R1-5-1 新大関貴景勝の押し相撲革命(でも結論は使おうぜまわし)

現在の力士の入門規定は、身長167cm以上、体重67kg以上(就職場所と言われる3月場所は中学卒業見込者に限り身長165cm以上、体重65kg以上)なのだが、もし身長180cm以上だと角界に入門できないルールがあったら…

身長175cmの貴景勝は四つ相撲を取っていたのではないかとサンデースポーツの荒磯親方(元横綱稀勢の里)の解説を聞いて思った次第。

押し相撲でありながら安定感のある取り口を見せている貴景勝の強さの秘訣を「四つ相撲のような腰の決まり方(極まり方?)」と、親方は都度都度表現している。

雑な言い方だが、腰が決まる人は四つ相撲の方が俄然安定感があって、押し相撲で通す人は腰が決まらないから相手と離れて流動的な世界で勝負を賭ける。腰が決まる人は基本的に押し相撲を選択しない

しかし背の低い貴景勝は四つに組むとリーチの面で不利であり、相手に引きつけられて持ち味の重心の低さが浮いてしまうリスクがある。

そこで腰の決まった姿勢のまま押していく相撲を開発した。そしてこれは、野球でいうところのフライボール革命のような、セオリーの転換点になる可能性を含んでいる。

それは、四つ相撲を取る腰を持っている人が、わざわざ押し相撲を選択する可能性だ。貴景勝は身長の低さから来るデメリットを解消するために押し相撲を選んだが、身長の低さは必ずしも腰の割れた押し相撲を取るための必須条件ではない気がしている。

実際、現在の幕内上位では両者相四つでない限り、まわしを引き合うような展開はほとんど見られない。四つ相撲は安定感があると言われてきたが、まわしが取れないかもしれないという不確実性は、特に押し相撲を相手にした場合に不利に働く。まわしを取ろうとしたのに、取れなかったという選択ミスは、上位にとっては命取りと言っても過言ではない。それだけ、上位力士の圧力、出足は恐ろしいものになっている。そんな中で受けて立つ相撲を取れというのはひどく過酷な要求としか言い様がない。

ただ、私は四つ相撲が好きだ。使おうぜまわし






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