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日出處電子天子

過日facebookで紹介のあった「日出處電子天子」、拝読させていただきました。1992年頃のこと、世間はポケベル全盛時代あたりだったかな。ある日、ニューコアラ事務局から1900番台のIDが送られて来る。2歳の長男が寝たのを見計らって、電話のプッシュ音の後に、ジーキュルキュル、ジーキュルキュルという繰り返し音が止まると回線接続、キーボードからIDとパスワードを入力して電子会議室に入る。「こんばんは」と打ってみた。すると次の行に「こんばんは」、「こんばんは」、「いらっしゃい」と幾つものレスが返って来た。この瞬間の感激は今でも鮮明に覚えてて、おいおいとかみさんを横に呼んで、一緒に片言の会話で夜更かし、楽しかったですね。もうそれから毎晩、遅くまで初めて話す人達との会話が続いて、月に一度開催されてたオフ会も、かみさんと参加して、文字でしか話しあことがなかった尾野 徹 (Tooru Ono)さんに会って、文字でしか話したことのない沢山の人たちと会って、パソコン通信の凄さ素晴らしさを目の当たりにしたのを覚えていますよ。私はニューコアラとの出会いがきっかけで、障害者のPCサポートをするネットワークを作ったり、重度障害者のコミュニケーションや意思伝達の支援をしながら、今の仕事にたどり着いてしましまいた。そう言えば、私が事務局長やってる難病の患者会の月例会の進行、僅か20数名の会だけど、尾野さんがオフ会で切り盛りしていた近況報告から始まる形式でやってるのですよ。あの時期は本当にいい勉強もさせて頂きました。あらあら私事が過ぎました。

そう、あれから25年、この本には更に40年先の世界が描かれていて、今の国際関係に要所要所でジャブやカウンターパンチを叩き込みながら、量子コンピュータ-が実現させる思念通話というユビキタスツールを武器に、あれっ、SFって言ってるけど、実現するんじゃないのと思わせる未来に、わくわくしながら、一気に読み進んでしまいました。楽しい本を作って頂いてありがとうございます。尾野さんが大分に帰って来るのを、私は40年も待ちません、いや、保ちませんからね。

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