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ジェンダーギャップ指数120位・日本という現実は男女問わず多くの人を不幸にしている

Global Gender Gap Report 2021の内訳

世の中、特に企業がSDGsというワードを打ち出して環境問題などに取り組んでいる姿勢を見せている。
そのような企業のうち、目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」に向けて取り組んでいるのは何社だろうか。

改めてジェンダーギャップ指数というものを紹介すると、
「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示す。
日本の2021年の評価は、全体が120位、経済0.604、教育0,983、健康0.973、そして政治が0.061となっている。

レポートを見ると、改めて驚愕の事実が書かれている。

・日本人女性の収入は、日本人男性の平均収入より43.7%低い
・議員、上級職員、管理職:男性が85%
・国会議員、官僚:男性が90%
・女性総理大臣の在籍年数:0年

https://www.weforum.org/reports/global-gender-gap-report-2021

教育・健康の分野では格差が少ないものの、経済・政治分野では大差がある。

この他に、私の思う「隠れた格差」も挙げたいと思う。

※この記事は、主に男女平等について記載するが、LGBTQをはじめ、どんな特性の方であっても健やかに生きる権利があり、誰もその権利を奪ってはならないという前提で書く。


家事労働

家事労働とは、いわゆる家事・育児・介護のことである。
令和3年版 男女共同参画白書によると、女性が男性の2倍以上家事・育児をしており、コロナ前後でその傾向は変わらないとのこと。
家事労働の増大は、就業継続や両立を困難にし、個人や家族の生活の質を悪化させる。

出典:https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/index.html


個人的な話になるが、もし私に子供ができても、子供の面倒を見てくれる親はいない。しかし、給料の中で賞与の割合が大きく、育休中は賞与分は支給されないことを考えると、早めにフルタイムで職場復帰したい。
まだ結婚もしていないのに気が早いが、将来離婚しても食べていけるように正社員としてのブランクをあまり空けたくない。

しかし、そのような働き方をしているのは、全体の7.6%である。

https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-00-37.html


流産・中絶・避妊・性犯罪

こちらは書ききれないので別の記事にしました。


ジェンダー不平等はなぜ男性も不幸にするか?

一言でいうと、「男らしさ」の鎧を脱ぎ、認知のゆがみを治し、個人の意志や感情を尊重することで、本人や周りも幸せに生きられると思う。

ここでは、今起こっている世の中のひずみを、エンドからスタートまでの順で記載していく。


高齢者孤独死

一般的に女性の方が寿命が長いのに、高齢者の「孤独死」の割合は男性が女性の2倍近く。
「男は仕事、女は家事」の固定観念によって仕事に邁進し、家事の仕方が分からず地域とのつながりを持たないまま定年を迎えた男性が、熟年離婚で孤立化し、最終的に孤独死するというストーリーが浮かんでくる。


熟年離婚

孤独死の前段階の「熟年離婚」についても、女性の方が離婚への思いが強くなる場合が多い。
男性は「愛情が感じられなくなった」が理由の1位だが、女性は「定年退職後に毎日、配偶者と家で一緒に生活するのは耐えられないから」。
毎日旦那が家にいれば食事などの家事負担も増える。後ほど記載するが、もっと精神的なすれ違いが起こっていることも考えられる。


DV(身体的・精神的・性的暴力)

ではなぜ熟年離婚が起こるのか。2つ挙げる。
1.女性の家事労働負担の偏り、仕事との両立が困難なために離職・非正規雇用などで男女の収入格差が起き、男性が家庭での発言力を増していく。女性はキャリアを諦め、我慢しながら生活する。
2.逆に、男性が家計を支えなければという過大なプレッシャーを背負い、終身雇用制度の崩壊した現代日本でなんとか働いている。そのストレスや、「女は家で楽出来ていいよな」と見下した姿勢が、家庭内暴力、モラハラにつながる。

もちろん、DVは女性が加害者となることもある。しかし、配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数等(令和元年度分)では男性の相談件数が2,902件に対し、女性が116,374件となっている。


自殺

警視庁の「令和2年中における自殺の状況」によると、令和2年の自殺者数は女性7,026人、男性14,055人。
コロナ禍で女性の自殺者が大幅に増加し、男性の自殺者は減っているが、男性の自殺者の方が多い。

「職業別自殺者数の年次推移」を見ると、無職者が一番多く、
「自殺の原因・動機別自殺者数の年次推移」を見ると、健康問題、次いで経済・生活問題が原因となっている。
恐らく、リストラや就職難、体を壊してしまったなどで生活苦に陥ってしまったと考えられる。
生活保護やベーシックインカムなどの社会福祉や、「男は仕事」という価値観を一度置いて、人生をやり直す選択肢が得られる世の中であったら、この結果は違っていたかもしれない。

https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R03/R02_jisatuno_joukyou.pdf


男性性研究

こちらの記事で、男性側から見たジェンダー平等について書かれている。私では分からないこともあるので、詳しくは割愛する。

人生100年時代に突入し、定年年齢が引き上げられる中、週休3日制や、男性の育児参加など、無理しない、ワークライフバランスに向き合う時が来ていると考える。


女性の管理職、専門職・技術職、政治家が増えるように

日本のジェンダー不平等、特に男女不平等に関する問題をたくさん書いた。
最終的には、結論はここだと思う。
本来は、社会的地位やパワーバランスなど関係なく、誰もがお互いを尊重すべきだと思うが、ジェンダー平等の価値観を獲得していくためには、婦人参政権運動のときのように、戦い、提言し、勝ち取っていく必要がある。

世の中には、パワーバランスがまったく平等という関係性はないと思う。
例えば、労働組合は、労働者が雇用主と対等に交渉するために存在する。
その中で、お互いに主張したり、相手を尊重したり、交渉することで、お互いが生きやすい環境に近づいていく。
何もしなければ何も変わらない。私はこれからも、当然のように、個人の幸福、社会全体の幸福を目指して行動し、口出しをしていくと思う。

お気持ちいただけたらとっても嬉しいです!