「宝物をもらった思い」…依頼者さんからの言葉
とある事件の、控訴理由書を書きました。
長い間、とても辛い思いの中、頑張ってこられた方・・・
裁判所の既定路線的な考え方で判断されてしまうと、その方にとって非常に不合理な結論になってしまうケースでした。
定型の公式で出したような判断ではなく、個別の事情を汲んだ判断を裁判所にしてもらいたい。そのために、一審でも力を入れて主張立証をしたつもりでした。
ですが、判決は・・・
私から見れば明らかに不合理な理屈で、あるいはろくに理由を述べないまま、こちらの主張を蹴りに蹴って、まさに公式をあてはめたような判断をしました。
こんな酷い判断をされて、
もっと早い段階で譲歩しておけばよかったんじゃないかとか、
私の主張が熱すぎるあまりに理解してもらえなかったんじゃないか、もっと裁判官の温度に合わせた書き方をした方が良かったんじゃないかとか、
後悔や反省もよぎりました。
そんな事件の、控訴理由書。
この不合理すぎる判決に反論するのは、骨の折れる、苦しい作業でした。
淡々と書いてみたりもしましたが、しっくりせず、全面的に構成し直して、自分が納得する言葉で書きました。
依頼者さんに送ると、返事が来ました。
(実際の内容はこのままではなく、趣旨を変えずに要約しています)
私も涙がこぼれそうになりました。
この方と一緒に裁判を闘ってきたこと、一生懸命主張してきたこと、決して無駄ではなかったのだと、思いました。
裁判はもちろん、勝つこと、結果を出すことが重要です。
でもそれが全てではない。
プロセスを通じて、人を救う(というとおこがましいですけど)こともできるのだと、改めて思いました。
心を込めて、仕事をしていこう。
気持ち新たに。
また、がんばっていきます。
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