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初めての金

苦節 38 年、この制度が始まって 20 数年、ついについに免許証の色がゴールドになった。あれは忘れもしない 19 歳の夏、原付きバイクを友達に貸したら、そいつ免許持ってなくて、おまけに白バイに追われて逃げやがって、気がついたら無免許運転幇助罪で母親と一緒に家庭裁判所に行ったのを皮切りに、一旦停止違反、一方通行逆走、通行区分違反、スピード違反、歩行者妨害、駐車違反にシートベルトに携帯等々、いやーよくぞここまで、切れることなく切符を切られて来たことか。最近では捕まり方も手慣れてしまい、素早い開き直りに加えて、「お巡りさんも、大変やなぁ。頑張ってな。」と労うまでになってしまった。
でも、ここに来てやっと今日、もっとピッカピカの金かと思ったけど、有効期限のところだけが金色の免許証を手にすることが出来た。改めて手に取って見ると、右上に四角の中で澄ましていた黒髪の青年も、すっかり白髪のおっさんになっていて、「苦労したんだね」と、思わず声をかけてしまった。おまけにちょっと舞い上がって、ついつい交通安全協会にまでお金を払ってしまうことに。
さあ、一度手にした金、オリンピックでもそうだけど、今度は追われる身になってしまったわけだ。いやいや、免許を返上するその日まで、この金は手放すものかと意気込む免許更新の一日なのでありました。

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