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大人な飲み会メモ

 それぞれに違う時間を漂流した男子2人女子2人、申し合わせたように、いやしっかりと予約していた時間と空間で差向かう。妖艶な熟女たちと、とっぽい若者と小っちゃいオヤジ、決して合コンではない、変な取り合わせだ。いや、多様性の理解と受容がなければ違和感を拭いきれない、不協和音のカルテットといったところだろうか。
 
 さて、これからどんな狂想曲が始まるのだろう。簡単に分かり難く紹介してみよう。酔ってることが分かり易い女と分からない女、別れた夫との関係性が違う二人、明らかに普通でない若者と普通であろうとするオヤジ。ギャンブルと幾つかの職を流れて、触れ合う機微を若さが撥ね返す、世間のトレンドに衒い続けることで体制とは一線を置く、人生の上り坂を登る、長身の見た目好青年のS。出会いと別れを繰り返し、好むと好まざるに関わらず人生の節目も幾つか見て来て、長く続けて来た仕事に区切りをつけて、次の仕事との間で、読書と酒と煙草を嗜み、3匹の猫を弄ぶ美人M。笑顔が底ぬけに晴れやかで、底なしに酒を飲み、家でも職場でも立ち止まれない、まるで泳いでいないと死んでしまうマグロのようなワーカーホリッカー、時として息詰待ってしまう人間関係に面倒くせぇを連発しながら凌ぎ切る美人N。S以外の3人は下り坂の降り方を如何に貪欲に楽しもうかを模索している。
 
 そんな4人がちょうど麓の山小屋ならぬ焼き鳥屋ですれ違った、そんなシチュエーションだろうか。お馬鹿でちょっと知的なお喋りは、心地よいマッサージにも似て、ふと気がつくと、あっという間に5時間が経過しているではないか。こんなに楽しい飲み会はこの会社に来て初めてかも知れない。いろいろと話したことをレポートしようと思ったけれど、すっかり忘れてしまっている。せめていつ誰と飲んだかだけでもと思って書き留めてみた。

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