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「残響のテロル」を巡る考察手帖

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ノイタミナ枠テレビアニメ「残響のテロル」に関する考察や評論のテキストをまとめています(注:視聴した人向けです)。
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「必要」と「大切」の距離・断章――リサから始まる親密圏(「残響のテロル」講・改稿)

【記】 このnoteは、下の記事をリバイズしたものです。 2年を経過したこともあり、改めて「おはなし」(あるいは講義)調へと変更しながら、より論点が明確になるよう改訂しています。旧いものはさておき、改めたものを、以前に一度ご覧になった方にも、未見の方にも、 この機会にお読み頂けると嬉しいです。 序 2014年9月25日。 『残響のテロル』最終回(第11話)放映のおよそ4時間前に、新宿の映画館で最終話特別上映会が開催されました。映画館の大きなスクリーンに最終話が上映された後に

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桜田門外の辺――「残響のテロル」3話の風景

「残響のテロル」、第3話に出てきた警察周辺の風景の逆ロケハンです。セリフとともにお楽しみください。 羽村「納得できません!」 倉橋「地域振興の建前、地元の人間の方が、 雇用にあたって有利だからな。」 倉橋「その絵が、宮島の顔だ。」 柴崎「写真はないのか?」 柴崎「俺がガキのころ、住んでた町はさ、 年寄りばっかだったんだよね。」 柴崎「でもちょっと、引っかかるんだよ、何かが。」 羽村「河合さんさ…あんたみたいなベテランが、 どうしてクレーン操作、あんなミスしち

殲滅戦の前夜に――第2話までで練る「残響のテロル」考/講

本日も、前回に引き続いて「残響のテロル」についてのお話です。取り上げる対象に同じものが続くことのないようにしたかった、という気持ちもあったのですが、やはり「いま、面白い!」というものを取り上げたいと思います。 解題からはじめますと、第3話「SEARCH & DESTROY」を見る前にこれまでの2話の内容から推理できることを整理する内容なので、題目を「殲滅戦の前夜に」としておきました。 今晩考えておきたいのは、ナインとツエルブがどこから来たのか?そして、現時点でクサいのは誰か