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人生のモチベーションもゴールもみんな違うから

演劇俳優やっている人が、「はぁって言うゲーム」をやる会をするとSNSで告知していて、ちょうどその人が出ていた劇を観に行ったし、舞台上じゃなくて、直接話せる機会があるなんてとってもいいな~と思って、その会に参加してきた。

告知の文章もよかった。

カラオケみたいに演技でただ遊びたいし、演技は誰にでもできるし、人の演技をただたのしみたい!私のリハビリです。誰でも来て!

「はぁって言うゲーム」というカードゲームがあるらしく、それを使って6人でやった。小さな演技の要素が入っているゲームで、私以外演劇やってる俳優さんと演出家の人で、その人たちの演技も見ててすごくおもしろかった!

例えば、「OK」というフレーズを言うカードが出たら、OKの言い方の指示「ロックスターが」「大統領が」「ぶりっ子が」・・・というふうにそれぞれ書いてあって、それに従ってセリフを言って、周りの人たちがその言い方を当てる。

一言だけだけど、ほかの役との違いが伝わるように、ふっと息を吐いて、セリフを言う瞬間は緊張感があって、「役になりきる」というちいさな経験ができた気がしてとってもおもしろかった。

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後半は、役者や演出家の人のふだん感じていることやエピソードを聞いた。年齢を重ねて、30~35歳くらいで結婚などを理由に辞めていく人たちのこと。

逆に続ける理由、モチベーションは何なのかと聞いたら、好きという気持ちや、やっていくほど発見があることだと。辞めたら生きていく理由がなくなるという趣旨の話をしていて、ほんとうにそう感じていることが伝わってきた。

演劇だけでもきついだろうけど、アルバイトと並行していくのにも限界があるとも言っていた。自分自身の生き抜く戦略を考えながら、やりたいことと、生活を営んでいくことを続けていっているのだと感じて、ただただすげーな、と思った。自分の生ぬるさを痛感した。特に30代の人たちの覚悟というか、続けてきたことと、これから続けていくことの真剣さと揺らぎみたいなものを感じて、ひりひりとした。

舞踏をやっている40代の女性を思い起こして、あの人はこの道を通ってきて、今も続けているのかと彼女の重みを知った。

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日本の演劇の立ち位置みたいな話もしていて、演劇が流行るとか、この劇団なら間違いないみたいなのもなくて、「あわよくば」なんてないと。

いまの世の中で演劇自体、構造的に儲かるような仕組みではないし、仕事じゃないからこそ、続けていくことのモチベーションもゴールも人による。

そんな人生の目的が違う人たちと、作品をつくっていくことは、とてもむずかしいんだなと思ったし、意図せず傷つけてしまったり、傷ついたり、いろんなことが起こるんだなと思った。

演劇って観る側は、公演だけだけど、その背後にはそれぞれの気持ちや意図、生活なんかがごちゃまぜに絡み合っていて、そういう過程を経て、人に見せるに至るのかと思うとちょっとこわくなった。

果てしない。果てしないといまは感じるけれど、いつかは必ずおわりが来る。

なんだか、わたしは今いろんなことがわからなくなってしまった。


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