【命を身ごもり育むと言うこと④】
この頃、一番辛かったのは、頭痛だ。
ほぼ毎日のように頭痛があった。
しかし、薬は飲めない。
冷えピタやアイスノン、氷を入れたビニール袋を常に持って頭を冷やす状態。
薬を飲まないので、治るのが遅い。
治るまで2、3日かかる。
こめかみが脈打ち、目の上がガンガンして、
頭全体が疼く状態が、ほぼ毎日。
この頃は安定期で、薬を飲める状態であったし、先生も飲んでいいといったが、私は絶対に飲むことはなかった。
お腹の中の赤ちゃんに影響があるであろうものは一切排除。
カフェインなんてもってのほか。
お菓子などに入っている微々たる洋酒も避けた。
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妊娠5カ月目の最初の戌の日。
私はクリニックを訪れた。
助産婦さんが、腹帯に安産の願いを込めて、朱色を筆につけ、「寿」という字を書いてくれる。
用意した腹帯に字を書いてもらい、ラクトフェリン配合の赤ちゃん用粉ミルクと、ママ用ミルクをもらって帰った。
その日から、お腹を守るために腹帯をまくようになった。
臨月になるまでを通して、私はお腹があまり大きくならなかった。
だが、この頃は、姉が買いなさいといって促した妊婦用のお腹がすっぽりガードできるショーツを履き、その上に腹帯を巻いた。
寝ている間も起きているときもずっと腹帯を巻いている。
それがとても安心感があった。
着実に進む妊娠期間。
このころ、マイナスの感情は私の中から少しづつ消えていった。
ラマーズ教室もこの頃始まった。
私は、毎回必ず旦那さんと出席。
旦那さんと一緒にきているカップルは私たちだけで、ちょっと恥ずかしかったのだけど、旦那さんがどうしても一緒に来たがってくれた。
ラマーズ教室を仕切ったり、腹帯をつくってくれる助産婦さんは、
クリニックの先生のお母さん。
かなりの年配者でありながら現役。
ちゃきちゃき話す口調や柔らかな笑顔がとても素敵な方だ。
妊娠7、8ヶ月ごろになると、
今度はまた困ったこっとが起こり始めた。
それは、つわりのころとは打って変わって、
食欲との戦い。
食欲がすごい出てきて何でも食べられる。
しかし体重がすぐに増えてしまう。
すぐにお腹がすきなにかを食べたくなるので、この頃よく、
サクマのドロップの缶を買って、常に食べていた。
これなら太らないと思い、一日に何個も飴を食べていたら、
今度は尿検査で糖が出てしまい、摂取制限がかかった。
この頃のお腹の動き。
胎動は実に面白いものだった。
胎動を感じた一番初めの腸の動く感じに似た感覚は全くなくなり、
今度は、みぞおちや肋骨を蹴り上げるような、皮膚が出っ張るような力強い胎動を感じるようになったのだ。
一切痛くはない。
それともう一つ、
お腹の中の赤ちゃんが、
しゃっくりをしているのを胎動を通じて感じるのだった。
一日を通して、しゃっくりばかりしている赤ちゃん。
しゃっくりを感じる度に私は笑ってしまった。
この頃のもう一つの変化。
それは、この時期から、妊婦用の服を着るようになったこと。
ジャンパースカートや、お腹周りがゆったりとしたゴム製になっているジーンズ。
それを着て、お腹に目をやるたびに、自分は妊婦なんだなと実感した。
それを着て、出かけるのが、うれしく思えた。
続く・・・。
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