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勝ち負けじゃないんだ

この週末は、娘達の県大会応援に
息子のトライアスロン応援に
応援ざんまいだった。

娘達はバスケットを小学校から始めて、今中学二年と三年。
姉は市内に唯一の高校に進学予定だが、バスケは部員がおらずおそらく出来なくなる。

つまり、夏休みに行われる大会は部活だけでなく実質のバスケ引退試合だ。

地区優勝してトーナメントはシード。
でも勝ち上がって来た相手は格上。
チーム全体の身長差も体格差も選手数も全てが娘のチームを上回っていた。

試合は終始相手ペース。
こちらが少しでもふらついたりボールさばきが雑だと、隙をついてカットされる。
ボールを持つとすかさず二人に囲まれ封じ込められる。

じわじわと広がる点差。
ボールが奪われ、あっさり頭上からシュートを決められ、歯がゆい溜め息の応援席。

でも娘たちは最後まで全く諦めてなくて、何とか隙間をついては点差を詰めようと必死だった。


そんな姿を見ているとじんわり目が霞んできて涙をこらえるのに必死だった。


結局20点差で負けてしまった。
泣く三年生たち。
もうこの子達の、このチームの、試合が見れなくなる。
そう思うととてつもなく淋しい。

次の日おすそ分けに来てくれたおんちゃんに、
「県大負けたやないかぁ。でも40点も取ってえらい!」
と褒められ
「負けてしもぅた」
とニコニコ答えていた娘。

みな地方新聞を見て気にかけてくれているのだ。そして、いいところを見つけて褒めてくれる。
負けたとしても思い切りやりきった試合には勝負以外の何か。
大切な何かが得られるんだと思う。

次の日は、息子のトライアスロン大会だった。


息子も地元のミニバスチームに入っていたのだが、あまりに勝負にこだわるチームの方向性に違和感を感じ、楽しかったバスケが楽しくないといいはじめ辞めてしまった。

それから二年、勧めても何の習い物もせず少し無気力と思えるほどダラダラと過ごしてきた。
そんな彼が、今年これに参加したいと学校から持って帰ってきたチラシがちびっこトライアスロン大会だった。

久々に何かに挑戦したいという息子にびっくりし、半信半疑ながら嬉しかった。

トライアスロンはスイム、バイク、ランの3つの競技が複合したもの。
一つの競技でも大変なのに3つの種目を連続してこなす。

加えて子供はライフジャケットや肘当て膝当ての着脱もあり、競技以外のところで練習が必要となる。

煩雑な過程に親子でウンザリしながらも何度もシミュレーションし本番に臨んだ。

当日はまぶしいくらいの晴天酷暑。加えて沖にある台風の影響でウネリを伴う波が高くスイムは中止に。
メガネをかけていることもあり、スイムが一番の心配だったので内心ホッとしながら熱中症対策にスポーツドリンクを頻繁に飲ませる。
参加する友達も見つけ、応援にも友達がきてくれた。
だいぶ緊張はほぐれたようだ。

スイムの代わりに、海岸の短距離ランで試合スタート。
スタートダッシュは上々、中間位を守りながらバイク置き場へ。

ところが、自分のバイクを見つけるのが遅れ少し後退。
ハラハラしながら帰ってくるバイクを待つ。

上位が帰りランを開始。
だんだんと皆が到着する。
友達も帰ってきた。

息子はまだ来ない。

だんだんと不安になる。
熱中症かな?大丈夫かな?

とうとう最後尾の組。

本当に最後に息子が帰ってきた!
かなり最後引き離されていたが、目が必死で本気で、ちっとも諦めてなかった。

なぜ最後尾?
という疑問が残りながらも必死な彼に
涙ぐみながら 頑張れ!えらい!と声をかけるのが精一杯だった。

ランに移り、一歩一歩しっかり走り出す息子。

ラストスパートでは猛追し、ゴール前で何人か抜くデッドヒートを繰り広げ無事完走した。

終わったあと倒れこみ、もうやりたくないと言いながらもスッキリした顔をしていた。

後から聞くと、バイクで中間位まで追い上げたが、接触で転んでしまったそうな。

スタッフに続けてやれるか?と聞かれ、泣きながらもやれると応えたらしい。

気がつくとあちこちに擦り傷ができ、太ももは打撲もしたようだ。

ケガしながらも頑張った彼は誰かとの勝敗ではない何かに打ち勝ったんだと思う。


自分で決めて成し遂げた感覚

諦めなかった気持ち

きっとこれから先、何かあった時頑張る原動力になると思う。

すでにいつものダラダラ夏休み生活に戻っているけれど。

子供達のひたむきな頑張りは、今までの人生で知らなかった親としての感動を与えてくれる。

本当にお疲れ様!

#勝ち負けじゃない #親の気持ち

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