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蟹の宿

安心できる場所がほしい。

誰かに安心できる場所を提供したからと言って、その場所が私が安心できる場所とは限らない。

私が安心できる場所は、残念ながらここじゃないのだ。

分かっている、私は責任感がある方だし、望まれていることは理解できるし、ある程度なら対応可能だ。
(もちろん得意不得意はあるが)

そんななかでもこっそり、自分の楽しみを隠し持つことはしてみた。

六花亭のレーズンバターサンドを生協で注文したり、塾のお迎えの前にこっそりバーに行ったりしてみた。

楽しかった。

でもそれは、対症療法だ。

別に対症療法は否定すべきことじゃない。大事な対応だ。

でも、根本的な問題に目を逸らすのは、私の本意に反する。

私は私の人生に責任がある。
私がこのままが嫌だと感じている。
私が私の嫌悪感を無視するわけにいかない。

私はどこまでも真面目だ。

その真面目さが自分の首を締めることは分かっているし、間違って他人の首を締めることのないよう注意しているつもりだが、たまに誤解されるようだ。
誤解というか、脅威に映るらしい。

全くもって他人は難儀だ。 

私の理想の宿はどこに。

子育てと仕事の両立の次は
矜持と可愛げを両立させることが
上手に年老いていく秘訣、らしい。

ばりむずくね??

まてまて、当初の目的は理想の居場所だ。
それはそのままの自分を受け入れてくれるような、そんな他人本位の場所ではない。
とろけるような甘さの孤独
自分だけの王国
私の秘密の庭
それを具現化した空間だ。

骨になってまで誰かと共に過ごすなんざまっぴら

そんな孤独を愛するはぐれ者の桃源郷

それはひっそりと佇む古本屋だったり
1人でしか入れない喫茶店だったり
コワーキングスペースの一角だったりする

いつか、月の見える茶室で、
秋の虫の声を聞きながら、
ニヤニヤしながら退屈だと文句を垂れて、
寂しくなって、
カラスが泣くから帰ろうって、
つっかけをパタパタさせながら、
コンビニで肉まんを買って帰りたい。

因数分解すればできるかな。

私の庭へようこそ。
まだ何も揃っていませんが、
庭を作ることが私の夢です。

あなたの夢はなんですか?




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