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第14回朝日杯将棋オープン戦 名古屋対局

●朝日杯将棋オープン戦 一日目

会場9:10着。会場へ。
座っていると話し声。森内九段、杉本八段、本田女流三段、宮宗女流二段が対局場の下見へ。驚いていると、何故か本田女流三段と宮宗女流二段が私の近くに立たれる。

本田女流三段
「将棋のイベントは良く来られるんですか?(2020からです)」
わたし
(何答えたのか覚えてない)
本田女流三段
「将棋はお強いんですか?」
わたし
(何答えたのか覚えてない)
本田女流三段
「あの方、森内九段ですよー(存じあげております――)」

質問攻めにオタク特有の早口で答える。
森内九段がお帰りになる際、私の前で会釈をくださる。スキ。
フラフラになってトイレへ。
戻ってくると奥から、永瀬王座が歩いてこられて、目の前を通り過ぎていかれた。目で追うと野月八段も!(渡辺名人、佐藤伸哉七段も)
はーはーいっていると、対局開始。

張り詰めた空気。真剣勝負の世界。
息をすることを忘れて、喉が狭まる緊張感。喉が詰まっているので、これは息を止めていたことに気がつく。
お昼ご飯。当然ぼっち。一人で人気のないところを探してセブンイレブンで買ってきた冷たいチャーハンを食べる。生きている気配を消した午前中だったため、お腹空いていない。けれど食べる。

午後は普通に息をする。
対局が見えてきた。けれど、緊張感で何度かホワイトアウトした。
終局後インタビュー。マイクトラブルで永瀬王座の笑顔が観られてほっとする。
帰り、ぼっちマイペースで荷造り。会場で最後にトイレ。
受付のお姉さんとお兄さんにお礼をお伝えして、階段で二階へ。
明日は大盤解説も参加するので座席を確認。ぼちぼちと歩く。

(え?――鈴木大介九段!!  飯島七段?  なんで鈴木先生が?)

脳内と胃でトトロいたもん!!論争勃発。戦いながら長い廊下を歩く。カートを引かれる男の方が。

(カート引かれている方、これらお仕事か――大変だ――。え!? 豊島将之竜王!!)

情報過多。入り口到着。
入り口で手を消毒される方。いいスーツを着用。

(大石七段ではないですかーーー!!)

フリーズ。安心してください。この間、振り返りはしましたがずっと入り口へ歩き続けています。
ソーシャルディスタンスです。

●朝日杯将棋オープン戦 二日目

いきなり寝坊する。テレビの音で目が覚める。首の皮が繋がる。車ぶっ飛ばす。
会場入り。今日は大盤解説と対局場の両方です。
先に大盤解説受付。三階に上がって対局場受付。

受付の方
「本日もお越しありがとうございます!!」
わたし
「覚えてくださっているんですか?」
受付の方
「はい! 本日もお楽しみください!!」
わたし
「本日は大盤解説も楽しみませて頂きます!」

大盤解説の席を確認しに二階へ戻って、ロビーでWi-Fi接続していると本田女流三段が目の前を通られる。また話しかけてくださる。

本田女流三段
「あー、おつかれさまです。来られていたのですね」 
わたし
(覚えられている?! 何故!?)
本田女流三段
「昨日どうでしたか?」
わたし
「緊張で息が止まりました」

お話させて頂いた後、チャンスをこの手に――とツーショットをお願いする。スキ。
その後、意識を整理しにトイレへ。
トイレを出ようと進む。角に人の気配。止まって顔を上げる。
距離を取って見上げる。目が合う。

(え――? 藤井聡太二冠!!)

何かも言えず、何も考えられず、ただ――後ずさる。
そのままトイレへ行かれる藤井聡太二冠。

(トイレの神様ありがとうございます!!)

後ろ姿を見送りつつ、トイレ出たところの消毒液で手を消毒する。(感染対策の虫)
実は――前日。

(私――藤井聡太二冠の実在をこの目でみたら泣くわ――泣くしかない。生きていられるのかな?)

心配していたのですがトイレでの偶然の遭遇は、あまりにも突然で、生命停止もできず、道を空けるしかできなかったのです。

(ありがとうございます、寝坊!! 受付の方!! 本だ女流三段!!――このエンカウントはなかった!! すべてに大感謝!!)

会場を歩かれる森内先生と目が合う。頭を下げると返して頂く。スキ。
その後、対局場へ。本日は写真を撮るカマキリに転生する。先生にピントを合わせて、シャッターを切る!!

お昼は昨日見つけたぼっちポイントで一人おにぎりと、ゼリー飲料。
午後もカマキリになる。
トイレから戻ると、杉本八段が目の前に、お写真を撮らせて頂く。

午後の対局中に――ふと人間に戻る。
一番みたいと思っていた対局カードを自分の目で見ているという時間。
永遠に続いて欲しい――けれど、勝って欲しい。途中、涙が出る。人生でこんなにも見ている自分の前の世界が「澄んでいる」と思う日はなかった。竜王戦の対局室は「美しい世界」

朝日杯将棋オープン戦の今のここは「澄んだ世界」
豊島将之竜王と藤井聡太二冠の描かれる盤上の物語。
盤上でぶつかり合う、お二人の世界は先が見えない「澄んだ世界」

その物語を目の前で見れるオープン戦――関係者の皆様に、感謝を申し上げます

終局――カマキリに戻る。
カマキリ、最後の力を振り絞って写真を撮る。

人間に戻って、フォロワーさんとご挨拶させて頂く。人間温かい。

ノンアルコールでお弁当。振り返って――あれだわ。人生の全ての幸運が、集まった両日。

(了)

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