クラウドは結局だれが好き?
クラウドはエアリスとティファ、果たしてどちらが好きなのか。
いきなりめっちゃ揉める話題なんですが、これはもう長年のファンの想いが高まりすぎて泥沼みたいになってる印象です。そして作中でクラウドがはっきり「好きだ!」と名言したわけでもないので、断言できる結論は出せないだろうなあというのが私の考えでした。もちろん私はクラエアが好きなので「クラウドはエアリスに惹かれてたんだろうな」と思ってはいましたが、「クラウドがエアリスを好きだという描写は一切ない!」という意見を見ると、た、確かに…?と思ったりもしてました。
なので、リメイクでこうもわかりやすく解答が用意されているとは思わずビックリしました。
クラウドとエアリスについて
結論からいうと、どう見てもクラウドはエアリスに惹かれていると思います。「好きだ!愛してる!結婚してくれ!」とまではいかないとは思いますが、ミッドガル編の時点で惹かれているのは確かです。そう感じたシーンは次の通り。
・自らハイタッチしようとする
・公園で話す際に足を組み直す
・ドレスに感想を伝えたり反応を見せる
エクストライベント含めるともっと確定的なのですが、「そんなイベント見てないので、うちのクラウドにはそんな事実はありません!」と言われればそれまでなので、誰しも見るイベントに限定しました。他にもいろいろあるとは思いますが、あえてこの3つにしたのはやはりティファとの比較という意味があります。
ハイタッチはティファもしようと試みていましたが、不発に終わります。ティファとはしたくなくてエアリスだからした!というわけではもちろんなく、単純にハイタッチをしたことがなくて戸惑ってしまったのだと思います。現にエアリスとも最初は失敗しますしね。ただ、しだいにクラウドの方から歩み寄ろうとするのは、やっぱり彼女に応えたいと思ったからではないでしょうか。察してそれ以上は踏み込まなかったティファと、諦めずに押して心を開かせたエアリス、ここはかなり象徴的なシーンだなと思いました。
公園でのシーンも対比を感じました。セブンスヘブンで語らうシーンでは座席を空けて腰かけるティファに、クラウドは自分から寄ることはしません(性格的にこれは当然といえば当然ですが)。しかし、公園のシーンでは、ザックスの話を聞く際に自然とエアリスのあいだに立てていた膝を下ろしています。こんなちょっとした仕草をわざわざ入れたのには、やはり心を開いているという意図を感じてしまいます。少し前のセブンスヘブンの件があるのでなおさら。
ドレスの感想…はちょっとこじつけかもですが。赤いドレスはもちろんのこと、個人的にはピンクのドレスのときの方がストレートな好意を感じます。というのも、赤は誰がどう見ても完璧な仕上がりなのでいいとして、ピンクの場合はエアリスはやや懐疑的な顔を見せます。が、それをフォローするように自ら「そんなことはない」と言って、気に入ったかと言われれば素直にうなずきます。どっちも可愛すぎるなあ〜。ちなみに薄ピンクの場合はまあ…うん!選ばれるのが目的じゃないだろと一応(あんま嬉しくはない)フォローはしてくれます。
対してティファの場合、自分でドレスの好みを伝えておきながらまさかのノーコメント。チョコボ車のシーンではそれどころではなかったので仕方ないとして、再会した待合室では、待機モーションで「どう?」って聞かれているのにね。ただまあ待機モーションに関してはエアリスにも特にコメントはしていないのですが。にしても、選択させた場合はさすがにせめてなんか言え〜!と思っちゃいました。
長くなりましたが、こうしたシーンを中心として随所にクラウドからエアリスへの好意に近い思いを感じました。共通しているのが「同じようなシチュエーションにおいて、クラウドの方からアクションをとっている」という点です。
とまあ、ていねいにリメイクを読み取って真剣にあれこれ考えてましたが、このたびアルマニプラスが普通に答えをくれたような気がしました。エアリスに近寄るとドキドキするし、話すと優しい気持ちになるそうです。これはどう考えても恋に近い好意と解釈してよさそうです。リメイクの時点でわりと明確に描写してあったと思いますが、アルマニプラスでそれが文字として明記された、という印象です。
以下は完全に私見です。今思えば、原作の時点でクラウドはエアリスにちゃんと好意を持っていたのでしょう。ただ、思った以上にティファとの関係以外認めないという声が強く、クラウドとエアリスの間柄がいまいちプレイヤーに浸透しきれなかった。だからリメイクではここまでわかりやすく描写して、アルマニプラスでさらに提示した…ように、個人的に思ってしまいます。
クラウドとティファについて
クラウドはミッドガルの時点でエアリスに好意を持っていることは明らか。それならばティファとの関係性は?
これは本人が「説明できそうにない」と言ってるように、なかなか複雑だと思います。
まずニブルヘイム時代。エアティ小説にもあったように、幼い頃は互いの家を行き来する仲で、給水塔での約束はもちろん、山に行くティファを心配したり、ティファの猫を探したりと、クラウドはどう見ても彼女のことを気にかけています。初恋と言ってもいいと思います。特にニブル山での一件は、本当に彼女が好きだったからこそ、身を案じて追いかけたのでしょう。
しかし、ニブル山の事故でその関係性がいびつになったように感じます。クラウドは「守れなかった」という自責の念に加え、村で疎外される存在になってしまったことで、素直にティファに好意を向け続けることができなくなったように思えます。もちろん好きという気持ちはあるのですが、自分が好きになっていいのかという罪悪感ゆえに気持ちを出せなくなってしまったのではないでしょうか(現にライフストリームで「責められているような気がした」と語っていますし)。それでも猫を探したり、別れの際は夜に呼び出したりしていることから、彼女への好意はちゃんと残っていたと感じます。
そしてミッドガルでの再会。廃人になっていたクラウドは、ティファの記憶とザックスからの話をもとに偽りの自分をつくります。これは私の考えですが、ミッドガルでのクラウドはこの際に「ピンチの時に助けてくれるヒーロー像」と「守れなかった思い出」を彼女に対して感じるようになったのではないかと思います。
作中、ティファに身の危険が迫ると、クラウドはかなり積極的に助けにいきます。やや過保護なくらい彼女を気にかけたり、名前を呼んだり、電車から一緒に飛び降りたり、抱き締めたり、ロマンチックなような場面もかなり多くありましたしね。
が、アルマニプラスを読んで少し印象が変わりました。花を渡すシーンや決意イベントで抱き締めるシーンは、彼女への好意というより「ザックスならこうするだろうな」「バレットはこうしてたな」「ヒーローや大人の男はこうするんだろうな」という気持ちが先行しているような注釈が明記されていました。そしてクラウドとしては意を決したであろう給水塔の言葉も、ティファからすれば他の男子と変わらない凡庸な印象と言われてしまっています。
つまり、ティファに対してクラウドは「自分のヒーロー欲を満たす存在」という気持ちを先行させてしまっているということではないでしょうか。まるでティファを「成功の証」として見ていた他の男子たちのように(もちろん、恋人同士になるには差し支えない好意もあると思いますが)。
そのため、アルマニプラスを最初読んだときはあまりいい気がしませんでした。特にティファは「死への旅立ち」とさえ書かれるほどの深い思いを抱いているのに、クラウドは彼女の気持ちよりもカッコいい自分になれたことにご満悦。ちょっとあんまりじゃないですか。
どうしてわざわざティファ好きの方ががっかりするような注釈をいれたのだろう。それはやはり「ミッドガルの時点での2人はすれ違っている」ことを強調したかったからだと思います。それはエアリスとの親密さを際立たせるため、そして2人がライフストリームで真に理解しあえる瞬間を際立たせるためだと個人的に思います。
クラウドは過去の出来事から、「ティファを守れるカッコいい自分になりたい」「彼女をピンチに追いやった自分が彼女を好きになっては行けない」と思うようになります。しかし、ライフストリームで自分すら忘れていた「本当は彼女のピンチに駆けつけていた」という事実をティファとともに思い出します。そこでようやく彼女のヒーローにならないといけない、という半ば呪縛のようなものか抜け出し、真にティファに素直な気持ちで向き合えるのです。こうした感動的なストーリーのために、あえてリメイクではちぐはぐな印象を強く描写したのではないかなー、と思います。
もちろん完全にすれ違っているというわけではなく、クラウドが自分から給水塔の約束を思い出したり、ティファが「だらしないぞ、ヒーローなのに」と彼を救ったりと、2人にしかない絆をしっかり感じさせる場面もあります。どちらも7年前の約束に起因していることから、やはり2人の絆はこの約束がキーになっているんだなと感じました。
長くなりました!これはたしかにエアリスに「説明できそうにない」ってなりますね。彼女かと聞かれて強めに否定したのは、過去の自責の念から「自分が好きになっちゃいけない」と思ってしまったのか、それともエアリスが気になってたから慌てて誤魔化したのか。そこは解釈の余地があったほうがロマンがありますね。わたしは当然後者派です!
で、結局どっちが好きなの!
これは結論から言うと、どっちもだと思います。どっちも恋愛的な意味で好きだったのだと思います。そう解釈するのが、もっとも素敵なFF7になると個人的に強く思います。
幼少期、ニブル山での事故の前は素直にティファが好きだった。しかし事故の一件でクラウドが一方的に拗れてしまい、そのまま村を出ることに。そしてミッドガルでは、やたらぐいぐいくるエアリスに心を開き、しだいに惹かれていきます。しかし彼女はいなくなってしまう。そしてそのあとライフストリームで本当の自分を取り戻し、きちんとティファと向き合うことができた。というのが私の考えるクラウドの思いです。
その後のティファとの関係は…ここは好感度しだいと考えています。なぜなら、決戦前夜の態度があまりにも極端だからです。ティファと親密な場合は恋人同士になってもおかしくない流れとなっています。が、そうでない場合は、寄り添ってはいるもののかなりそっけないです。飛空挺で見られてたと知っても大して恥じらう様子もないので、進展はなかったと考えています。(逆に好感度が高い場合は、あれはどう考えても…)
これは私がクラエア好きだからなのですが、きっとエアリスが死ななければクラウドはエアリスと結ばれていたように思えます(私だけでなくケットシーも言ってます!)。なぜなら、それほど2人が劇的に、ドラマチックに思い合っていなければ「喪失感」という絶望が薄っぺらくなってしまうからです。その絶望を乗り越え、ティファと共に生きていく、それがFF7の感動的な流れなんじゃないかなあ〜と思います!
そしてこれを書いていて気づいたのですが…。リメイクをプレイしたとき、フィーラーを倒した!エアリスは死なないかもしれない!と嬉しく思いました。しかし落ち着いて考えれば、作品でこれだけていねいにクラウドとの関係を描写しているということは、やはり喪失感を大きくするためなのかもしれません。
今回のエアリスとティファの描き方が、彼女の死とライフストリームの出来事への布石だとしたら、やはりエアリスは死んでしまうのでしょうか。原作通りのラストを迎えたけど、なんやかや別の世界線では生きていた。同じく生きていたザックスと寄り添って笑い合う。こっちの世界ではクラウドとティファが笑い合ってエンド。これはありそうだ…。
何かしらエアリスが生きている形のラストがあるとして、けれど世界観的に生き返るということは許されない。だから「世界線」という原作には全くなかった舞台装置を用意したのかな〜と思ったり。
やっぱりクラエアは叶わないのが美しさなのでしょうか。悲しい!けど美しい…。
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