新星
4月4日(木)
たっぷり寝た。小鳥の歌声が聞こえる。可愛いなぁ。朝から うっとりする。
玄関を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
今日もクローバーたちは健やかだ。
カカオにご飯をあげる。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。
食事の支度をする。じゃこご飯を炊く。
どら焼きを焼く。
ごはんさんにお裾分けを持って行く。
「みるさん、80年ぶりに北斗七星の近くに新星が現れるそうですよ。」と、ごはんさんが言った。
「えっえっ。」と、私。
新星というのは新しい星のことかと思っていたが、そうではなくて元々あった恒星が一気に1000倍から時には1億倍も明るくなる現象のことだった。
そして、この現象は白色矮星という特殊な恒星で起こるらしい。
私は以前、ごはんさんに教えてもらうまで白色矮星のことを知らなかった。私の中で簡単な言葉に変換すると、小さくてすごく重い星。
4月から3ヶ月くらいの間見ることができそうだと予測されている。
「北斗七星の下の方だから北斗七星が上空に来たら見れそうですね。」と、ごはんさん。
「見れたらいいねぇ。楽しみだねぇ。」と、盛りあがる。
私は、星を見るのが大好き。きれいで神秘的で、すいこまれそうな、そんな不思議で美しい星空を眺めるのが、ただただ大好きだった。
ごはんさんは宇宙について自分が気になるところを深く掘り下げる。
果てしなく感じる宇宙空間はどこまで続いているんだろう。という話になる。壮大で頭がくらくらする。だけど、とても面白い。
こもれびの森で見る星空は格別美しいね。と、話す。灯りが少なく空気が澄んでいる。あの澄みきった夜空に輝く星たちに胸がふるえた。
ごはんさんが退院してまた星の話ができるようになってよかったなぁと思った。
そして、お仕事に行く前、外付けのカーナビをくれた。
何度も日記に書いているが、18年前の私のカーナビは真夏に「メリークリスマス!」と言う。新しい場所に行くと途中で黙り込む。ちょっとせつなくなる。
とてつもなく方向音痴の私にはカーナビが必要だ。Googleマップも使うけれどパケット量がうなぎのぼりだ。
ささっと設置してくれた。確認。ちゃんとカーナビだ。うれしい。これで安心だ。
お向かいのTさんのお兄さんにファンヒーターをひとつ選んで返すことにしていた。使わない方を ごはんさんが運んでくれた。
用事で出かける。
帰りに小さなカップのハーゲンダッツのストロベリーアイスを買う。
帰ってからお散歩に行く。
霊園は桜が満開をちょっと過ぎた頃だった。一面淡いピンク色。風に舞うハート型の花びら。その様子を見ていると、桜の妖精がくるくる ひらひら踊っているようだ。可愛い。幸せなきもちになる。地面に淡いピンク色の絨毯を敷いているみたい。咲いているときも散ってからも私たちを楽しませてくれる。
家に帰り、アイスクリームを食べる。とろけるおいしさ。1カップぜんぶ食べた。
夕食の支度をする。
修一郎が起きてきた。
絵本のラフを描きはじめる。もくもく。
壊れたファンヒーターに残っている灯油を灯油缶に戻そうと試みる。
ちょっと重い。手動のポンプで移す。あまり入っていない感じがする。ポンプは諦めて、何とか持ち上げて灯油缶にそおっと移す。とぽとぽとぽ。よし。ん?なんか足の甲が濡れてきている。そおっと灯油が こぼれていた。床も灯油浸しだ。ぎゃあ。
夜、庭に出る。
青墨色の空。星も月も見えなかった。新星を見る日が楽しみだ。いつの間にか寒くなくなっているなぁと思う。夜のぜんぶに「おやすみ。」を言う。
カカオはいつもの椅子の上で足を投げ出して眠っている。
今日もいい一日だった。
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