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【伝説のマーケター前田仁氏の評伝】キリンビールの革命児が放つ、ヒット商品を生み出す秘訣とは?

前田仁氏の不屈の精神が、キリンビールを変えた!

キリンビールといえば、長年ビール業界のトップに君臨し続けてきた名門中の名門です。その絶対的な地位を支えていたのが、何といっても看板商品の「ラガー」でした。しかし、そんなキリンビールの未来を危惧し、「ラガー」に代わる新たな商品を生み出そうと立ち上がった一人の男がいたのをご存知でしょうか?

その名は、前田仁氏。彼は「一番搾り」や「淡麗」、「氷結」など、数々の伝説的ヒット商品を生み出したマーケティングの天才なのです!本書『キリンを作った男―マーケティングの天才・前田仁の生涯』は、そんな前田氏の波乱万丈の人生と、彼が放ったヒット商品の数々の秘密に迫った、まさに衝撃の一冊です!

著者の永井隆氏は、30年以上もビール業界を取材し続けてきたジャーナリスト。その豊富な知見と取材力を存分に発揮し、前田氏の真の姿を鮮やかに描き出しています。本書には、前田氏の同僚や上司、ライバル企業の重鎮たちの証言も数多く収められており、まさに業界の「裏側」を覗き見ることができる、貴重な一冊となっているのです。

自社の看板商品を潰そうとした!? 常識破りの発想が生んだ「ハートランド」

前田氏が手がけた商品の中でも特に印象的なのが、1986年に発売された「ハートランド」です。緑色のボトルにはキリンのロゴすら入っていないこの商品は、当時のキリンからすれば、あまりにも常識破りな存在でした。なぜなら、これは社内のごく一部の人間だけが知る、極秘プロジェクトとして進められていたからです。

その目的とは、なんと自社の看板商品である「ラガー」を潰すこと!当時のキリンは業界シェア6割を誇る絶対的な強者でしたが、前田氏はその地位に満足することなく、時代の変化とともにラガーが売れなくなることを予見していたのです。だからこそ彼は、「未来を切り拓く新商品」の開発に乗り出したのでした。

「ハートランド」は、大量消費時代に逆行するかのように、「量より質」を追求したビールでした。ターゲットを「コアなファン」に絞り込み、彼らに徹底的に愛される商品を目指したのです。前田氏のこの発想は、当時の常識からすれば、あまりにも型破りなものでした。しかし結果は見事で、「ハートランド」は長年愛され続ける、キリンの代表的なブランドへと成長を遂げたのです。

アサヒの猛追を跳ね返せ!「一番搾り」誕生秘話

そんな前田氏にとって、さらなる試練が訪れます。ハートランド発売のわずか1年後、ライバルのアサヒビールが大ヒット商品「スーパードライ」を投入し、キリンに猛追をかけてきたのです!業界のリーダーとしての地位が揺らぎ始めたキリンは、この危機感から新商品開発を迫られることになります。

その任を負ったのが、またしても前田氏でした。彼は社内の精鋭を集めた特別プロジェクトを立ち上げ、「アサヒを打ち負かす新商品」の開発に乗り出します。部門の垣根を越えて多様な人材を集め、社外のクリエイターの知恵も借りる。そうして完成したのが、「一番搾り麦汁だけを使う」という型破りのビール、「一番搾り」だったのです。

発売当初こそ苦戦を強いられたものの、前田氏は「一番搾り」の可能性を信じて突き進みます。品質へのこだわりを前面に打ち出したマーケティング戦略が功を奏し、「一番搾り」はついにキリンの新たな主力商品へと成長を遂げたのです。前田氏の先見の明と、決して諦めない精神が、キリンの危機を救ったのでした。

逆境をはね返し、信念を貫く不屈のマーケター魂

本書を読み進めていくと、前田氏の型破りな発想と行動力だけでなく、その不屈の精神にも心を打たれずにはいられません。キリンという大企業の中にあって、前田氏の道のりは決して平坦ではありませんでした。

「ハートランド」の成功後、社内の権力闘争に巻き込まれ、一時は子会社への左遷を余儀なくされます。「一番搾り」の苦戦時には、周囲から事業の撤退を迫られもしました。しかし前田氏は、どんな逆境に立たされようと、決して信念を曲げることなく、自らの理想を追い求め続けたのです。

前田氏のバイタリティの源泉は、何といっても顧客への愛情でした。彼は「ビールで人々を幸せにしたい」という熱い想いを胸に、どんな困難にも立ち向かっていったのです。そんな前田氏の生き様は、まさに我々に勇気と希望を与えてくれるものです。前田仁という男の不屈の魂が、キリンの歴史を動かしたのだと言っても過言ではないでしょう。

伝説のマーケターが遺した教え

2020年、惜しくも70歳でこの世を去った前田仁氏。彼が残した功績と教えは、今なおマーケターたちの指針であり続けています。

顧客を徹底的に理解し、その価値を追求する姿勢。社内外の英知を結集し、常識の殻を破る発想力。どんな逆境にも屈しない、不屈の精神。本書は、そんな前田氏の生き様を通して、私たち一人ひとりに、仕事と人生を真摯に生きることの意味を問いかけてくるのです。

特に印象的なのは、前田氏が重視していた「対話の場」についてのエピソードです。彼は常に顧客の声に耳を傾け、その想いを商品に反映させることを心がけていました。そのために彼が作ったのが、「実験室」とも呼ばれた「ビアホール・ハートランド」です。キリンの直営店とは知らずに訪れた客たちが、飾らない本音を語り合う。前田氏はそこから数々のヒントを得て、次なるヒット商品へと昇華させていったのです。

ビジネスパーソンのみならず、自らの人生を切り拓いていきたいすべての人に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。前田仁という稀代のマーケターの軌跡が、きっとあなたの心を揺さぶり、新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれるはずです。その不屈の精神と情熱を、ぜひ自らの糧としていただければと思います。

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