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【専門家に聞いてみた】トラウマや心の傷からの回復とは?

回復の第一歩は、自分を責める考えを手放し、あなたの助けになる相手とつながること。

今回はmimosas専門家チームである、臨床心理士/ 公認心理師のみなみ先生に、「トラウマや心の傷からの回復」についてお話を伺ってみました。

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トラウマからの回復は“人それぞれ”で、お会いしてじっくりお話を聞かなければ判断できない部分があります。「トラウマや心の傷と向き合って治さなければいけないのに、それができないのは自分が弱いからだ」と、自分を責めて苦しんでいませんか?

どんな優れた精神科医やカウンセラーでも、過去に起こった事実を変えることはできません。それは心に傷を負った本人も同じです。

ですが、トラウマからの回復とは「過去の傷を治すこと」ではなく、「過去の傷に影響を受けてしまっている”今”を変えること」だとも言われています。

そのために、まずは心や体に何が起こっているのかを知り、あなたに起こっていることが「症状」だと認識するところから始めてみましょう。

自分の症状や心に起こっていることを、教えてもらったり自分で学ぶことを「心理教育」と呼びます。

トラウマについての知識や情報を得て、対処の仕方を覚え、肩の力を抜いて生きていくこと…、それらは1人では難しい場合もあります。

全てを抱え込まないで、専門家の力を借りることも考えてみてください。

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人は性暴力の被害に遭った時、意思を無視され尊厳を奪われるような体験をすると言われています。それは同意のない性交にも当てはまることでしょう。

そうした体験をすることによって「自分が変わってしまった」ような認識を持ち、「普通」ではなくなってしまったと感じるかもしれません。そういった「自分は普通ではない」という感覚や、自分と周りに壁ができてしまったような感覚、そして自尊心の低下は、「消えたい」「死にたい」という思いに繋がることがあります。

性暴力被害が自殺・自傷の発生率を約2.5倍から8倍以上に高めることは、WHOのデータを解析した結果明らかとなっています。

しかしながら、たとえ「被害によって受けたダメージ」があなた自身の人生に影響を及ぼしたとしても、あなたの人生も、あなたの身体も、あなただけのものです。あなたが自分自身を責めたり、「回復できない自分」を責めて、落ち込む必要もありません。

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アメリカでトラウマ治療・研究をしているベッセル博士は

「起こってしまったことを、なかったことにはできない。だが、対処できるものはある。それは、トラウマが体と心と魂に残した痕跡だ」

と述べています。

残された痕跡を、あなたが一人で抱え込んでしまわないように、私たち専門家は存在しています。対処や回復には様々な手段があり、それらの知識を、私たち専門家は持っているのです。

トラウマやこころの傷について知り、過去の被害や、今の自分の心身に何が起こっていることを理解することは回復への第一歩につながります。
不安を覚えるかもしれませんが「自分の辛さの正体が分かっただけでも、楽になる」という体験をした被害者は少なくありません。

そのためには、正しい知識や情報に触れなければなりません。

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インターネット上の情報には、助けになるものもあれば、反対に、苦しんでいる人を余計に傷つけるものもあります。
心ない言葉や情報を見てしまい、自分自身を責めることは、回復につながりません。あなたを傷つけるものからは、距離を置いていいのです。

もしもあなたが、性暴力や同意のない性交に遭った経験があるなら、お近くの専門機関や、都道府県のワンストップ支援センターに連絡をしてみてください。

トラウマや心の傷からの回復の3ステップについては、次回のnoteでご紹介します。ご覧いただければ幸いです。


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参考文献:「性暴力被害の実際 ー被害はどのように起き,どう回復するのかー」齋藤梓・大竹裕子編著
「身体はトラウマを記録するー脳・心・体のつながりと回復のための手法ー」ベッセル・ヴァン・デア・コーク著

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2021/4/29
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