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補聴器ハンドブック勉強会in浜松2023の実耳測定実習レポート#062

あけましておめでとうございます。2023年も補聴器マガジンをよろしくお願いいたします。
さて1月8日9日の二日間は、毎年恒例となった中川さん主催の補聴器ハンドブック勉強会が開催されました。

この勉強会のスタートは、一人で読み解くのが難しい補聴器ハンドブックを、中川さんの解説の元、みんなで勉強するスタイルだったそうです。

しかし今年は補聴器未経験の言語聴覚士、中堅の認定補聴器技能者、そして補聴器適合判定医の資格をお持ちで実耳測定を臨床で使っていらっしゃる耳鼻科医の先生方までが多数参加され、聴覚と人間について様々な角度からビシバシ切り込む楽しくも活発な勉強会になりました。

全体では9つのテーマで、講義と実習が行われました。

講義①「補聴器フィッティングに必要な解剖と生理」講師:中川 雅文 先生(耳鼻咽喉科医師)
講義②「実耳測定の基礎と実耳フィッティングの成果」講師:大塚 祥仁 先生(認定補聴器技能者・補聴器専門店プロショップ大塚)
講義③「障害者権利条約について」ゲスト講師:南 由美子 氏(全難聴国際部)
講義④「補聴器フィッティングに必要なTENテストの知識」講師:中川 雅文 先生(耳鼻咽喉科医師)
実習「実耳測定と補聴器フィッティング」講師:森谷 大地 先生・鈴木 達也 先生(認定補聴器専門店プロショップ大塚)
講義⑤「ヒアリングフレイル予防と行政機関との連携と最新動向 〜聴脳力アプリを活用した老年期の聴覚機能チェックとヒアリングフレイル予防~」講師:中石 真一路 氏(ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社 聴脳科学総合研究所 所長)
ミニレクチャー「ろう難聴児にとってのインクルーシブ教育」 天野 京子 先生(言語聴覚士)
講義⑥「APDとLiD」講師:中川 雅文 先生(耳鼻咽喉科医師)
講義⑦「実際の店舗で行うシェル検証方法」講師:野田 善敬 先生(認定補聴器技能者・城北補聴器 大山店)

※期間限定で、講義の録画がオンデマンドで販売されています。当日、スケジュールが合わなかった方は、どうぞ。

今回の会場はプロショップ大塚の浜松本社でした。建物の一階は補聴器専門店ですから、実耳測定に関する設備が整っています。
せっかくの機会ということで、僕とプロショップ大塚のスタッフは、今回の勉強会で実耳測定の講義と実習を担当させていただきました。
本号では、実耳測定の実習の様子をご紹介させていただこうと思います。

実習のポイント

実耳測定を活かした補聴器フィッティングをスムースに行うための4つのコツ

上のスライドは、僕が講義の中で使った一枚です。
実習に参加いただいた皆さんには、これに沿って実耳測定とフィッティングの流れを体験していただき、質問にお答えしながら実習させていただきました。

実際に手を動かしていただくと、腕の差というのは見えるものですね。
たとえば現場を10年離れていても過去に実耳測定していた言語聴覚士の先生、臨床で今も実耳測定されている耳鼻科医の先生方は、とてもお上手でした。(基礎の手技は教えることがほとんど無くてディスカッションばかり)

この逆に未経験の方々は、基本的なことにひっかかったり、上に書いていないちょっとした注意事項を見落としたりなどがあり、僕自身も教える立場として勉強になりました。

ここからは具体的な実習内容と学びをご紹介していきましょう。

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