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月の光を浴びて寝る

3時頃にふと目が覚める

天頂から西へと降りてきた満月の光がカーテンのすき間から差し込んでいる

カーテンを開け放って月の光の中に横たわる

目を閉じていても眩しいほどのスーパーブルームーン

この月の光を浴びて寝よう

昔、読んだ本で主人公のおばあさんが

「月の光を浴びて寝ると気がふれる」と孫娘に忠告していた

忠告を無視して何度も月の光を浴びて寝た私は

もう気がふれてしまって

だからこんな年になっても月の光の中で寝るのだ、きっと。

エアコンを切り、窓も開ける

少し秋らしくなった風が入る

虫がずっと鳴いている

誰かを誘って優しく鳴き続けている

月の光と涼しい風と虫の音

眠れそうなのに眠れない

何かをずっと考えてしまう

起きた時にはすっかり忘れてしまうようなことを

でも早く眠って静かな呼吸とともに

月の光の粒子を心身隅々まで取り込もう

次の満月まで、私らしい私でいるために

もっと私らしい私になるために




*スタエフで朗読しています




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