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滝に連れて行ってもらった

2月24日(土)
昨晩、なかなか眠れなかった。ワクワクして。

博多阪急の展示会のとき、友人たちが来てくれる。友人でアニマルコミュニケーターの みかさんも県外から来てくれる。

友人たちの笑顔を思いだす。とても素敵な人ばかり。私は まわりの人にとても恵まれている。自然に愛があふれてくる。愛があふれすぎると、身体が溶解してゆく感じがする。愛の海に溶けてゆく感じ。涙が すーっとこぼれた。

なかなか眠れなかったけれど、ぱちりと早く目が覚めた。

仰向けに眠っているブータンをなでる。起きるとブータンもついてきた。カカオとブータンにご飯をあげる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
クローバーが もこもこしてきた。

ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。

ポストに てくてく歩いてゆく。レモンさん家のスモークツリーの葉っぱが ぜんぶ落ちていた。その細い枝の間に鳥の巣が ふたつあった。うれしくなる。小さいけれど居心地のよさそうな巣。

巣を眺めていると、女性が歩いてきた。

「おはようございます。」と、私。すると、

「お芋さん、ありがとうございました。」と、その人が にっこり大きな笑顔で言った。

「??」と、思う。そして、思いだした。

10月のバーベキューパーティーのとき、通りかかったその人に焼き芋を ひとつお裾分けしたのだ。

「おいしかったです。」と、笑顔。

よかった。私も笑顔になる。10月のことを覚えてくれていて喜んでもらえてうれしかった。

空が青い。清々しい。池が輝いている。植物も木々も ぜんぶ輝いている。素敵。うっとりしながら歩く。楽しくて幸せなきもちになる。

家に帰り着く。
ウーちゃんとルーちゃんの水を控えめに換える。

修一郎が起きてきた。
食事の支度をする。

今日は土曜日。毎週恒例の ”こもれびの森” に赴く。支度をする。
玄関を出ると、軽トラがわが家の前にぴたりと停まった。植木屋さんだ。

「どうされたんですか?」と、私。

「消毒しようと思って。」と、植木屋さん。

「え。うちの木?」と、私。

「うん、そう。」と、植木屋さんが はにかむ。

いつも突然の植木屋さんだった。

「これから出かけるところなんです。」と言って、ペットボトルのお茶を渡す。

「よかよか。」と言って植木屋さんが片手をあげた。

ごはんさんと ”こもれびの森” へ しゅっぱーつ!

途中で、植物やさん たかしまえん に寄る。PIZZA BELLAのキッチンカーが来ていた。今日もヨハンさんのお髭がユニークだ。ごはんさんが卵とベーコンのピザを注文した。私はいつものバナナシフォンケーキとバナナスムージー。

PIZZA BELLAのピザは Valerian オーブンを使って450度で焼く。注文してから6分くらいで出来あがる。

焼き上がったピザを持って、今日もごはんさんとヨハンさんは記念撮影。カシャリ。とびきりの笑顔。

車の中で食べる。
ところどころ焦げ目のついたナポリピザの生地がとてもおいしそう。ごはんさんは、まるくて大きなピザを ぺろりと 食べた。私がバナナスムージーを飲んでいる間に。

到着。
もう人がみえていた。用事をする。用事を終えて荷物を運ぶ。
運んだ先の木の枝にも小さな鳥の巣があるのを見つける。うれしくなる。

帰るとき、ごはんさんが言った。

「みるさん、白糸の滝、行ったことあります?」

「行ったことない。話には聞いたことある。」と、私。

「行ってみます?すぐそこなんですよ。」と、言ってくれた。胸が高鳴った。

私は昔、日本舞踊を習っていた。そのとき、白糸の滝の話を聞いていたのだ。「行ってみたいな。」と思っていたけれど、遠すぎて行かなかった。そのまま記憶の端っこで静かにしていた ”白糸の滝” に、思いがけず連れて行ってもらえることになるなんて。夢にも思っていなかった。

白糸の滝へ しゅっぱーつ!

ひんやり湿った空気。細くて狭い急な山道の階段。息があがる。両脇を猪が掘った跡が続いている。滝の姿は見えないけれど、ゴォゴォと水の音が聞こえてくる。ドキドキする。

白い滝が見えてきた。きれい。深い森の奥にある白い滝。近くに寄ると冷たい水しぶきが飛んでくる。おもしろい。滝の下に水がたまっている。この大きな水たまりを通って次の滝へとつながってゆく。ぜんぶきれい。妖精が出てきそう。

滝をじゅうぶん楽しんで下りるとき、ごはんさんが ぴゅうっと駆け下りた。泳ぐウーちゃんを真似て。

「待って〜!」と、私。

距離が縮まると、また ぴゅうっと駆け降りる。笑っている。小学生男子か。

「待ってよ〜!」と、私。リピート。

お買い物をして帰ることにする。

いつものお店で、ごはんさんがお酒をカゴに入れようとした。缶に「氷結 パイナップル」と、書いてある。

「今日、氷結 1箱もらったんじゃない?」と、私。

「パイナップル味でしたっけ?」と、ごはんさん。

「えっと…。うん、パイナップル味だった。」と、力強く断言する私。

家に帰りつき、いろいろ荷物を下ろす。お酒の箱を下ろしながら、

「みるさん、パイナップルじゃなかった。」と、ごはんさんが言った。

「え。」と、私。

箱を見ると、5種類も果物の名前が書いてあるのに、その中にパイナップルは入っていなかった。

暗くなった空を見あげる。
まんまるの おぼろ月だった。スノームーン。星は見えない。

「霧がかかってるみたい。」と、ごはんさんが言った。

その通りだった。幻想的できれい。白糸の滝を思いだした。

家に入り、修一郎に「白糸の滝に連れて行ってもらったよ。」と言うと、「よかったね。」と言ってくれた。

カカオはいつもの椅子の上で身づくろいをしている。ブータンはきっとベッドの上だろう。

今日もいい一日だった。

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