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連中Ⅰ 東京キネマ倶楽部

遂にツアーファイナル、3年半ぶりの東京キネマ倶楽部。元キャバレーだから内装にも色気があって、ライブっていうよりもショーを見に来たような気分になりますよね。

【2020.02.02連中Ⅰ東京セトリ】
夢みるシャンソン人形(カバー)
愛の言葉
ワンシーズン
四月
金魚鉢
MC
蛇行道連
日向
八月
海底摸月
マージン
ウルトラウェア
互市才覚
グロテスク
ダ犬マイト
ペット可

・SE(愛の賛歌)
キネマとの相性が抜群で、ウットリしてしまう程だった。

・夢みるシャンソン人形(カバー)
名阪で引っ掛けていたパーカーは遂に真っ黒な羽付き生地のブルゾンに替わっていた。
最終公演にして気付いたのだけれど、曲中どの翻訳歌詞にも当て嵌まらない部分が所々あって、一部理姫さんの歌詞なのでは?と思った。覚えているそれが、サビの“迎えが来ること”くらいしか無いから調べるに調べられなくてもどかしい。知ってる人がいたら教えてほしい。
(とか書いてたら、後日ナタリーでオリジナル詞だったことを知る)

・愛の言葉
「初めまして可愛い連中です」と理姫さんが一言挨拶をして歌い始め、全楽器が鳴り出した瞬間、息を呑むような音の豪華さに心が躍った。
誰と誰みたいな拘り無く、リズム隊が息合わせるようにお互いを見ている光景は何度見ても良いなぁ、とその光景を見ながら思った。
途中、ランダムで楽器隊一人ひとりにスポットがサラッと当たるような照明の演出があって素敵だなと思った。

・ワンシーズン
演奏人数が増えることで演奏の自由度が上がって、ふとした瞬間のフレーズに遊び心が増している感じがした。
コーラスも違う音程が加わることでいつもより厚みが出ていたし、あーちゃんの丸くて甘い声でワンシーズンの気怠さが引き立っている感じがした。
ラスサビ“出会えたことで”の追い討ちも、襲い掛かってくる圧が段違いだった。

・四月
名阪と違ってイントロ入りはキーボードメインで、静かなお洒落さ、そこからギターにバトンタッチした瞬間バチバチなお洒落さに切り替わって心拍数が上がった。
聴く回数を重ねることでどんどん耳に馴染んできて、歌詞だけじゃなくメロディの節々にも切なさが散りばめられていることに気付く度、胸がキュッと縮んだ。
“窒息しそうになる”の飛んでいくような高音もなんだか切ない。
Cメロ後のぱぁっと開けた間奏の後、落ちサビでキーボードと歌声だけに絞られて、急な静けさに包まれるっていうメリハリがエグい。
最後“それじゃお元気で”で音が一瞬途切れて切なさを覚えた直後、すかさずイントロ以上にバチバチのアウトロをかまされて、しかもそのバチバチ具合も豪華すぎてって、感情が忙しかった。

・金魚鉢
キーボードの軽快さが堪らなく良いし、最早キーボードを入れることでこの曲が完成するんじゃないかってくらいプラスになっていた。
2サビ前の一瞬音が止まってから一気に音が鳴りだした瞬間が底抜けに気持ち良かった。
この曲のコーラスは人が多いほうが楽しくていいなぁと思った。つい口ずさみたくなっちゃう。
2サビ後の間奏で、軽快なギターからゆるやかなベースにバトンタッチするところが好き。
最終公演にして達也さんが遂にラストの「ミレミレ〜ソファソファ〜」にちゃんと対応していた。理姫さんがコーラス中のあーちゃんと目合わせたり、動きを真似たりしていて微笑ましかった。

・MC
①理姫さんに開口一番「本当に染めたの?」って言われた達也さんが「挨拶もなくそれ!?」って言ってたの笑った。前日スタジオで物議を醸した≪達也さん本当に髪染めたの?問題≫。達也さん曰く、美容師がチェックして、よしっ!て言ってたし、HPのスタッフ紹介写真でその人は自信満々に腕を組んでいたらしい。理姫さんの提案により、染まりにくい髪質が悪いってことで決着がついた。ちなみに美容室はGoogleマップで探したそうです。
②達也さんが短期間で十数曲書き上げたことを伝説と言ったら、理姫さんが「十数曲で伝説とか言っちゃダメだよ、Superflyは事務所入った時100曲ストックがあったらしい」って返してて、達也さんが作ったのははプチ伝説ってことになった。
③突如発覚した≪バンビさんは3か月だけラグビー部だった≫という衝撃の事実。バンビさん曰く、友達に誘われて入ったものの合宿が嫌で3ヶ月で退部し、3年間厳つい先輩に無視され続けたらしい。いやラグビー部って。飛んだ隠し玉。
④六月に対バン企画“道連Ⅰ”をやりますっていう発表。

・蛇行道連
落ちサビで深い青に照らされた理姫さんと“電車が無くなっても裸足にはならない事”っていう歌詞がなんだかとても合っていた。
“多幸からお呼ばれ”の時、手の甲を顔の横に添えて指輪を見せる(着けてはいないけど)みたいにしていて、理姫さんの多幸を改めて嬉しく思った。

・日向
イントロは何回聴いても印象的で、ぐっと掴まれるし耳に残る。
日向で出てくる“初めて悲しくなった”の悲しみって、今までの理姫さんが曲にしてきた悲しみとは質が全く違うものなんだろうなと思った。
ラスサビの入りでゆったりとしつつリズムは小刻みになる感じが好き。

・八月
冒頭部分の“私は平気でする”は“平気な顔してする”、“困って私を放す”は“困って突き放す”と歌っていて、今の歌詞はデモ音源では無くて理姫さんがインスタに載せていた歌詞の方に変わっているんだなと思った。
起伏が激しくない音程の絶妙な移り変わりが気持ちを不安定にさせる。
最後“気が変わって”と歌っている理姫さんの表情が物悲しく見えた。その表情に気を取られていたら、アウトロが始まって、一人ひとりの音の力強さに鳥肌が立った。
達也さんがギターでアルカイックのイントロをちょっとだけ弾いていた。聞いたところによると連中になってからもライブでちょこちょこ織り交ぜているっぽい。達也さんってアルカイックのイントロ好きだよね。

・海底摸月(漢字が正式な表記でした)
お立ち台に座って、「海底摸月とマージンって曲やります」って曲フリをしてイントロへ。
名阪でギターだけでの演奏だった1番がキーボードだけの演奏にチェンジ。ABメロの孤独感がより引き出されていた。
1サビに入った瞬間、ここまでは肩慣らしだったの!?とプチパニックになるくらいの伴奏が始まって、翔ちゃんをガン見してしまった。それグランドピアノで弾くやつだよね。。。?って感じ。
間奏に入ったら入ったでそれぞれの楽器が重みのあるダークな音を鳴らすもんだから、その贅沢さで無意識に「凄っ。。。」って口に出してしまった。
この曲を歌う理姫さんの捻くれたような表情と声が好き。

・マージン
静かな空間で鳴り始めるイントロのギターと、それに続くベースの音に、うっ、となった。腹の中にある鈍いものを揺さぶられる感じ。共感者求ム。
囁くようなAメロも、“明確な正義なんて無い”と言い放つようなサビの歌声にも理姫さんの味が滲み出ていた。
演奏と歌の凄みを集約したみたいなラスサビの後、アウトロでは少しずつ音が減って、遠ざかって行くように感じた。

・ウルトラウェア
ここでバチっと空気の切り替え。語感の良い歌詞がスッと耳に届く心地よさ。個人的に“目尻を流れ落ちてくゴールド”の耳触りがよくて好き。
間奏の途中、達也さんの「ワン、ツー、ワンツーそーれ!」って掛け声を皮切りに演奏がより盛り上がっていくの、見ているだけでも楽しくなってしまう。掛け声、そーれ!って聞こえたけど34って言ってた可能性もある。そこはご愛嬌。
アウトロでは理姫さんのタンバリンも加わって、なんだか超絶豪華な音楽隊を見ているような気分になった。最後の最後、小刻みなベースだけになるタイミングで、音が鳴らないようにタンバリンをぎゅっと抱きしめていたの可愛かった。

・互市才覚
“新人賞も厳しいです”で、あちゃーって感じで歌ってたの良かった。
2サビ後に理姫さんが「ギター、達也〜!」って言ってギターソロに入る流れは名阪でもあったんだけれど、流石豪華版、それだけじゃ終わらない。達也さんのギターヒーロー的ソロから始まって、あーちゃん(コーラスの声と同一人物か疑う程にゴリゴリのギターソロ)、翔ちゃん(職人的軽やか且つ丁寧なキーボードソロ)、バンビさん(ついリズムに乗りたくなるようなお洒落なベースソロ)、諸石さん(スピード感もありつつ一打一打をバシッとキメるドラムソロ)っていう流れでソロリレーをしたの激アツだった。全員終わった後「そして私がボーカルの理姫です!」って言って落ちサビに入るの最高だった。今後色んな体制で連中のライブをやって行く中でその都度変化がある筈だから、このソロリレーは定番化してほしい!是非!

・グロテスク
互市で温まりきった所に、そろそろエンディングですよ〜ってお知らせしてくるみたいなイントロ。オレンジっぽいやわらかい照明がとっても似合っていた。
晴れた日の夕方みたいな穏やかさの中に、酸いも甘いも知ったからこそ持てる素敵さがぎゅっと詰まっていた。

・ダ犬マイト
曲が始まった瞬間、それぞれの音色の重なりとそのパワーに圧倒された。例えるならばゴレンジャー的な、プリキュア5的な。それぞれが強いのに全員揃ったらそりゃあ悪はボコボコでしょ的な。そんな中でセンターに立った理姫さんは例えるまでもなく最強の女だった。こんなバンド無敵すぎるだろ。
ラスサビの“ダ犬マイト”は理姫さんがファンにマイクを向けたから、全力で叫んだ。

・ペット可
達也さんの「お願いしまーーーーす!」でスタート。
メンバーの楽しそうな表情一つひとつに嬉しい感情が芽生えた連中ワンマンの大団円。
色々な物を乗り越えて多幸からお呼ばれされた理姫さんの晴れやかさが会場中に広がっていた。SEを聴いている時に毎回古い映画を見始めたような気分になっていたけれど、このツアーを通して見ていたのは、理姫さんの人生の一部だったんだなぁとふと思った。
最後の最後、息を合わせるために楽器隊全員が向き合ってる中、理姫さんはフロアを向いてセンターで仁王立ちしていた。かっこよくて最強で、紛れもなく理姫さんだった。

「曲が無いからアンコールは無しです!」と言ってメンバーを並ばせ「曲沢山作って、四十曲ワンマンとかやるから」と嬉しい宣言をした後に、動線の確認をして、黒いブルゾンはこれをやるために買ったっていう小話もしていた。
「せーの、ハシブトガラス!🦅」と言って、六羽のハシブトガラスが飛んで行った。翔ちゃん似のハシブトガラスはピョンピョン飛んでいて可愛かった。

ちょっともう、こんな文章じゃ魅力の一部分しか伝わらないじゃない。。。もどかしい。。。となっています今。名阪は言わずもがな良いライブだったわけですが、東京はより体感しないと伝わらない素敵さが増し増しの贅沢な時間という感じ。度々ぶっ倒れそうになった。
そして音楽を生業とし続けてくれた3人に心底感謝をしている。東名阪を共にしてくださった今話題の諸石さん、東京で仲間になってくださったあーちゃんと、お馴染み翔ちゃんにも大感謝。
可愛い連中、もの凄く良いスタートを切れたんじゃないかなって、一ファンとして強く思うライブでした。楽しかった!!!

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