ハーフゲイン法とDSLv5処方式を比べてみよう!#003

今月もやってきました。「イチから始める補聴器フィッティング」。第3回は、補聴器専門家 大塚祥仁から“ハーフゲイン法とDSLv5処方式を比べてみよう!”をお送りします。

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本誌は、補聴器ハンドブック監訳者でもある聴覚評論家中川雅文さんと補聴器専門家の大塚祥仁による往復書簡のかたちで発行する共同マガジンです。日本では基礎的な補聴器フィッティングを学ぶ機会が少ないことから、1~3年目の補聴器技能者や言語聴覚士の方に向けて、実践で簡単に役立つ知識と事例を月2回のペースで発信、みなさんとともに補聴器フィッティングの基本をイチから学んでいきます。一連の書簡形式となっていますので是非定期購読でお楽しみください。
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第一回は、クライアントから「うるさい!」という訴えがあった場合に、UCLを測定して、DSLv5処方式を使って調整する方法について紹介しました。
書いているうちにぼく自身「UCL測定って、人によって言っていることバラバラですよね?」という疑問が湧き上ってきました。
そこで聴覚評論家 中川雅文さんにそのまま質問を投げかけさせていただきました。中川さんからは、UCLの歴史的背景とか実運用上での測定方法が施設によって実はまちまちとか目から鱗な現場の実態(?)を解説をしていただけました(溜飲)。

なるほど、確かに、UCLは大きな音に対する不快さを音圧レベルで現した数値です。
補聴器を調整するときは、補聴器からの出力音圧がUCLを超えないことが大切なようです。そこで今回は、主流と言われているハーフゲイン法とぼく自身が好んで使っているDSLv5処方、さらにはメーカー処方とはどのあたりが違っているのかなど整理してみました。

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