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男性社会とは

警察組織は言うまでもなくわかるよう、男性社会です。

今まで、女性の友達だけでつるんでいた人や、女子高育ちや姉妹のみで育って来た人にとっては、理解しがたいところがあるかもしれません。

かく言う私も最初は溶け込めず、女性警察官が少な過ぎる職場で、味方を作れず孤独でした。

事前に知っていれば孤立せずにうまくやっていけたのにとも思う一方で、男性社会に染まり切らずに仕事ができて良かったとも思います。

どっちみち、どのような世界なのかを知っておくだけでも心構えが違うと思うので、一読頂けると幸いです。


男性社会とは、端的に言うとずばり「勝ち負けの世界」です。

理由は、狩猟時代まで遡ります。

獲物を複数で捉え、集団生活をしていた時代。

誰かの号令によって統一された行動がなされなければ、獲物を仕留めることもできず、妻や子に十分な食料を与えてあげることもできません。

そして捉えることに成功した後も、獲物を分け合えるだけの仕事が出来た人のみ取り分があるというイメージです。

男性社会は、獲物に対しても、内部の人間関係に関しても弱肉強食です。

みんなに置いていかれるのは、何としても避けなくてはなりません。

警察組織に置き換えると、まずは強い人(階級が上の人や仕事ができたり、発言力の強い人)に従うことが生き延びる術なのです。

小学生高学年くらいの時に男の子のいじめはありませんでしたか?

身体の大きい子がリーダー的存在で、それを取り巻く小さくてか弱そうな男子たち。

リーダー格は自分の意見が通ることが常なので、従わない子や逆に自分に意見を言ってくるような子は生意気だと言っていじめの対象にします。

これに似たような感じで警察組織で言ういじめみたいなものは、使えない人を排除しようとします。

排除といっても、公務員なのでリストラするわけにもいかず、心理戦に持ち込みます。

仕事での失敗を笑い話のネタにし、「あいつは仕事ができない」「あいつに書類を書かせても無駄」「あいつはダメだ」と各班の当直内の事件のない合間時間で会話をし、広げるのです。

出来ない奴をターゲットにして評価を下げることで、自分たちはまともだからと暗に意識づけさせ、安全なところを保ちます。

現に、上の評価によって残業代やボーナスの額が変わっていたりもするので、この評価の落とし合いは、狩猟時代に当てはめてみると自然なのことなのかもしれませんね。

私が実習生時代の指導部長は、その仕事のできない対象となっていた人でした。

「あの人で大丈夫なの?」「あの人悪い噂しか聞かないよ」と、男性の先輩には事あるごとに言われ続けました。

それでも私は指導部長に恩があるので「〇〇部長はとってもいい人です」「○○部長に教えてもらっていますから」などと言って庇っていたのですが、そのうち私もそっち側なのかということで、「みんとはダメだ」と言われることとなりました。

実際ダメなところもあったと思いますが、何もできない実習生時代に落としてめてくるんだなぁと今では思います。

いや、思い返すと警察学校時代からそういった類のものはありました。

キムタク映画の『教場』にも、「出来ない奴の気持ちなんてわかんねーよ!」などと言って薬品を使った殺人未遂の場面があったことは納得しましたよ。

その子も周りから「出来ない奴」とされて、劣等感を当てつけられていた役でしたね。

実習生であれ若手であれ、まだまだ現場で活躍もできない若手を貶めようとするのは上等手段なような気もします。

私が居た場所が特殊だったのかわかりませんが、後輩たちには、そのようなところに巻き込まれないように成長して欲しいものです..。

そんなこんなで仕事をこなしていましたが、だんだんと力になってくれたり頑張りを認めて下さる方々にも出会うことができました。

(毎年異動があって色々と一新されるのはとてもよい制度だと思います!)

そして仕事も滞りなくできるようになった頃、女性警察官が10%を占めているところに異動をしました。

そこで色んな先輩と話すことでわかったのです。

女性は「みんなと協力して上を目指せる」という男性社会との違いに。

男性社会のいわゆる「仕事ができない駄目なヤツ」も、私たち女性警察官の輪の中に入って対等に笑い話をするし、仕事も助け合って行えるのです。

上下関係を作って統率を取ることが男性社会では仕方がないとしているかもしれませんが、落ちこぼれを意図的に作ってしまうことが欠点ですかね。

女性社会は横の繋がりを大事にする社会であるけれども、下手すると仲良しクラブになってしまうので、一見仕事には無駄な部分も多いかもしれませんね。

ここまで書いてきて何ですが、警察組織がどこでも縦社会であり弱肉強食なのかと言われると、そうも言いきれません。

ただ、ふとした時に男性が「俺は仕事ができるんだ」アピールをしていることに気づくかもしれません。

どっちみち、根本的な意識として根付いてるものがあることを知っておくと良いでしょう。

巻き込まれないようにするためには、そこそこ女性警察官の多い場所に身を置くこと。

女の園と言われるくらいの留置場などもそれはそれで大変なようなので、そこそこでいいのです。(何でも偏り過ぎは良くないですよね。そういった意味で、男性社会の行き過ぎを防ぐために女性警察官を増やしているというのもあるかもしれません)

それから、立場を中立に保った方が安全です。

私のように、庇うようにしていちいち戦っていては疲れます。

ここは職場なのだと腹を括って、自分に不利にならないように立ちふるいましょう。

嫌いな人の嫌味でも、さらっと笑顔で流せるようになれれば上級者です。

もう一度言いますが、戦ってはいけません。

また詳しく私の体験談も投稿していきますが、それも参考にしてもらい、厳しい男性社会でも自分を守る術を身に着けましょう。


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