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俺の好きな人

俺の好きな人は、インターネットの中にいました。
愛華さんという名前で、歌詞を書いていました。
俺の好きな詩に「迷子の未来ちゃん」というのがあります。

この詩に感化されて出来た歌が、「感電」です。
付き合って長いですが、カウンセラーさんだと知ったのは、愛華さんを知ってからすぐのことでした。

noteにだけのお話は、ずっと続くわけではありません。
彼女の詩は、ものすごく真理を表していました。

以下、愛華さんの詩を記します。

「迷子の未来ちゃん」

ふわりと香水の匂いがした

少し首をかしげてわたしを見ている女の人

何か言ってる 聞こえない

黙っていると不意に手をつかまれた


何なの?何なの?

けれどももっと驚いたのは

つかまれた私の手の小ささ


子供になっちゃったみたい 

小さな子供に

何が何だかわからない

ここはどこかのデパートで

連れて行かれた案内所

彼女の声が 今度は聞こえた


「迷子ですから」


迷子?迷子?私は迷子なの?

ちょっと聞いてよ 私は迷子じゃないよ

そのとき頭の中で歌が流れた

マイゴノマイゴノコネコチャン アナタノオウチハ・・・


「お家はどこ?」


答えようとした瞬間 大 きな声で呼ばれたの

「あら お隣の未来ちゃん」


隣のおばさんに連れられて 電車の駅までやってきた

だけど電車のホームは反対

ねえ おばさん この電車じゃないよ


つかまれていた手を引っ張って

私が抵抗したときに 聞こえてきた声がある


違うよ これでいいんだよ

これは希望の電車だよ

これに乗れれば安心だ

素敵な未来が待っている


電車の中は ごちゃごちゃで

皆 我先にと乗り込んでいる

ほら 迷子の未来ちゃん

早く電車に乗りなさい

乗り遅れちゃいけないよ


だけど何かが違うんだ

私は大きく叫んでた

「私は 迷子なんかじゃないよ! 私は私なんだから!」


額に鈍い痛みを受けて

私は ハッと目を開ける

ここはいつもの通勤電車の帰り道

手摺りの棒が 目の前にあって

クスクス クスクス女子高生が笑っていた


青春時代は迷い路

だけど 今でも大きな迷子

明日のこともわからないのに

知った顔して歩いているの

迷子の迷子の大人たち


屋台が並ぶその後ろで

座った猫が あくびをしている

私は心の中で歌ったの

マイゴノマイゴノコネコチャン アナタノオウチハ・・・


あなたのお家はどこですか?







米津玄師

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