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こけちゃり

明日から2泊3日で川崎出張、何とか無理矢理に仕事にキリをつけて事務所を後にする。もうすっかり日も暮れている。手袋にヘルメット、ビンディングシューズを履きリュックを背負う。自転車の前照灯のスイッチを入れ、家路につく。出張に出ると確実に肥る。ホテルの朝食から懇親会的な夕食、この繰り返しがいけない。そのための予防策、まあ準備体操の意味で普段よりも軽快にペダルを漕ぐ。本通りの手前、道路右側の舗道を走っていると前方に女子高生が3人並んで歩いている。仕方なく約7センチの段差の車道に降りて女子高生をかわす。車道は反対車線になるので、もう一度舗道に戻るため約7センチの段差にタイヤを向けると、進入角度浅く、自転車はズズーッと横滑り、自転車を残したまま、私の 身体と気持ちは舗道上に、時既に遅く、ドスンという音と共に、右膝と右肩を下に自転車を抱え込むように見事に転倒、やっちゃた。10年くらい前の派手な転倒シーンが走馬灯のように巡ったような気もするけど、現実は数秒か数十秒、呼吸が出来ない。女子高生が近付いて来て大丈夫ですかと声をかけてくれたけど、苦しくて手を挙 げて苦笑いをするが精一杯、やっと呼吸出来るようになってから起き上がり、先ず自転車点検、チェーンが外れただけで、どこも破損はない。ホッとして自分点検、右膝が少し痛い程度で、こちらも異常なしだった。その時は。再び漕ぎ始めて5分くらいか、呼吸に違和感、大きく吸うと右脇腹あたりが変、さらに数分、そう事務所からだと7キロあたりで打ってもいない右の肋骨が軋むように痛み始める。むむっ、自転車が路面から拾う振動によってもたらされる痛みは何だ。時は遡ること40数年、高校生の部活、器械体操で鉄棒から落下した時のこと、背中から落ちたにも関わらず前側の肋骨にヒビを入れた、あの時の痛みと同じではないか。もしかして圧迫による肋骨のヒビなのか。明日からの出張、代表の起 床から就寝までの介護を伴うもの、それ以前に帰ってからのかみさんのトイレ介助が出来るのか。そんな事を考えながらも、さらに10キロ、路面の起伏によって、ウッとかグッとか声まで出始めた。もう堪らん。通り道にある救急の整形外科に駆け込み受診。処置室でキレイな看護士さんに血圧を測られたら、もう諦めてクスリを飲みなさいと優しく諭される一幕もありながら、レントゲンを数枚撮って、骨には異常はないけど、ここを押さえると、アター、それとここも抑えると、グギャ、やっぱり準骨折で全治2、3週間ってとこかな。バストバンドと痛み止めと湿布を処方するから、後は日にち薬だよ。あ、はいそうですか。やっちまったか。バストバンドを巻いてもらって、自転車にまたがり悶えながら帰宅 、時間と共に身体が痛みで思うようにならなくなる感じはあるものの、晩飯を食べれて風呂にも入れた。さあ寝る前のかみさんのトイレ介助も、痛みさえ我慢すれば出来た。このまま4時間寝て、そのまま出張だ。イケる、替わりは居ないから行くしかないのだ。そして数時間が経過ソニック、のぞみと乗り換えて、無事に川崎に到着。ピリピリ時々ずっきんの痛みにも慣れたみたいだ。後は今夜の就寝介助が最難関、大丈夫大丈夫、サバイバルだ、なんとかなるよ(^^;;
20160312

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