アイドル
アイドルってなんだろう。
新明解国語辞典第八版によると「限り無き崇拝(憧れ・寵愛)の対象となるもの」と書いてある。
太陽のようで、そこにいるだけで尊くて、その存在から元気がもらえる対象のことなのかもと思う。
あまちゃんというドラマが大好きだった。人にはそれぞれアイドルがいる。職業的な存在だけじゃなくて、人生にとってのアイドル。笑ってるだけではない、怒ったり泣いたりすることも愛おしい。でも悲しい気持ちにはできるだけなってほしくない。あったかくておいしいものをたべて、大好きな人たちに囲まれていてほしい。そんなことを考えさせるドラマだった。
コロナ禍と体調不良が重なり、家の中にいることが増えた。そんな中で、今話題になっている韓国のアイドルにハマってしまった。SNSの戦略もうまく、コンテンツがどんどん出てくる。家の中にいて彼らの情報を得ることができるわけだ。音楽のクオリティもさることながら、惹かれたのはバラエティ番組での彼らの関係性を見た時だった。世界的に有名なアイドルなのに、若手芸人みたいな体を使ったコントみたいなことをやっている。彼らは仕事としてやっているわけで、プライベートの全てを見せてはいないだろう。でも、本気で言いあっている様子や、仲間の可愛い行動にすごくにこにこしていて、なんだか心の中にぽっと蛍のような光が浮かぶのを感じた。
ずっとネガティブな感情に飲み込まれている私にとって、彼らをみている時だけが辛さを忘れさせてくれる時だった。にこにこしていてふざけあっている彼らの中にいるような感覚を覚える。親愛の擬似体験なのだ。
わたしは彼らから元気をもらえるけれど、彼らは辛い思いをしていないだろうか。しあわせな気分でいてくれるだろうか。そんな願いが心の底から浮かんでくる。
お年寄りが若い子ども達の様子を見て、眩しそうに見つめながらニコニコしている気持ちが分かってきた。彼ら彼女らが生きているだけでエネルギーをもらえるのだ。そのエネルギーは自分の中のスイッチにも増幅装置にもなる。
太陽は眩しい。眩しすぎて目を伏せたくなることもある。でも彼らはずっとそこにいる。心が元気を取り戻した時、その愛に触れられる感性を持った自分でありたいと思う。
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