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霧島国際音楽祭、終わる

昨日、霧島国際音楽祭の全プログラムが終了した。今年は2公演しか行けなかったが、鹿児島にいながらにしてウィーンの雰囲気を感じることのできた音楽祭だった。

初回は、世界で活躍する演奏家たちが集結する、キリシマ祝祭管弦楽団公演。ボルサン・イスタンブール・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督・主席指揮者であり、ウィーン国立歌劇場でオペラも振るサッシャ・ゲッツェルさんのタクトのもと、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」が演奏された。

あまりに有名な曲のため、これまで通しで真剣に聴いたことがなかった。作曲の背景を知らずとも、故郷を懐かしむ気持ち、未知の世界と出会った興奮が伝わってくる曲。ゲッツェルさんの全身をつかったダイナミックかつ優雅な指揮ぶりが印象的だった。

昨日のファイナルコンサートもゲッツェルさんの指揮で、ベルリオーズの「幻想交響曲」。鹿児島でこの曲を聴く機会があるとは思ってもみなかった。4人で演奏するティンパニ、バスドラム2台、遠くから聞こえてくるカリヨンがあり、パーカッション大活躍の一曲。ティンパニがリズムのみならず、オケ全体の和声をつかさどる楽器であることをあらためて感じ、目にも耳にもたのしい演奏会だった。

2回の公演とも、アンコールはヨハン・シュトラウス2世作曲のポルカ(「狂乱のポルカ」「雷鳴と稲妻」)だった。ウィーン出身で父親がウィーンフィルのヴァイオリニスト、自身もかつてウィーンフィルでヴァイオリン奏者として活動し、今はウィーンの歌劇場でも活躍するゲッツェルさんらしい選曲ではなかろうか。

昨日の帰りみち、「幻想交響曲」のカリヨンについて夫と話していて思い出したテレビ番組がある。タモリ倶楽部だ。

昨年放送された「時々レンタルありがとうございます 愛と哀しみのレアクラシック打楽器の世界!」がおもしろかったことを思い出したのだ。

都内のレンタル楽器店の店員さんによる貸し出し頻度やレンタル料金の解説を聞いた後、東フィルの打楽器奏者によるお手本演奏があり、最後はタモリさんたちがオケの映像に合わせて「レア打楽器」を演奏するという楽しい企画である。そこに幻想交響曲のカリヨンも出てきたのだった。