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「人生の大逆転!老後こそ輝く時!〜すぐ死ぬんだから〜」内館 牧子

忍ハナ、78歳にしてなお輝く

78歳にしてなお美しさを保ち、人生に挑み続ける忍(おし)ハナという女性。彼女は、自分の実年齢に見られないように努力を惜しまない信念の持ち主。夫の岩造と共に営んでいた酒店も息子の雪男に譲り、東京・麻布で隠居生活を送る。孫たちに囲まれ、幸せそうに見えるハナですが、彼女の老後には、想像を超えるドラマが待ち受けています。

突然の転機、夫岩造の倒れる日

ハナの穏やかだった日常は、夫・岩造が突然倒れることで一変します。長い間、互いに支え合いながら生きてきたパートナーが、いつまでもそばにいるとは限らない。ハナに訪れたこの危機は、彼女の内面に大きな波を立てます。岩造の倒れた日から、ハナの老後は静かな日常とは程遠いものになり、次々と試練が襲いかかってきます。

加齢への挑戦:美しさと若さの追求

ハナは「年を取ることは退化」とし、どこまでも美しさと若さを追い求めてきました。しかし、年齢を重ねることに抗うことが本当に必要なのでしょうか?それとも、年相応の生き方こそが真の品格なのか?ハナはこの問いに直面し、苦悩しながらも、自分の信じる道を歩み続けます。彼女の姿勢には、一種の頑固さがあり、それが物語の緊張感を生み出しています。

「家族」という形の微妙なバランス

ハナの息子・雪男、その妻・由美、そして孫たち。彼らとの関係は、外から見れば平穏に見えるかもしれません。しかし、ハナの心には不満や孤独感が渦巻いています。特に、嫁の由美に対しては、言いようのない違和感を感じています。家族間の微妙なバランスが描かれ、読者に「家族とは何か」「老後に家族はどれだけの支えになるのか」といった問いを投げかけます。

人生の「終活」とは何か?

この物語のテーマのひとつは「終活」です。「終わった人」でも同様に、内館 牧子は老後の生き方について深く掘り下げていますが、『すぐ死ぬんだから』ではさらに、「どのように死に向かっていくべきか」「加齢にどこまで抗うべきか」という、避けては通れない問いが浮かび上がります。終活とは、単に物を整理したり、準備を整えたりするだけでなく、自分自身と向き合う時間でもあるのです。

老後をどう生きるか

内館 牧子の『すぐ死ぬんだから』は、老後の生き方について多くのヒントを与えてくれます。78歳になったハナが、どこまで「自分らしさ」を保とうとするか、また、どこで「受け入れなければならない現実」に向き合うのか。彼女の姿は、私たちに「老いることの意味」を考えさせ、老後もまた人生の重要なステージであることを強く訴えかけてきます。

終わりに

『すぐ死ぬんだから』は、一見するとタイトルから「終わり」を連想させるかもしれませんが、その実、老後の新たな始まりを描いた作品です。老後に何を望むのか、どのように生きるべきかを考えさせられるこの物語は、全ての年代の読者にとって学びと発見をもたらしてくれることでしょう。

この物語を読み進めるうちに、自分自身の老後についても、少し考えさせられるかもしれません。そして、それがこの作品の真の魅力と言えるのではないでしょうか。

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