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とんとん拍子?

あれだけ悩んでいたのが
嘘だったかのように

夫がわたしのやりたいことを快諾してくれて

その日のうちに
予約希望の連絡を先方へ入れた。



メールフォームに必要事項を入力していく。
ただそれだけのことなのに
ものすごくそわそわして。

まるで手書きのお手紙を
したためているかのようだった。




もうおばさんと言われても
おかしくないような
年齢に差し掛かってきたけれど
今頃こんな胸のざわめきを経験するとは
思ってもみなかった。


憧れの人に会いに あおい海を渡ろう


わたしの好きなアーティストの
とある曲の一節が
この日頭の中を繰り返し回り続けていた。







なかなか寝つけず、
翌朝は遅い目覚めだった。


スマホを確認すると返信が来ていて
開く前から胸が高鳴る。

終始ドキドキしながら幾度か連絡をとりあい
無事に予約もできた。




応援してくれている夫へ
一番に報告する。

「おー、良かったじゃん」


「すっごいドキドキする!!」
「あのね、君と付き合い始めの頃はね
わたしの片思いじゃなかったから、ゆっくりドキドキに慣れていけたの」
「でも今ね、その場所にいったら本当にその先生がいるのかな?って思うとね…!」

おかしい程のテンションで話すわたしを
彼は楽しそうに微笑みながら見つめている。

わたしにはもったいないほど優しくて
神様みたいだな、と思うことがある。




「みみも楽器始めるなら、俺はベースやろうかなー」
あぁそういえば、
以前そんなこと言っていたっけ。

「パソコンで曲も作れるからさー」
「じゃあ、わたし演奏しながら歌うわ」
「俺がベース弾いてオケ流すか」
「無理矢理ふたりバンド!」

この人はわたしの「楽しい」を
共有してくれるんだよね。



一緒にいて長いのに、
そういうのにまだちょっと慣れきれないけど
幸せって当たり前じゃないんだって
忘れずにいられるから
よしとしようか。



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