中華くらげ闘争
ぎっくり腰になった彼氏を数日介護(?)することになった私ですこんにちはみなさん。
彼氏と私は基本的に食の好みがすごく近くて、ご飯を作る時に「これは私は美味しいと思うけど彼はすごく美味しいと思うやつ」とか、「私的にすごく美味しいけど彼は美味しいで止まるやつ」とか、逆パターンの「不味いやつ」も含めてある程度想像がつくからご飯作りはお互いに楽。
中華くらげってありますやん?
そう、透明な金色に輝き、春雨やきゅうりといったそこそこの歯ごたえのある他のメンバーを押しのけて青山テルマのように「ここにいるよ」と言わんばかりのアピール力で私たちの歯に圧倒的な存在感を示す、中華サラダのメイン食材と言っても過言ではないあの中華くらげですよ。
強めにゴリゴリする食感が好きな私、中華わかめにしろ中華くらげにしろ外から聞いてもゴリゴリ聞こえるのではと思うくらいの歯ごたえがベストなんす。
お気付きですね?
彼氏は、「本来ゴリゴリやったはずの中華くらげが、(主に水分を吸うなど)何らかの理由で若干フヨッとなりはじめた状態」が好きなんですよ。
これは中華くらげをこよなく愛する私にとって聞き捨てならぬ話で。
中華くらげはあの強いゴリゴリ感が口の中で食材のコントラストを強めているから素晴らしく美味しいのであって、フヨッとなりはじめて本来のゴリゴリ感が失われつつある状態のものは春雨と何が異なるのか。それはきしめんみたいな断面をした短くて金色の春雨状の何かではないのか。
コトの発端は、私が中華サラダを作ったときに入れた中華くらげの歯ごたえに始まる。
あれは、ある夏の休日でした。
茹だるような暑さ、遠くにそびえ立つ入道雲、蒸し暑さを際立たせる蝉の鳴き声。掃き出し窓を全開にして、突き抜けるような青空を見上げながらうちわを扇いでいた私たちは、その日の夕食に「中華サラダもつけようね」と約束したのです。
西陽に照らされた空がオレンジ色に変わる頃、まな板の上を軽快に刻む音と、もうもうと立ち上がる湯気の元から聞こえてくるお湯の沸くとても心地よい音を奏でる片手鍋、シンクとコンロの前の窓から入ってくる茜色の夕焼け空に染められて、ご飯の炊ける香りに包まれたキッチンは、穏やかな日を象徴するかのようにゆっくりと時間が流れていました。
休日だけ日没を迎えるより少し早くに夕食をとる私たちは、その日も普段の休日と同じように、決して贅沢とは言えないけれど、大切な人と一緒に楽しい食事の時間を過ごすはずでした。
「この中華くらげ、固くない?」
彼の口から出た言葉に驚いた私は、ほんの一瞬だけ頭が真っ白になったのです。
固くない。ちょうどいい。
はァァァ?!とか思ったけど、食べ物のことで喧嘩したくないし、「え?ほんま?あちゃーちょっと固いやつ取ってもうたかなー?」って流したけど。
あんさ、あんた日○のカッフ°ヌードルは固めで食べ始めるやん。
なんなら謎肉まだサクサク言うてるうちから食べるやん。
なんなん、謎肉のサクサクはええのに中華くらげのゴリゴリはあかんの?
中華わかめのゴリゴリはええのに中華くらげのゴリゴリはあかんの?
私あんたが歯ごたえある方がええんやと思って敢えて色の濃い(ゴリゴリな事が多い)やつ選んで探して手に取ったのにぃぃぃぃ!!!
って思うだけで口には出さなかったけども。
いいもん私もう中華サラダに中華くらげ入れへんもん。
ウチでは中華わかめに統一です。決定。
なんて思いつつ、彼のお弁当には柔らかいタイプの中華くらげ入れてたりします。
買ってからちょっと食べて「あー柔らかいなこれ」って試食してから。
やっぱりね、食べるものは美味しいなって思ってほしい。
私はゴリゴリ派やけれどもね。
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