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【命を身ごもり育むと言うこと④】




この頃、一番辛かったのは、頭痛だ。 

ほぼ毎日のように頭痛があった。 
しかし、薬は飲めない。 
冷えピタやアイスノン、氷を入れたビニール袋を常に持って頭を冷やす状態。 

薬を飲まないので、治るのが遅い。 
治るまで2、3日かかる。 


こめかみが脈打ち、目の上がガンガンして、 
頭全体が疼く状態が、ほぼ毎日。 



この頃は安定期で、薬を飲める状態であったし、先生も飲んでいいといったが、私は絶対に飲むことはなかった。 


お腹の中の赤ちゃんに影響があるであろうものは一切排除。 

カフェインなんてもってのほか。 
お菓子などに入っている微々たる洋酒も避けた。 





********** 



妊娠5カ月目の最初の戌の日。 
私はクリニックを訪れた。 


助産婦さんが、腹帯に安産の願いを込めて、朱色を筆につけ、「寿」という字を書いてくれる。 


用意した腹帯に字を書いてもらい、ラクトフェリン配合の赤ちゃん用粉ミルクと、ママ用ミルクをもらって帰った。 


その日から、お腹を守るために腹帯をまくようになった。 


臨月になるまでを通して、私はお腹があまり大きくならなかった。 


だが、この頃は、姉が買いなさいといって促した妊婦用のお腹がすっぽりガードできるショーツを履き、その上に腹帯を巻いた。 


寝ている間も起きているときもずっと腹帯を巻いている。 
それがとても安心感があった。 




着実に進む妊娠期間。 


このころ、マイナスの感情は私の中から少しづつ消えていった。 









ラマーズ教室もこの頃始まった。 
私は、毎回必ず旦那さんと出席。 
旦那さんと一緒にきているカップルは私たちだけで、ちょっと恥ずかしかったのだけど、旦那さんがどうしても一緒に来たがってくれた。 






ラマーズ教室を仕切ったり、腹帯をつくってくれる助産婦さんは、 
クリニックの先生のお母さん。 

かなりの年配者でありながら現役。 


ちゃきちゃき話す口調や柔らかな笑顔がとても素敵な方だ。 







妊娠7、8ヶ月ごろになると、 



今度はまた困ったこっとが起こり始めた。 




それは、つわりのころとは打って変わって、 
食欲との戦い。 





食欲がすごい出てきて何でも食べられる。 




しかし体重がすぐに増えてしまう。 



すぐにお腹がすきなにかを食べたくなるので、この頃よく、 
サクマのドロップの缶を買って、常に食べていた。 




これなら太らないと思い、一日に何個も飴を食べていたら、 
今度は尿検査で糖が出てしまい、摂取制限がかかった。 






この頃のお腹の動き。 




胎動は実に面白いものだった。 





胎動を感じた一番初めの腸の動く感じに似た感覚は全くなくなり、 
今度は、みぞおちや肋骨を蹴り上げるような、皮膚が出っ張るような力強い胎動を感じるようになったのだ。 
一切痛くはない。 



それともう一つ、 

お腹の中の赤ちゃんが、 
しゃっくりをしているのを胎動を通じて感じるのだった。 






一日を通して、しゃっくりばかりしている赤ちゃん。 
しゃっくりを感じる度に私は笑ってしまった。 






この頃のもう一つの変化。 

それは、この時期から、妊婦用の服を着るようになったこと。 
ジャンパースカートや、お腹周りがゆったりとしたゴム製になっているジーンズ。 


それを着て、お腹に目をやるたびに、自分は妊婦なんだなと実感した。 


それを着て、出かけるのが、うれしく思えた。 






続く・・・。 

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