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CIRCLE'24 DAY2 の1日

福岡の音楽フェスCIRCLE'24の2日目に行ってきた。私は昔から日光に弱く、遠足や林間学校、キャンプやBBQをした夜は発熱するナチュラルボーンインドアな上に体力もないから連日は無理で。
今年はCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN(チョコパコチョコキンキン)を絶対に観たかったから2日目にした。彼らは1番手11:30〜だったので早起きして開場即滑り込みした。

チョコパ、すんごい良かった。ベースYutaは細野晴臣さんのお孫さんなのだけど、近くで見ると思わず吹き出しそうになるほど似ている。オープニングは長いDJリフに生音オカズが入って盛り上がっていく趣向。そこから一気にチョッパーベースが。ぐわっと込み上げて少し涙ぐんでしまった。過去から脈々と繋がるもの。受け継がれていく営みって、なんて美しいんだろうって。
血縁が大事な訳ではない。例えば幸宏さんのスピリットはMETAFIVEメンバー達に宿っている。あらゆる芸術は過去の偉大な作品から影響を受けているし、同時代で相互に影響し合い、未来の作品を生み出す。それが人の美しき営みだし、小沢健二的に言えば「愛すべき生まれて育ってくサークル」のひとつだと思う。奇しくもこのフェスは「サークル」な訳で。そうした感慨が一気に込み上げたから涙ぐんでしまった。
また、ヴォーカルDaidoが素晴らしい。特にスティールパンを自ら奏でながら歌った『りんご追分』は素晴らしかった。美空ひばりをこんな今風に美しくアレンジできるんだ、こんなに良い曲だったんだって素直に驚いたし、5月の暖かな陽射しと、少しひんやりと肌を撫でる風に漂って霧散していくような音と声。
ラストの『琉球 Boogie Woogie』は晴臣さんのトロピカル3部作を彷彿とさせるし、三線が加わってまた良かった。

それでも感じたのは、もっと良いはずなのに、、という感覚。これなんだろう?って思ってたら、次のceroで納得した。完成度だ。私はceroはそう好きではないのだけど、完成度で圧倒していたし良くはあるので聴かされた。私には何がどう問題あってどう違うのか分からないけれど、素人にもわかる「完成度」と、その足りなさってあるんだなと思った。チョコパはみんなまだまだ若いし、今後に期待以外ない。

母から荷物届いたと入電。送らねばならないものがあったので、ついでに福岡名物や韓国食材などを一緒に送っていたのだ。
「なに、あなた韓国ブームなの?」と聞くから、「お母さん韓ドラにハマってたし、物珍しいかなって」と返したら「今はもう全然韓ドラ観てないし、和食が一番なのよね。まあ物珍しいけどね」と。
そういえば私が中2の時、母の日に母の誕生石のガーネットがちょこっとついたささやかなネックレスをプレゼントしたら、「ありがとう。でもアクセサリーは二度と贈らないで」と言われたなあと思い出した。基本的には心優しき好人物なんだけど…
電話を切った後、夫が「お母さん喜んでた?」と聞くので、母に言われた内容を伝え、「わざわざ言う必要なくない?」って言ったら、「ほんとそれだね」と笑った。中学生の頃はこういう思いをひとりで抱えるしかなかったけど、今の私には笑ってくれる理解者がいるんだよって、子供の頃の自分の頭を撫でた。

フードエリア行ったついでに喫煙所に行ったら、朴訥でタバコ吸わなそうな雰囲気の20代半ば位の男の子がいた。よく見るとモスグリーンのネイルが似合ってて好ましい。連れの男の子が「そのTシャツなに?」と。パーカの前を開けて「サンゲリアってゾンビ映画」と。私はそこで「はい、君そっちね!分かる!なかなか話が合う同年代いないよね!」って、内心ほくそ笑んだ。連れの男の子は案の定ポカーンとしてた。

DJブースの方へ行ったらカクバリズム(角張渉)がすごい盛り上がってた。ネタとも言い切れないガチで頭おかしいだろって音の連続ではじめ引いたけど、あまりに狂ってるから徐々に笑いが止まらなくなる。ブース正面の日陰に座って休みながら鑑賞。玉置浩二『田園』のカバーで観客が拳上げて一緒に歌っててみんなどうかしてたし、その直後になんとトーキング・ヘッズ流す暴挙で爆笑。面白い!楽しい!

在日ファンクに移動。相変わらず良かった。こういうファンクは楽しいしハッピーだし、ハマケンはキュートだし好き。SAKEROCKのサービス精神を一番引き継いでるのかな?

ZAZEN BOYSやばかった!!!昔はそんなに好きじゃなかったのだけど、kimonosなど向井秀徳の音楽の幅が広がる程に好きになっていってて、最新のアルバム良かったから期待してた。しかしその期待を軽々超えてきた。冒頭から数曲、かなりファンク寄りな上、ギターとベースが複雑に絡み合うところに絶妙なドラムと声。複雑すぎるから観客が上手に身体を動かせないほど。縦ノリロックとかの単純さの真逆。最高にカッコいい。匠の技と経てきたモノの凄み。去年は向井秀徳ソロでそうでもなかったのだけど、今年は最高だった。
この時、目の前が偶然チョコパのYutaとDaidoで、2人とも左手にビール、右手にカクテルで両手塞がってたから笑ってしまった。2人して両手のカップを高く掲げるの、なんだか良かった。

青葉市子、ギターも声も美しいし良いのだけど、MCで興ざめしてしまった。「繊細なわたし」に酔っ払った自意識が濃く匂うのって苦手なのでごめんねって感じで夫を見たら案の定冷めきった顔をしていたので立ち去り、DJブースへ。

またカクバリズムが大盛り上がりしてた!しかもスペシャルゲストは岡村靖幸ならぬ奥村靖幸!ピンクのシャツで熱唱中で、挟まるセリフにも爆笑。「次の曲は来月からはじまるドラマ主題歌!」とはじまった曲が『贈る言葉』だからまた爆笑。観客に肩を組ませ、図らずもまた愛すべき「サークル」を目撃。みんなで熱唱、最後は胴上げ!最高!
その後、角張さんが飛行機間に合わないと、常盤響にバトンタッチ。彼のDJ好きだけど聴けてなかったのでラッキーと思いつつ、すぐそこだしちょっと一服しようと喫煙所で煙草に火を付けた瞬間に流れ出した2曲目が『今夜はブギーバック』だったから、すわ大変と慌てて揉み消して走ってって踊りまくった。ずっと日陰で座って見てた夫の元に戻ると、案の定ブギーバックで走ってった私の様子が面白かったと笑われた。

常盤響のDJ終わったとこで帰路へ。この日のトリはEGO-WRAPPIN'だったからスルーしました。良いステージなことは去年も遠巻きに観たから知ってるけど、音楽の好みあるのはしゃーない。
CIRCLEは駐車場チケット買えば車で行けるのがまた良い。元からない体力、年々衰えてますので。帰宅して熱を測ったら37.1℃。根っからのインドア派です。


Spotifyのオフィシャルでプレイリスト公開されてます。初日のくるりやKIRINJIも!

カクバリズムのDJにゲスト参加した奥村靖幸ことボギーさんのXより。『贈る言葉』で盛り上がる動画


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