アップルケーキ

アップルケーキ

今朝の老夫婦の朝食は、いただいたアップルケーキとモーニングインスタコーヒー。還暦を超えると1日が短い。お菓子くらいの量なら、ちょっとの時間で口にすることも出来るけれど、このくらいのボリュームになると、どこかの食事の代わりにでもしないと些か多い。子供らも最近は甘いものはチョコくらいしか食べてくれない。仕方なく家族の代表としていざ食そうではないかと言うことになった。まず八つ切りにして、かみさん2切れ、
私が3切れを食す。思った以上に旨い。でももうお腹は十分。皿の上に残った3切れ、日曜日の朝8時、見つめ合うかみさんとケーキ、「お父さん、私が頑張って1切れ食べるけん、残りを食べよ」と驚きの提案が飛び出した。私はラップをかけて冷蔵庫に仕舞おうと思っていたのに、「そうか、そこまで言うなら食べるか」と、これはFBネタだと思ってここまで書いたところで、じゃあ私も食べようかと皿を見たら、2切れあるはずのケーキが1切れに、飼い犬のうみちゃんにお前喰ったかと聞くも、何かをやらかした感なし。もしやと思ってかみさんに、「お前もしかして2切れ食べたぁ」と聞くと、悪びれもせずに「食べれたよ」と、「いやいや、いいけど食べ過ぎやろ」、するとかみさん開き直って、「もう人生も残り時間が少ないけん、食べたいと思ったら食べるようにせんとな」とのたまわれたのであります。ため息をつく私、あいつも貧乏症なら私も貧乏症、こうしている間に最後の一切れを食べられはしないかと不安になり、皿に目をやると、アップルケーキが一切れ、私を見て微笑んでいる。秋の日曜日、桶狭間の戦いならぬ、ケーキを狭間にした戦いの顛末のご報告でありました。

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