追悼
我が家は犬も猫も金魚も飼っていませんが、
やんちゃだった弟と理科の先生をやっている父が、たまに生き物を拾ってきました
まだ弟が小学生の頃、近くの大学の池でゲンゴロウを捕まえてきました
ゲンゴロウとは、絶滅が近いといわれている昆虫です
肉食なので、お箸で肉のかけらをあげると、両手に持ってパクパク食べてくれる、愛らしい子でした。げんちゃんと名付けて、可愛がりました
げんちゃんは結構長く生きて、ある朝静かに死んでいました。
そのしばらく後に、父が拾ってきたのがカニくんでした
学校の玄関にいたそうです。
小さなサワガニで、写真を撮って同期に自慢したら、近くのスーパーで丸揚げにして売ってるのを食べたと言われました。美味しかったと。
最初は大暴れして、なんとかして水槽を出ようともがいて、ひっくり返ったりしていましたが、大きな石を入れたら隠れ家ができて、落ち着きました
カニはご飯粒をよく食べました。鰹節も好きでした。小さなハサミで掴んで、一生懸命口に運んでいました
ある朝、水槽をのぞいたら、カニが二匹いました。ん?!思わず叫びました
脱皮でした
カニが順調に大きくなろうとしているのをみて、すごく嬉しかった
それからだいぶ経った先日の朝、カニは死んでいました
父曰く、脱皮の途中で、窒息したようだと。
また大きくなろうとしていたんだね…
母が水槽を片付けて、お墓をつくっていました。
カニの隠れ家だった大きな石を墓石にして、家の庭の木の下に眠っています
小さなサワガニがくれた日常、暖かい記憶はずっと忘れないよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?