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【漫画】アスペル・カノジョ(完結)

新聞配達で生計を立てている売れない同人作家・横井の家へ、鳥取から突然やってきたのは「ファンだ」という少女・斉藤さん。彼女は見ているもの・感じている事・考えやこだわりが、他の人と違っていて……。これはそんな「生きづらい」ふたりが一緒に暮らして、居場所を探す、日々の記録。(説明文より引用)

周りに発達障害の人がいないと思って生きてきたけど、ここ数年職場にて、話してることがどうも通じない人や数字が関わる仕事になるとただ数を数えることすら上手くできない人などと立て続けに関わる機会が増え、本人達は自分が発達障害だと気づかずに大人になったんだろうなと言う人たちと接してきた。

そんな時ふと目に止まったのがこの漫画「アスペル・カノジョ」。
主人公の斉藤さんはかなり重度の発達障害で病院にも行ってるし薬も飲んでいて、ここまでの人には出会った事が無いのだけれど、現実的にこういう人はいるし、どうしても健常者には理解してもらいにくい感覚を見事に描いてる作品。

横井さんの斉藤さんの受け止め方や考え方、言葉がものすごい。
心理士さんでもあんなこと言ってくれない。

現実とリンクして考えると、実際は目の前でこちらが理解できない行動をとられた時に、横井さんのようには話せないし、斉藤さんのご家族の方が圧倒的リアル。
でも、リアルだなと思う方の描写には救いがない。

家庭内での孤立や暴力、学校でのいじめ、リストカットなど、読んでてとても苦しくなるがリアリティーがある。

横井さん自身は発達障害ではないけれど人間関係に対してとても持ってるものがあり、だからこそ斉藤さんを受け入れ、斉藤さんも横井さんを受け入れている。
一見、勉強になるな、とか斉藤さんが横井さんに出会えて、今日を生きられてよかったなと薄っぺらい感想はいくらでも言えるが、結局のところ、何か共感できるものを持っている人でなければここまでの理解はできないのではないだろうか、とも思えてしまった。

障害から来る考えや行動と言うのは頭ではわかっていても、受け止める側も人間である以上、余裕のある時もあればしんどい時もあって、必ずしもいつも受け入れ合えるわけではないところが難しい。

この漫画もまだこれから2人の人生は生きられるだけ続いていく。
1日、1日。
答えや結論は無い。

無いのだけど、こういう漫画はもっと世に多く出て広まって、どこかの誰かの考えるきっかけになってほしい。

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