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「うつ」と「自死」について③

人間は、

幾多の複雑な感情を持ち合わせた生き物だ。

故に、人間の精神は個性を持ち、
それが人格を形成する一つ要因となる。

精神は、

脆く崩れやすい。

一旦崩れると底に達するまでが容易だ。
上を見ながら光を探すのが、非常に難しくなる。

人は誰でも気分が落ち込むと、寂しい、辛い等の感情を持つ。
恐怖や不安の要素を抱えてしまう。

だが、それが継続すると、
興味あることや喜びの対し、
心が無表情になる。

想像を絶する苦悩となり、心と脳を蝕んでいく。

英国の元首相ウインストン・チャーチルが、「うつ病」であったことは、
あまりにも有名だ。
彼は自身の「うつ病」のことを「私の黒い犬」と呼んでいた。
治療法が発達していなかった彼の時代。、
彼は黒い犬がくると、それが去るのをじっと待つしかなかった。

”おお心よ心、汝には山がある、切り立った絶望がある。
身も凍る、険しい、人には測れぬ絶壁の数々が。
たいしたことではないかもしれぬ、
いまだ吊るされたことのない者にとっては”

「うつ、その深き淵より」     ピート・C・カイパー 

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上記は、勤務する施設にて、
「高齢者とうつ病」というテーマを頂き、私が書いたレポートの序論です。

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自分の楽しみが、
楽しいと感じられなくなったら。

何をやる気にもなれなくなったら。

毎日にもやがかかって、
希望の光を見出せなくなったら。

朝の日の光さえも苦痛に思えてきたら。

自分の存在を消してしまいたくなったら。

あなたはどうしますか?

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誰もが経験する「うつ状態」。

「うつ病」と「うつ状態」とは、全く別のものです。

「うつ状態」は誰でも陥る可能性があります。
それが継続し、日常生活に支障をきたすようになると、
それが「うつ病」と呼ばれます。

「うつ病」の気分の落ち込みは、日常体験する気分の落ち込みとは、
その深さ、辛さ、継続性という意味に、本質的に異なります。

それが、上記のピート・C・カイパー著の、ある精神科医の闘病記の言葉に象徴されています。

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