冴嶋 美実

さえじまみみ です。HSPという言葉を最近知りました。多感な直感人間です。演じることを…

冴嶋 美実

さえじまみみ です。HSPという言葉を最近知りました。多感な直感人間です。演じることを生業にすることも。 物書きになりたかった夢を思い出し、墓場まで持って行くつもりだった本音や出来事を書き綴ってみようと思います。

最近の記事

春の浦島太郎、人を想うことについて。

いわゆる”シャバ”に出てきたように、久々に太陽の光を浴びた。まるで浦島太郎のような気持ちとも言うんだろうか。玄関を開けると、春はすっかり定着していてびっくりした。 実は、ちょうど2年前の引きこもり生活を思い出すような、そんな10日間を送っていた。 外では、春の空気を嗅ぎ分けられるような洗練さも同時に感じた。 ああ、私は元気だ。本当に、よかった。 そんな中でふと思い出したことがあった。それはもう随分と前の話。英語もろくに話せない中、訪れた国。専門的なことを習得するために語

    • リセットボタンを押したい

      人前で演じる職業に携わって、ものすごく長い年月が過ぎた。どんな時期があっても、自分が「役者だ」と言い張れば、プロアマ問わずにそこに居られた。自分が選択できる世界で、好きなことにのめり込む。幸いなことに私は多少なりともお金をいただき様々な種類の舞台に立つことができた。 コロナ禍の一年目は、なんだかんだで乗り越えられた。いとも簡単に揺さぶられる危ういながらも楽しい人生を選んだ私は、なかなかに鍛えられていたのかもしれない。二年目になった今、そのはずの足元がグラグラと揺れていて、慣

      • どこからが浮気でどこまでが浮気未遂なのか

        その日はみんなで一緒に居酒屋に居た。私は迷った挙句に「洋梨サワー」なるものを注文していたけど、本当は「トマトサワー」が気になっていたのだ。そこに運ばれてきたのは、水野さんの注文した「トマトサワー」だった。 「え、やっぱりおいしそう。どんな味?」 私は水野さんに尋ねると「おう!じゃあ、俺の、飲む?」と何の抵抗もなくグラスを手渡してきた。私はさも気にしないふりをして、「うん、いただく!」と豪快に一口いただいた。 私は本来、潔癖なつもりはないけれど、人のものを共有するのが少し

        • 書くという不思議な魔法と卑しさとせつなさと心強さと

          「実は、エッセイストになりたかった夢を思い出し、こっそりネットで書き綴っておりまして。とうとうバズって本を出版することになりました。」 というのが今年のエイプリルフールに、まわりについた嘘だ。 前半は本当のこと。後半はエイプリルフールを利用した願望。実際のところ、リアル友人知人には一切このnoteの存在を明かしてはいない。 そんなに強烈でもないけれど様々な経験をしてきた人生だと自負しているし、まだまだ書きたいこともある。経験が私にとっては唯一の財産だと捉えている。 し

        春の浦島太郎、人を想うことについて。

          街頭インタビューを受けてみたら一回死んだ話

          先に謝っておきます。ごめんなさい。 いわゆる「瀕死な状態から生き返った」とか「三途の川を渡りかけたエピソード」とかは出てきません。 「私が死んだら、身内がSNSなどで訃報をお知らせしてくれたら、まわりのみんなはどんな反応するんだろうな・・・」という、中二病的妄想を書いてみます。 だからといって「悲しんでほしいな」という願望よりも、現時点での自己顕示欲みたいなものなのかもしれなくて。・・・お恥ずかしい。 そんな、”私のことを知っているみなさんに、一気に私のことを思い出し

          街頭インタビューを受けてみたら一回死んだ話

          お化け屋敷から思考を現実化したみた

          たしか10年以上前に「お化け屋敷を科学する」という展示があったと記憶している。そこでは、”怖いという感情は脳内で作られるんだよ”と結論づけるように展開していた。入場していきなりお化け屋敷の中を歩くことになり、まず驚かされる。そのあと説明やメカニズムがいろいろと展示してあり、最後の部屋には最初に体験したお化け屋敷内部を映し出されたモニターがあって、ボタンを押すことで仕掛けを発動させることができた。驚かされた側から驚かす側へ。ものすごく興味深くて面白かった。 怖いという感情は、

          お化け屋敷から思考を現実化したみた

          アオハル ーささやかで淡い秘密の関係ー

          中高生の時に抱く”付き合う””彼氏・彼女”ってどういう定義なんだろうか。特別な存在。デートできる特権。身体を重ねたい欲望。結婚適齢期に考える関係性とは違う、憧れをまとったもの・・・なんだろうか。 今日はちょっと、そんな高校生だった時の話を書こうと思う。 中学生のときは学校とうまく折り合いが付かなかったので、高校生活を一転すべく、いわゆる”高校デビュー”を華々しくスタートさせた。同じクラスに気になる男子が現れるのも、遅くはなかった。 勉強ができるわけでもスポーツ万能でもな

          アオハル ーささやかで淡い秘密の関係ー

          混浴に潜むズルい恋心

          私はズルい女だと自覚している。いつもこちらからの一方的な片想いだけで弄ばれてきた身としては、たまにズルくてもプラスマイナス許されるんじゃないかと勝手に解釈している。 そのときの私は、小さな座組での劇団公演の地方巡業中だった。山の手の田舎町で公演を終え、宿に入った。こじんまりとした民宿のような場所だったので、風呂はせっかくなら近くの有名な温泉地へ行こうよ、という話になった。 「無料の露天風呂があるらしいよ」「え、でも、ほぼ野ざらしな脱衣所と混浴風呂でしょ?」 それでも行こ

          混浴に潜むズルい恋心

          亡くなった友人の残り香というかマインドというか徒然なるままに

          誰かが亡くなられたとき、その人のご冥福をお祈りするとともにその人の生前の姿に想いを馳せることが多い。「亡くなられたとき、その人が大切にしていた信念などについて、一時的に影響されることがある」と聞いたこともある。 例えば、時計コレクションな人が亡くなられたとき。アンティークな時計に目がいき、「ああ、そういえば時間に対しても、遅刻は絶対にしない人で、集合場所には一番乗りだったよな」と、なんとなくその日は黙とうを捧げる気持ちでその意志を私も辿ってみたり。 ある友人とは、高校生に

          亡くなった友人の残り香というかマインドというか徒然なるままに

          ニュース番組で知る近況と、地続きな現実

          TVやネットで見るニュースは、どこか他人事で、自分自身とは無縁なことだと無意識で思っていた。 大人になって、いろんな人との出会いがあって、去る人も出会う人も様々に交差する。年を重ねると、そんなニュースのお知らせは、意外と近くに感じることも増えていった。 知人や友人の近況は、SNSで充分だ。旧友の知らせも、同窓会あたりで再会して聞けたら嬉しい。それを、例えば、TVのニュースで知らせを受けるというのは、どういう心境で居ればいいのか。 その日の私はTVをつけっぱなしにして、片

          ニュース番組で知る近況と、地続きな現実

          異性を相方として組む時の、まわりからの偏見について

          相方、という存在は非常に不思議な存在だ。彼氏でもない、友人でもない、家族でもない。戦友とも少し違う。べったりという距離感もくすぐったいし、離れていても繋がっているような、捉えどころのない仲間だ。 この関係性を築けるチャンスが人生の中であるのは、貴重で興味深いと思う。 役者の活動の一環として。笑いを扱える人になろうよ、と何をどう血迷ったのか、コントするコンビを組むことになった。真剣にお笑いに取り組んでいる人にとっては申し訳ない動機だが、とことんやってみることにした。目指すは

          異性を相方として組む時の、まわりからの偏見について

          曲に宿る、思い出とジンクスと。

          曲に思い出が詰まっていることがよくあると思う。 恋をしていたときによく聴いた曲。仕事が佳境なときに聴いていた曲。そのときによく流れていた曲が、そのときのフィーリングを伴って包み込んでくれる。 失恋したときなんかは特にわかりやすくて、その時期によく聴いた曲が街の中でふいに流れたりすると、何年経ったあとでも悔しいくらい彼のことを思い出すことがある。感情、匂い、そのときに見た景色。 あまりの悔しさに、「曲を作ったアーティストだってそこまでは意図していないはずなんだよ!!」と、

          曲に宿る、思い出とジンクスと。

          自己肯定感が低いくせにプライドだけは高い女の恋愛の果て

          どうしても忘れられない恋があった。ふられても、もうそこには愛がなくなったと言われても、側に居たくて諦められなかった。でも。最後に私自身が出した結論は、「好きだからこそ。好きな人の想いを受け容れよう。あなたが私と離れたいのならば、私はあなたのために、去ろう。」だった。 私は自己肯定感が低い。そのくせ、悲劇のヒロインぶる。私は私のことを、「他の人と違って特別である」という自尊心だけは高い。簡単に言えば、面倒くさくて典型的な少女マンガに憧れ系女子だったのかもしれない。 それは、

          自己肯定感が低いくせにプライドだけは高い女の恋愛の果て

          ほしいものがあっけなく手に入った話

          「ほしいな」と思うことに執着しちゃうと、手に入らないことに苦しく感じるし、いつまでも「ほしいな」の状態が続くことがある。 素直に「ほしいな」と思いつつ、ある程度まで行ったら「あ、一旦欲望から離脱~」みたいな心の余裕というか、執着から手放すような、そんな感覚になれたときに、いつの間にかうまく行くことが多々ある気がする。 先日の私は、早起きをして練習をして、結局ギリギリになって家を出ることになってしまった。バイトには遅刻しなかったものの、ゴハンを食べそびれてしまった。 ああ

          ほしいものがあっけなく手に入った話

          コロナ禍で生きること

          このコロナ禍はいつの間にか一年を過ぎていた。 ところで突然だが、年々年賀状をやりとりする機会が少なくなってきたものの、ありがたいことに毎年3,4枚は年賀状くじが当たって切手をもらう。 すごく不謹慎な例えなんだけれども、その、くじが当たる割合と同じくらい、「コロナにかかっちゃった」「濃厚接触者になった」人が身近にいたりする。 それは、私自身が俳優という職業ゆえ情報開示している知人が多いからなのかもしれないけれども。 そんな俳優の端くれ者として言うと、真っ先に影響を受けた

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          うさんくさくも脳内で作られる現実世界

          「いたっ」 右手の人差し指が痛んだ。 先日、料理中に火傷をしてしまった。いつもなら冷やせば問題なく過ごせていたけれども、そのときばかりは寝る時まで痛みが長引いた。適切な処置のおかげで、朝を迎えるときには痛みは引いていたけれども。 あの、ズキズキとヒリヒリと響くかんじ。 それは今、確かに右手の人差し指から復活するように急に痛み始めた。 火傷をしたのは、左手なのに。 そういえば、以前も足の指を骨折したときに起こった。 もうすっかり完治しようとしたタイミングで、同じ痛

          うさんくさくも脳内で作られる現実世界