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100 キロ完歩

 風邪症状が回復しないまま、参加費払ったし、練習もちょっと積んだし、ま
あ行橋のスタートラインまでは行ってみて、不調なら止めようと思って、大分
駅から片道切符でソニックに乗ってしまいました。結局、一睡も出来ませんで
した。ソニックから車窓に流れる景色を眺める。ソニックでの所要時間55 分、なのに歩くと距離10 0 キロで所要時間24 時間なのか、などと思っていた
ら行橋駅、まだスタートまで3時間くらいあるのに、スタートの近くは4000
人を超える参加者でごった返していました。可笑しな雰囲気です。体調とか気分に関係なく、静かに人の波に押されて、気が付いたらスタートしていた感じです。最初のチェックポイントは36.6 キロ先の中津駅です。時折、咳は出るけれど、不思議な程に順調に歩くことが出来てます。25 キロを過ぎたあたりで、中津駅でのリタイアの言い訳を考えるようになりました。風邪引いてるし、36.6 キロも頑張ったんだからとか、全行程の3分の1も頑張ったんだからとか、誰に対しての言い訳だったのでしょう。やっと中津駅に着いて、靴を脱いで、リュックを下して、靴下を脱いでの休憩、さて、リタイヤしようかどうしょうか。隣で休憩していた同い年くらいのオバちゃんをナンパでもしようかと声を掛けると、今回が2回目で長崎から来たけれど、私と一緒で直前に体調を崩して、もうここでリタイヤ申請して来ました。残念で仕方ないけど、あなたは頑張って下さいね。なんて言われて、えーっ、そうですか、今日はゆっくり休んで下さい。また来年参加するといいですよ。あらあらあら、言いはしなかったけど、あなたの分も私が頑張って歩きますみたいな雰囲気で名前も聞かずにお別れをしてしまったのであります。僅か10 分かそこいらの出会いと別れでありました。
 さて、リタイアしそびれた第2区は25.5キロで宇佐神宮まで、国道に沿って夜道を歩き続けるわけですが、可笑しなことにドンドン歩けてしまいます。話には聞いてましたが、ウォーキングハイって奴です。宇佐神宮に着いたのが深夜2時くらいでしょうか。休憩ポイントに倒れこむようにして、足のメンテナ
ンスですが、足の裏の筋と豆の痛みをマッサージとテーピングでカバーして、第3区25.2キロで日出を目指して、歩き出すのですが、足の裏からビリビリと電気が走って来て、この痛みに慣れるまで30 分くらいかかります。ここからは立石峠(標高147m)、歩道が狭い国道を避けるように七曲り峠(標高178m)、ここらで夜が明けて、坂を下る時に来る衝撃で顔を歪ませながら、最後の試練は赤松峠(標高132m)、やっとの思いで日出の最終チェックポイント、残るは14 キロ、時速4キロで歩いて後4 時間半頑張ればゴール、でも足が痛すぎて一歩が出ない。スローモーションのように、じわじわと歩き始める。ここからは殆どが馴染みの景色だけに、次の景色が近づいて来ない。別府湾ロイヤルが近づかない、亀川漁港が近づいて来ない、競輪場が長すぎる、上人公園も長い、とにかく見慣れた景色たちが歩けども歩けども近づいて来なかった。それでも、なんとか気力で的ヶ浜公園スパビーチにゴール、やっと終わったって感じでした。完歩証と記念品をもらって、温泉に入って、さあ帰ろうと別府駅に移動したいけど、これがまた異常に痛くて進まない。この日の別府駅は遠かった。歩いた距離100 キロ、かかった時間24 時間4 分、起きてた時間62 時間、「君の心へ続く、長い一本道は~♪」無事に終わりました。応援したり心配したりして頂いて、有難うございました。
20131026

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