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WEリーグカップ(グループステージA)第3節(ピックアップゲーム:マイナビ仙台レディース対アルビレックス新潟レディース)

今回のピックアップゲームは、マイナビ仙台レディース対アルビレックス新潟レディースです。

オフシーズン期間の両チームの移籍の動向は以下です。

⚽マイナビ仙台レディース

【退団選手】
北原佳奈(アルビレックス新潟シンガポール)、池尻茉由(現役引退)、浜田遥(ノジマステラ神奈川相模原)、長野風花(ノースカロライナ・カレッジ/ アメリカ)、福田ゆい(AC長野パルセイロ・レディース)、宮本華乃(INAC神戸レオネッサ)、奥川 千沙(AC長野パルセイロ・レディース)、白木星(現役引退)、福田まい(AC長野パルセイロ・レディース)、佐藤瑞夏(ジェフユナイテッド市原千葉レディース)、成田恵理(AC長野パルセイロ・レディース)

【加入選手】
茨木 美都葉(アルビレックス新潟レディース)、中島依美(INAC神戸レオネッサ)、後藤三知(INAC神戸レオネッサ)、唐澤真穂(早稲田大学在学中)、松永 未衣奈(日体大FIELDS横浜)、髙橋 愛利花(
マイナビ仙台レディースJrユ)、佐々木 未唯(マイナビ仙台レディースJrユース)、遠藤ゆめ(マイナビ仙台レディースJrユース)、田家 海凪(マイナビ仙台レディースJrユース)、猪瀨 結子(マイナビ仙台レディースJrユース)

⚽アルビレックス新潟レディース

【退団選手】
茨木 美都葉(アルビレックス新潟レディース)、中江萌(新潟医療福祉大学)、田中美和(?)、長沢菜月(現役引退)、千野七海(現役引退)

【入団選手】
羽座妃粋(INAC神戸レオネッサ)、柳澤 紗希(三菱重工浦和レッズレディース)、白沢百合恵(アルビレックス新潟レディースJrユース)、田中聖愛(アルビレックス新潟レディースJrユース)、長崎咲弥(アルビレックス新潟レディースJrユース)

1.試合全体の印象


 セイホクパーク石巻(石巻総合運動公園)石巻フットボール場で開催された試合。応援席は一部芝生席も見え、のどかな応援風景に囲まれる中で行われた。
 試合展開は、決して新潟の完勝という内容のわけではなかったが、新潟のゴールに向かうギラギラした貪欲な姿勢が上回った点、最終ラインの浦川・山谷のピンチでしっかりと体を寄せて簡単に決定機を作らせない守備、中盤も2ゴールともアシストは園田が絡んだ点など、全体的に攻守ともに良い内容でアグレッシブに戦い続けて結果を出した。仙台も、後半に入って交代選手が次々と活躍し、特に昨シーズンからの武器でもある両サイドの矢形・万屋からチャンスは多く生まれていたし、ボールの支配率も上がっていたが、ゴールに向かう強引さがやや足りなかったか。失点シーンにしても、あと一歩の体の寄せが足りなかった部分もあったのではないか。
 印象に残った選手は、仙台では、中島・宮澤・万屋・矢形の4選手。日本代表歴もある隅田が前半はボールに触る機会が少なかったのは非常に気になった。後半に入ってからはゲームに入れるようになった。新潟は、CB浦川・滝川・山本の3人、園田悠・道上も決定的な場面を作るうえで重要な役割を果たした。詳しくどんなプレーをしたかは、次項以降を参考にしてもらいたい。

2.先発出場選手の印象

⚽マイナビ仙台レディース

GK1 斎藤 15分、CKのピンチから、ハイボールにしっかりと対応したのち、早いリスタートでリズムをつくる。19分、前線への高平へのフィードが見事に通る。24分、強引な滝川の突破からの角度のないところからの至近距離シュートに反応し、弾き、コーナーにする。後半47分、早いリスタートで右サイドにスローイング、リズムを作る。

右SB28 松永 0分、状況をみて、細やかに判断を変えるプレー。1分、右サイドで細かなワンツー。16分、右サイド縦に正確なフィード。16分、右サイド縦に、走り出す舟木に好フィード。36分、北川にファウル。

CB5(後半から右SB) 國武 9分、ブラトヴィッチにロングフィード、つながる。23分、右サイドの松永に正確なフィード。31分、右サイドの武田にロングフィードが通る。

CB3 市瀬 11分、右サイドへのロングフィードを北川に読まれインターセプトされる。23ー24分、嫌なところにパスを出されるが冷静に対応、巧く相手をかわして味方につなげる。

左SB4(後半からCB) 高平 0分、左サイドの舟木に好フィード。1分、仕掛けから、舟木につなぐプレー。1分、ブラトヴィッチにセンタリング、つながるがシュートまで至らず。2分、ぼんやりとしたロングフィードを相手に回収される。2-3分、同サイドの山本をフリーにし、シュートを打たれ、失点する。最後の最後に足を伸ばせなかったか。19分、GK斎藤からロングフィードに良いタイミングで走って受けるが、その後対応される。26分、中島からパスを受け、左サイドからセンタリングをあげるがつながらず。30分、タッチライン際で山本にファウル。30分、縦への苦し紛れのパスがインターセプトされる。31分、クロスボールが枠外。33分のタッチライン際での山本とのマッチアップは勝利、ファウルさせてFKを獲得。34分、中央に大きく展開することに成功。34分、右サイドからアーリークロス、ブラトヴィッチに合わせるが、おしくもゴールならず。40分、左サイドの舟木に正確なロングフィード。55分、ロングフィードはつながらず。56分台、良い距離感でボールを受けたり、正確なパスがあったりと、好プレーを連発。

ボランチ10 中島 9分、右サイドの高平に良いタイミングで展開。11分、右サイドで見事なファーストタッチからクロスを上げるが、跳ね返される。26分、中央でボールを持ったのち、左サイドの高平に浮き球で展開。38分、正確なボールコントロールからワンツーして左足ミドルシュート。お手本のようなプレーだったが、シュートは枠外。43分、CKでブラトヴィッチに合わせるがゴールならず。後半は低い位置でボールを受けることが増え、ビルドアップに多く関与した。74分、最終ラインから正確なロングフィードで相手DFとGKの間に落ちるボールを供給。決定機を演出したが、ゴールならず。

ボランチ7 隅田 序盤は、なかなか良い形でボールを受けたり、ボールを奪ったりするシーンが少なかった。26分、武田からパスを中央で受け、左サイドの舟木に展開。37分、中盤で狙われ滝川にボールを奪われカウンターを作られる。45分、中盤で奪われないボールキープ、しかしその後の展開パスはつながらず。57分、中盤で顔を出して受け、逆サイドに展開するプレー。58分、矢形からパスを受け、武田にスルーパス、決定機を演出。65分、中盤から左サイドを抜け出す矢形にスルーパスが通る。後半は持ち味を発揮し始める。

トップ下9(後半途中からFW) 宮澤 1分、中盤のプレッシャーの中で奪われずボールキープし、味方につなぐ。12分、素早いプレスバックで、チャンスになりそうだった田中からボールを奪い、未然に防ぐ。18分、ボールを奪ってからスピーディーに巧くボールを運び、左サイドに展開。23分、狭い密集地でボールを奪われる。45分、中盤からスルスルとボールを運び、ブラトヴィッチに展開するも、ゴールならず。後半の序盤、滝川のボール奪取から始まり、田中に良い位置でボールが渡るが、素早いプレスバックでピンチを防ぐ。80分、右サイドを走る矢形へ大きく展開、しっかりとつなぐ。

右FW13 武田 10分、松永からのフィードを縦で比較的フリーで受け、センタリングを上げるが、相手DFにあたる。18分、素晴らしい宮澤のボール運びから、右サイドにタイミングよく上がってパスを受け、クロスを上げるが、枠外。26分、良いタイミングで中島からパスを受け、中央の隅田にパスをつなげる。31分、國武からのロングフィードに追いつく。34分台、何度もよいリズムのパスワークの中継に顔を出し、リズムを生み出す。42分、低い位置からのインターセプトから始まり、中央から右サイドを走ってパスを受け、クロスをあげるがDFに当たってCK。58分、隅田からのスルーパスに良いタイミングで入っていくも、決定機を外す。抜け出すタイミングは良かった。

中央FW15 ブラトヴィッチ 9分、國武からのロングフィードを受け、プレッシャーを受けながらポストプレー。29分、ポストプレーしようとするも、巧くボールをおさめられない。31分、宮澤からの縦パスを受け、ポストプレーが成功する。34分、右サイドから高平のアーリークロスに頭で合わせて決定機をつくるが、おしくもゴールならず。38分、松永の縦パスを受け、相手のファウルを誘い、FK獲得。43分、中島のCKに頭でミートするが、GK正面。CK時は守備ラインにも参加。60分、左の万屋からのセンタリングを受けるもの、シュート打てず。

左FW25 舟木 4分、ゴールを決めてまもない山本の積極的な仕掛けに粘り強く対応し、CKに逃れる。16分、松永の縦へのフィードにうまく右サイドで抜け出して受け、センタリングを上げるが、山谷の体を張ったディフェンスでCKとなる。38分、中島の惜しいミドルシュートのきっかけになるワンツーの相手となる。41分、高平からのロングフィードを受け、左サイドで仕掛けるまではよかったが、マイナスのパスが奪われてしまう。

⚽アルビレックス新潟レディース

GK21 高橋 74分、仙台の最終ラインにいた中島から、DFとGKの間の嫌なゾーンに落ちる正確なロングフィードが供給され、矢形がしっかりと反応し、ループシュートしたが、落ち着いてセーブした。

右SB13 加藤 1分、好フィード。後半47分、積極的に攻め上がり、クロスを上げるが通らず。何分か後、積極的なインターセプト。

CB20 山谷 16分、右サイドを抜け出した舟木のセンタリングに体を張って防御、CKに逃れる。25分、前線にオーバーラップしており、良いリズムのパス回しの中継役を果たす。78分、ゴール前で宮澤にパスがつながろうとするが、突破させず体を寄せ、CKに。

CB2 浦川 何度も何度も体を張って跳ね返し、コーナーやスローインに逃れるなどしてピンチを防いだ。0分、正確なロングフィード。2分、ロングフィードを入れるが跳ね返される。39分、北川にロングスロー。國武に対応される。40分にもゴール前にロングスローするが、跳ね返される。

左SB14 北川 2分、北川が細かな駆け引きをしながら中央にパスし、オーバーラップ、その後パスを受けることはなかったが、最終的にゴールにつながる起点となった。11分、市瀬の大きな展開を鋭く読みインターセプト。25分、園田のコーナーのこぼれ球をシュートするがDFにブロックされる。その時、ポジションは右サイド。60分、滝川と息の合ったコンビネーションでカウンター。87分、白沢のパスを受けて、枠内ミドルシュートを放つがゴールならず。

ボランチ16 園田悠 CKのキッカーをつとめる。2分、道上から中央でパスを受け、右サイドの山本に展開、ゴールをアシスト。4分、道上と息の合ったスイッチプレー。25分、良いリズムでパスが回った後にミドルレンジでボールを受け、ワントラップから素早くシュートを振りぬくがブロックされる。68分、相手スローインから道上が奪ったボールを受け、滝川にパス、ゴールが決まり、アシストとして演出する結果に。

右MF23 山本 スピードのあるプレーヤー。2-3分、右サイドフリーで、園田からのパスを受けて、シュートを振りぬき、見事ゴールを決める。4分、果敢に右サイドで仕掛けるが、ぴったり舟木についてこられ、最終的にはコーナーを獲得。

左MF17 滝川 24分、左サイドを強引に突破し角度のないところから枠内シュート、CKに持ち込む。28分、中盤でインターセプト。29分、巧いボールコントロール。37分、中盤でボールを奪い、縦にボールを運び、右サイドに展開。後半の序盤、積極果敢なプレスで万屋からボールを奪い、チャンスメイク。60分、北川と息の合ったコンビネーションでカウンター。67分、低い位置で相手をかわすプレーをした後、園田に縦パスを通す。68分、園田からのパスを受け、ミドルレンジから豪快シュート、右角隅に突き刺し追加点。86分、中盤の低い位置でプレッシャーを受けながらも冷静にコントロールし、パスをつなぐ。

トップ下10 上尾野辺 29分、中盤低い位置から展開しようとするが、相手にひっかかる。後半はCKのキッカーをつとめることも。

FW11 道上 2分、低い位置で、北川から中央でパスを半身で受け前を向いてゴール前中央の園田にパス、最終的にゴールにつながる。4分、園田と息の合ったスイッチプレーから中央に展開。37分、ゴール前で田中からパスを受け、GKと交錯しながらシュート。うまく浮き球でGKをかわせればゴールが生まれたかもしれない。68分、仙台のスローインを狭い局面で奪うプレーが追加点の起点となった。72分、園田からパスを受けて枠内シュート、GK正面だった。

FW33 田中 12分、非常に良い高い位置でボールを受けるものの、背後から宮澤がプレスバックしてきて簡単に奪われてしまう。28分、良い出足でボールを受けるものの、その後パスがつながらず。30分、ボールを受けながら前を向き、シュートを放つが相手に当たる。ゴールへ向かう姿勢のみえるプレーだった。33分、前線からの積極的なプレスで、相手がタッチラインの外に出すしかない状況をつくることに成功。36分、右サイドの密集地でキープできず奪われる。後半46分、良い位置でボールを受け仕掛けるが、その後のパスは通らず。53分、CKのこぼれ球をシュートするが、枠外。

3.交代出場選手の印象

⚽マイナビ仙台レディース

46分 左MF22(out松永) 万屋 後半立ち上がりから、積極的なプレーでリズムを作る。60分、左サイドからブラトヴィッチにセンタリングでチャンスメイク。80分、矢形からのパスを受け、ミドルシュートを打つが、相手DFがブロック。

46分 右MF(out舟木) 矢形 57-58分、良い仕掛けから相手をはがして隅田にパス、決定機の起点となった。65分、左サイドを抜け出しシュートを放つがサイドネット。74分、最終ラインから中島がDFとGKの間に落ちる正確なロングフィードを供給、しっかりと反応し、ループシュートを狙ったが、セーブされた。78分、カウンターからボールを運ぶプレー、右寄りに宮澤、左寄りにブラトヴィッチがいたが、宮澤にパス、DFに体を寄せられコーナーに。80分、宮澤からのロングフィードをフリーで受けて仕掛け、ゴールに向かって切り込んでいって、最後は万屋にパスしてシュートで終わったが、スピードアップして自らシュートを狙っていくようなプレーの方が相手にとっては脅威だっただろう。

66分 トップ下2(out武田) 茨木 入って早々66分、リズムよいパスワークの中継役で多く関与。84分、西野からのスルーパスを良いタイミングで右サイドで受けるも、シュート?はサイドネット。85分、左サイドでオフサイドポジションで待ち構えてしまったのは勿体なかった。

71分 CB19(out國武) 佐藤 80分、中島のパスを右サイドで受け、前線中央にロングフィードするが通らず。

82分 ボランチ26(out隅田) 西野 83分、高平とパス交換してリズムをつくる。84分、右サイドに見事なスルーパスを通す。89分、左サイドから右サイドに大きくサイドチェンジするロングフィードするも、惜しくもオフサイド。短時間ではあるが、ビームのようなスルーパスを連発し、印象を残した。


⚽アルビレックス新潟レディース

62分 FW32(out田中) 白沢 入って早々、積極的に前線からプレスをかける。63分、ポストプレーでしっかりと右サイドに展開。

77分 トップ下6(out道上) 柳澤 90分、左サイドでボールを受け、相手と交錯し、スローインは相手ボールに。

85分 FW34(out上尾野辺) 長崎 アルビレックス新潟レディースU18所属選手。必死に前線からプレスをかけていた。90分、戻りながらボールを奪い、滝川につなげてチャンスメイク。

4.まとめ

 仙台は、前半は4-2-2、後半は3-5-2システムに変更し、打開しようとした。両ワイドの万屋と矢形はリズムをつくり、仙台ペースで試合は進み、システム変更はうまくいき始めているかのようにみえたが、決定的な場面でゴールを決め、ピンチになりそうな場面ではしっかり体を寄せてくる新潟が勝利した。新潟は若手もしっかりとゲームに入って躍動しており、今後の発展が非常に楽しみなチームだった。仙台は日本代表歴のある選手も多く、レベルが高いチームのはずだが、まだチームビルディングの途中といったところか。今後の巻き返しを楽しみに待ちたい。

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