日本とアカシアについて考える。

アカシア属

アカシア属は約1000種が熱帯から温帯にかけて、特にオーストラリア大陸、アフリカ大陸に多数の種が分布している。その多くは非常に深く主根を伸ばすため、年間を通してほとんど降水が無い砂漠に自生している。

日本のアカシア

日本には、明治時代に輸入されたニセアカシアを当時アカシアと称していたことから現在でも混同される。たとえば「アカシアはちみつ」として販売されている蜂蜜はニセアカシアの蜜である。また、花卉栽培されるフサアカシアなどがミモザと呼ばれるが、本来ミモザはオジギソウを指す言葉である。

アカシア属の植物は、関東以北では栽培が困難であるものが多い。比較的温暖な所で栽培されるものに、フランスのミモザ祭に使われるフサアカシア Acacia dealbata や、葉が小ぶりで、生花に使われるギンヨウアカシア A. baileyana がある。ともに花期は 3 - 4月、花の色は輝く黄色。特に早い春に、1cm未満の球状の花が輝く黄色のたわわになる。
 そのほかに、モリシマアカシア A. mearnsii (花期 5 - 6月、花の色は地味なクリーム色、タンニンを採取する有用植物。)やアラビアガムの原料であるアラビアゴムノキ A. senegalなどもある。

ゴムの木

ゴムの木ってマメ科? 調べてみるとあのゴムの木は、クワ科イチジク属インドゴムの木の常緑高木。別名、アッサムゴムというらしいです。現在ではより生産効率面で優れるトウダイグサ科パラゴムノキに取って代わられているらしいです。

ところで、ゴム: gom)は、元来は植物体を傷つけるなどして得られる無定形かつ軟質の高分子物質のことでしたが、現在では、天然ゴムや合成ゴムのような有機高分子を主成分とする一連の弾性限界が高く弾性率の低い材料すなわち弾性ゴムを指すことが多い。

弾性ゴムイソプレンの重合した炭化水素から成るのに対し、アラビアゴムの主成分は多糖類であり、アラビノガラクタン(75-94%)、アラビノガラクタン-プロテイン(5-20%)、糖タンパク質(1-5%)の混合物である。水に対する溶解性が高く、水溶液は強い粘性を示し、良好な乳化安定性を示すため、乳化剤や安定剤などの食品添加物として飲料や食品に広く用いられている。身近なところではアイスクリームなどの菓子類や、ガムシロップが典型的な用途である。

ニセアカシア

さて、ニセアカシア(学名: Robinia pseudoacacia)は北米原産のマメ科ハリエンジュ属の落葉高木。植物学上の標準和名はハリエンジュ(針槐)。日本には1873年に渡来した。蜜源植物として重要で、街路樹、公園樹、砂防・土止め用の植栽、材は器具用等に用いられる。季語は夏である。
 ニセアカシアの名前は、種小名の pseudoacacia (「pseudo=よく似た acacia=アカシア」)をラテン語から直訳したものである。和名のハリエンジュは古くから珍重されるエンジュに似ているが、針棘が発達することからついた。
 北アメリカ原産で、ヨーロッパや日本など世界各地に移植され、野生化している。根粒菌が窒素固定するため、痩せた土地でもよく生育する特徴を持つ。
 北海道では花穂を天ぷらにして食べるほか、新芽は和え物や油炒めで食べることができる。花をホワイトリカー等につけ込んでつくるアカシア酒は強い甘い花の香りがする。精神をリラックスさせる効果があると言われる。
 花から上質な蜂蜜が採れ、有用な蜜源植物である。ニセアカシアを蜜源として利用する地域は東日本に多く、2005年のはちみつ生産量の44%がニセアカシアによる。特に長野県でははちみつの74%がニセアカシアの花を「みつ源」としている。
 緑化資材として、ハゲシバリの別名で知られる。マメ科植物特有の根粒菌との共生のおかげで成長が早く、他の木本類が生育できない痩せた土地や海岸付近の砂地でもよく育つ特徴がある。このため、古くから治山、砂防など現場で活用されており、日本のはげ山、荒廃地、鉱山周辺の煙害地などの復旧に大きく貢献してきた。北海道では、耕作放棄地、炭鉱跡の空き地などの管理放棄された土地がニセアカシアの分布拡大の一因となっている。
 近年、本来の植生を乱すなどの理由で、緑化資材に外来種を用いることが問題視され、環境省の特別要注意外来植物に指定された。

オジギソウ

オジギソウ(お辞儀草、含羞草、学名:Mimosa pudica)は、マメ科ネムノキ亜科の植物。別名はネムリグサ(眠り草)。ミモザは本来オジギソウの学名に由来する植物名であるが、日本語ではほぼアカシア類の花を呼ぶ名としてのみ使われており、本来は誤用である。種小名のpudicaは、ラテン語で「内気な」を意味する。本来は多年草であるが、耐寒性が低いため日本の園芸では一年草扱いにすることが多い。5月頃に種子を蒔くと、7-10月頃にピンクの花が開花する。背丈は高くならないが、棘が多いのでやっかいである。

ギンネム

ギンネムまたはギンゴウカン(銀合歓、Leucaena leucocephala)はマメ科ネムノキ亜科の落葉低木。和名はネムノキに似て、白い花を咲かす様子を雅語的に表現したところから。
中南米が原産地だが、世界中に移植され現在世界のあらゆる熱帯、亜熱帯のアルカリ土壌地帯に繁茂している。
 日本国内には小笠原諸島と沖縄県に人為移入され、その後野外に逸出して帰化した。近年は南九州まで分布を拡大している。

ネムノキ

ネムノキ(合歓木、合歓の木、Albizia julibrissin)はマメ科ネムノキ亜科[注釈 の落葉高木。夜になると小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行うことが知られている。イラン、アフガニスタン、中国南部、朝鮮半島、日本の本州・四国・九州・南西諸島に分布する。各地の山野、原野、河岸に自生する。

 ネムノキ属は主として熱帯に150種ほどが分布するが、その中でネムノキは飛び抜けて耐寒性が強く高緯度まで分布する。温帯で広く栽培され、一部で野生化している。

ネムノキだけがもともと日本にあった植物なんですね

 

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