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みるみる こころ ふるふる

12月18日(月)
ピンポーン。
今日もチャイムの音で目が覚める。時計を見ると11:00前だった。冬眠の季節がやってきた…。

カカオにご飯をあげる。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげて水を換える。

明日、冷蔵庫が届く。冷蔵庫のまわりや壁を掃除する。冷蔵庫を動かす機会なんて、そうそうない。

午後、庭に出る。
Uさんが立ちどまってクローバー畑をじっと見ている。私が出たのに気がついて、そばにやって来た。

「イルミネーション、きれいね〜。私、イルミネーション見つけたとき、すごくうれしかった〜。すごくいいよねぇ。」と、言ってくれた。

「ツリーみたいでしょ。」と、私。

「うん、ほんと、赤いまるいのもあってツリーみたい。」と、Uさん。

「あれ、リンゴの木なんですよ。」と、私。

「えっ!本物!?」と、びっくりした顔のUさん。

「そうですよ。近くで見てください。」と、私。

ふたりでクローバー畑の奥まで歩く。ミニりんごの前に立つUさん。

「ほんとだ!可愛い〜!小さなりんご。真っ赤になってる!可愛いねぇ。」と、満面の笑み。そして、

「小さい方も可愛いねぇ。なんともいえない。」と言って、しばらくりんごの木の話をする。

「りんごが喜んでるよ。ここに植えてもらって。こんなに広いクローバー畑に植えてもらって、喜んでる。」Uさんが繰り返しそう言った。

「うん、そうね。喜んでたらうれしい。」と、私も言った。そして、クローバー畑の話になる。

「ここのクローバー、いつも青々して、どうして一面にクローバーがあるんだろうって思ってたら、種を蒔いたんだ。」と、Uさんがびっくりした様子で言った。

「うん、耕して、蒔いて、耕して、蒔いてって繰り返したの。」と、私。

「ここ通るときもちがいい。空気がきれいな感じがする。すーっと気分が良くなるよ。春は花が一面に咲いてきれいだったね。でも、この緑一面もすごく好き。」と、Uさんが胸に手をあてて言った。

「よかった。」と、私も笑顔。

「また見に来ていい?」と、Uさん。

「いつでもどうぞ。私がいないときでも勝手に入って四つ葉のクローバー探したり、りんご見たり、好きに過ごしてください。」と。私。

お花みたいな笑顔でUさんが帰っていった。もう、「主人に早く迎えに来てほしい」って思わなくなったらいいなぁと思った。

ごはんさんの冷蔵庫に預かってもらっているヤクルトをもらいに行く。夏の間預かってもらっていた多肉植物の福兎耳を引き取る。仕事部屋に置く。

午後、外出してあれこれ用事をする。帰りに黄色いビオラとノースポールの苗を買うことにする。どちらも大好きな花。ノースポールは毎年こぼれ種でたくさん咲くけれど、昨年ちょっと少なかった。なので3苗カゴに入れる。ビオラは5苗。
花壇の日々草が終わったので、植え替えるつもり。楽しみ。

苗を選んでいると、

「みるちゃん!」と、声がした。顔を上げると、バナナさんとパジャマさんが立っていた。

「あっ、バナナさん!」と、私。

「駐車場で みるちゃんの車が停まってたから、『みるちゃんいるよ!』って話してたんだよ〜。」と、バナナさん。お兄さんのパジャマさんは隣で にこにこしている。

「そうなんだぁ。お花の苗買おうと思って。花壇、植え替えるの。」と、私。

「へぇ!うちはトイレットペーパー。」と言って、バナナさんが買ったばかりのトイレットペーパーを掲げた。そして、

「じゃね!」と、トイレットペーパーを振って駐車場へ歩いて行った。

苗を そっと車に乗せて家に帰る。

もう夕方になった。明日雨が降らなかったら植え替えをしよう。ひとまず玄関先に置いておく。

メッセージが届いた。
”空のいろ” というギャラリーとカフェをを経営している とも子さんからだった。
絵本と挿絵付き短編集をお店で販売してくれている。

「お客様方はみるちゃんの絵本に癒されてます \(;▽;)」と、書いてくれていた。とてもうれしかった。

修一郎が起きてきた。
夕食の支度をする。

夕食を食べていると、ジャムが ニャーニャー言いながらやって来た。カカオがいる。でも怒らなかった。カリカリを食べてミルクを飲んで、2匹で微妙な距離を保ちながら、並んでファンヒーターの温風にあたっている。ケンカしなくてよかった。体を温めたら同時に出かけた。

メールを開くと、Rさんから またまた写真のリンクが届いていた。
その写真を見て、すごくときめいた。きゅんきゅんくる。
なんと、モンゴルの大平原に建つリクガメの形をしたバーの写真だったのだ。すごい。素敵すぎる。バーというより遺跡っぽい。ロマンを感じる。

喜びの返信を送ると、
「映像を見た時、建物の隅々までもう力いっぱいの亀愛を感じて、ああ、モンゴルのこんなところに みるみるの同志がいる…と心震えたのでした。」と、返信の返信が来た。

そして、すぐにそのカメがリクガメだと分かった私にもまた震え、
「愛が深いと、なんか、心がふるふるしますね。」と、カボチャを食べながら書いてくれていた。

私の心も ふるふるした。
みるみる こころ ふるふる。
あ、なんかリズムがいいなぁ。

夜、庭に出る。
キリッと冷えた空気。空一面雲に覆われているけれど、雲のグラデーションが見えない。なので、一面の墨色。果てしない空間を感じて、すいこまれそうになる。みんな雨戸を閉めていて、街灯もないので、真っ暗。濃い夜の色。その中で青く、りんごのイルミネーションがキラキラ輝いている。深海で見るクラゲってこんな感じかなと想う。

カカオは寒がりなのに、寒い夜に遊びに出かける。

今日もいい一日だった。

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